Facebook広告において、オーディエンスの設定による適切なターゲットの設定は、ビジネスで成果を生み出す非常に重要なポイントの1つです。
実名制が基本となるFacebookの持つデータは緻密で正確。
しかしその反面、「そもそもオーディエンスが何なのかよくわからない」「自分が運用する広告にふさわしいオーディエンスの種類を知りたい」といった方も多いのではないでしょうか。
今回は、Facebook広告のオーディエンスの種類とその特徴について解説いたします。
オーディエンス設定を行う階層
これからご紹介するオーディエンスの作成・編集は、基本的にFacebook広告管理画面における「広告セット」の階層で設定が可能です。
既に作成済みのキャンペーン、広告セットの中身を編集する場合には上図、「広告セット」の階層から編集したい広告セットを選択し、[編集]を選択。
新規作成の場合は上図、キャンペーンの1つ下の階層、「広告セット」で作成ができます。
オーディエンスの種類とその特徴
Facebook広告で設定できるオーディエンスは大きく分けて3種類あります。ここからはそれぞれの特徴や設定方法についてご紹介します。
コアオーディエンス
Facebookに登録されている情報の中で、「利用者データ(年齢、性別など)・位置情報・興味関心・つながり」から構成されているものをコアオーディエンスと呼びます。
選択できる項目は多数あり、年齢や性別、地域などがこれに含まれます。実名登録制であるため、ここでのターゲティングの精度が高いのもFacebookの特徴です。
要素 | 詳細 |
---|---|
利用者データ | ・性別(すべて、男性、女性) ・年齢(13~65歳で1歳刻みで調整可能 ※65歳以上は一括り) ・デバイス(モバイル、デスクトップ) ・プラットフォーム(Facebook、Instagramなど) |
位置情報 | ・郵便番号 ・都市 ・地域 ・国 なお、特定の住所を設定することで、半径1~80キロの範囲でエリア指定が可能。 |
詳細なターゲット設定 | ・興味関心(買い物・ファッション、フィットネス など) ・利用者層(学歴、世帯年収、ライフイベント、子供の有無、交際ステータス、仕事 など) ・行動(購入行動、よく旅行する人、中小企業オーナー など) ※興味関心は、ユーザーの「いいね!」したページや投稿した記事などに基づき、Facebookが独自にカテゴライズ。また、学歴や仕事、交際ステータスには、ユーザーが登録している情報が反映されます。 |
つながり | 広告主のFacebookページやアプリ、Facebookイベントにてユーザーが起こした行動に基づき、ターゲティングに含めるOR除外設定が可能 |
ここでは、任意の条件を掛け合わせることによるターゲットの絞り込み、あるいは拡大を行うことが可能です。
また、指定されたユーザーへ広告を表示しないようにする除外設定も行うこともできます。
任意の条件で絞り込みを行う場合
この設定を使用すると、条件A(興味関心:コンサルティング)と条件B(興味関心:広告)の両方に一致するユーザーが広告配信の対象となります。
上記の例では、「コンサルティングと広告の両方に興味のある人」がターゲットとなります。このような設定を行うことで、より的を絞ったターゲティングで広告の配信が可能となります。
任意の条件を掛け合わせる場合
この設定を使用すると、条件A(興味関心:コンサルティング)と条件B(興味関心:広告)のどちらか1つに一致するユーザーへ広告を配信することができます。
複数の興味関心などをまとめ、比較的広範囲なユーザーをターゲットとして広告を配信したい場合に用いられます。
上記の例では、「コンサルティング、もしくは広告のどちらかに興味のある人」がターゲットとなります。
除外設定
特定の条件に一致するユーザーを除いてターゲティングを行いたい場合には、ターゲットの除外設定を使用します。
上記の例では「コンサルティングに関心のあるユーザーは含めるが、広告に関心のあるユーザーは除く」というターゲティングとなっています。
意図せずターゲットを拡大、あるいは限定しないためにも、これらの設定には特に注意が必要です。
カスタムオーディエンス
webサイトへの流入や、Facebook・Instagramで特定の行動を起こしたユーザーに対してのターゲティング方法がカスタムオーディエンスと呼ばれます。
種類 | 詳細 | 備考 |
---|---|---|
ウェブサイトトラフィック | サイトへ流入したユーザー、特定のページを訪問したユーザーを集計したリストに基づき、ターゲティングすることが可能。 | 滞在時間がより長いユーザーは優良な顧客となる可能性が高い。 ※トラフィックが少ない場合、リスト数が不足する可能性があるので注意。 |
カスタマーリスト | 名前やメールアドレス、電話番号などに基づく顧客データを活用し、そのデータとFacebookユーザーと照合することでオーディエンスを作成。 | メールアドレス、電話番号、モバイル広告主ID、名、姓、郵便番号、市区町村、都道府県、国、生年月日、誕生年、性別、年齢、FacebookアプリユーザーID、FacebookページユーザーID |
アプリアクティビティ | アプリやゲームを利用したユーザー、かつ任意の行動を起こしたユーザーのリストを作成し、ターゲティング可能。アプリインストール済みユーザーへのリテンション率の向上、新規ユーザー獲得が主な用途。 | ・アプリを開いた人 ・アクティブユーザー └上位5%、10%、25% ・購入額別のユーザー └上位5%、10%、25% ・セグメント別のユーザー ・アプリイベント |
オフラインアクティビティ | 実店舗来店・電話、その他のオフラインでのやりとりが発生したユーザーのリストを作成し、ターゲティング可能。 ※オフラインイベントの設定が必要 | 設定するオフラインイベントにより異なる。 |
Facebookソースを使用 | FacebookページやInstagramで動画を視聴したユーザー、オーガニック投稿や広告に何らかの行動を起こしたユーザーのリストを作成することができます。その他にリード獲得フォーム、フルスクリーンエクスペリエンス、Instagramビジネスプロフィール、イベントがあります。 |
ウェブサイトトラフィックを使用する場合には、Facebookピクセルの発行・配置が必要となります。
これを任意のウェブサイトのページに配置することにより、コンバージョン計測、オーディエンス作成、ウェブサイトの利用状況に関する情報を得ることができます。 Facebookピクセルについて更に詳しく知りたい方は、下記サイトをご覧ください。
Facebookピクセルについて:https://ja-jp.facebook.com/business/help/742478679120153?id=1205376682832142
また、カスタマーリストを利用する場合には、顧客データのアップロードが必要となります。
ファイルを作成してアップロードする方法、もしくはコピーして貼り付ける方法があり、アップロードした情報は自動的に暗号化されます。
暗号化された情報は基本的に第三者が閲覧できない状態となっていますが、個人情報の取り扱いにはくれぐれも注意するようにしてください。
類似オーディエンス
任意のオーディエンスをソースとして指定し、そこに含まれるユーザーに共通する特徴を抽出することで、共通点がより多いと判断された人々をターゲティングできる機能が類似オーディエンスと呼ばれます。 対象の規模は1~10%の間で指定可能です。
例えば、指定する規模が1%ならば、対象となる地域にいるすべてのユーザーのうち、類似度の高い上位1%がオーディエンスとして指定されます。
つまり数字が小さいほど規模は小さく、かつ類似度は高く、反対に大きいほど規模は大きく、かつ類似度は低くなります。
また、ソースとなるオーディエンスの中において、似た属性を持つユーザーがより多いほうが類似度は高くなります。
興味関心・購買意欲をふまえたユーザー同士の類似性という観点においては、「特定のページにアクセスしたすべてのユーザー」よりも、「購入に至ったユーザー」を対象とする方が優れているということになります。
ソースとして指定する1つのオーディエンスにつき、100人以上が含まれていれば類似オーディエンスの作成は可能ですが、少なすぎると類似性の精度に影響を及ぼしかねません。
ソースとして指定するオーディエンスの規模としては、1,000人~50,000人が推奨されています。
類似オーディエンスについて:https://www.facebook.com/business/help/164749007013531?id=401668390442328
類似オーディエンスの作成方法
1:[ショートカット]から[オーディエンス]を選択。
2:[オーディエンスを作成]から、[類似オーディエンス]を選択。
3:[ソース]、[ターゲット地域]、[オーディエンスサイズ]をそれぞれ選択。
ソースで類似オーディエンスの元となるオーディエンスを選択し、配信地域を指定します。また、作成するオーディエンス数を1つ、もしくは6つまでの中で異なる類似度を複数選択し、一括作成することも可能です。
日本全国をターゲットとする場合、1%につき25万人前後が推定リーチとなります。
あくまでも「Facebook利用者の全体に対する1%」であるため、注意が必要です。
同じく類似ユーザーへの広告配信ができる媒体は他にもいくつかありますが、実名制による配信精度の高さが特徴のFacebook広告における類似オーディエンスは、比較的高い成果を得られると考えられます。
詳細ターゲット設定の拡大
ここまでご紹介したオーディエンスの設定方法とは少し異なりますが、同じようにオーディエンスの規模を拡大し、リーチを広げることのできるツールがもう1つあります。それが詳細ターゲット設定の拡大です。
成果で伸び悩んだ時やオーディエンスの変更を行う際にターゲット設定の拡大を行うと、費用を抑えながら広告の効果を最大限に発揮できるユーザーをシステムが判断し、より効率的に運用を行うことができるようサポートしてくれます。
ただし、この拡大は年齢、地域、性別、あらかじめ指定された除外設定などに干渉することはありません。
オーディエンスの保存方法
いくつもキャンペーンを作成する中で、このようなオーディエンスの作成を毎回行うことは、単純作業とはいえかなり手間のかかるものです。地域設定などが細かく、複雑な場合には設定の不備にもつながりかねません。
Facebookのオーディエンスは任意の名前を付けて保存しておくことができ、その方法は大きく分けて2種類。
1度保存すれば、次回以降からその設定を保持したまま利用可能となります。
パターン1:新しいキャンペーンを作成、もしくは既存のものを編集する際に保存する方法
広告管理画面からキャンペーンを新規作成、もしくは広告セット階層から編集したい広告セットを選択し、地域・年齢・性別などを設定します。設定ができたら[このオーディエンスを保存]を選択するだけでOK。除外設定も方法は同じです。
パターン2:オーディエンスマネージャーから保存する方法
1:[ツール]から[オーディエンス]を選択。
2:[オーディエンスを作成]から、[保存済みのオーディエンス]を選択。
ここで地域・年齢・性別などを設定し、任意の名前を付けて保存すればOK。キャンペーン・広告セットを新規作成、もしくは既存のものを編集する際に[保存済みのオーディエンスを使用]を選択すれば簡単に設定ができます。
このように保存されたオーディエンスを新規・他の広告セットへ適用することで、作成の手間を省き入稿作業の効率化・スピードアップにも繋がります。
おわりに
Facebookにおけるオーディエンスとは、アカウントやキャンペーンの設定においてもっとも基本的な部分であるとともに、ビジネスの成果につながる非常に重要な要素です。
みなさんも是非、この機会にオーディエンスの設定・見直しを行ってみてはいかがでしょうか。
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