Web広告を始めたばかりの方だと、「クリック単価はどうすれば下がるんだろうか?」と思われている方も少なくないかと思います。
そこで本記事では、クリック単価の詳細から検索連動型広告、Facebook広告におけるクリック単価の仕組み、クリック単価を下げる方法について詳しく解説していきます。
クリック単価を改善していきたい方やWeb広告初心者の方は、ぜひこちらの記事を読み進めてみてください。
クリック単価とは
クリック単価は、広告を1回クリックするたびに発生する平均費用のことを言います。
Webマーケティング業界では、CPC(Click Per Click)とも呼ばれます。
クリック単価は以下の計算式で求めることができ、Web広告の費用対効果の良し悪しを判断する重要な指標です。
クリック単価 = 広告費 ÷ クリック数
例えば、広告費が30,000円で、広告が1000回クリックされた場合、
30,000÷1000=30となり、クリック単価は30円となります。
検索連動型広告におけるクリック単価の決まり方
こちらでは、検索連動型広告のクリック単価の決め方について解説します。
検索連動型広告におけるクリック単価は、オークション形式で決定され、以下の計算式で求められます。
クリック単価 = 広告の1つ下の広告ランク ÷ 広告の品質スコア+1
例えば、設定した検索キーワードが競合他社でも利用されている場合、どちらのキーワードに対して広告を表示させるかの競争が行われます。
その時比較される指標が「広告ランク」です。
広告ランクは以下の指標を掛け合わせて求められる指標で、中でも「品質スコア」と「入札単価」を重点的に評価します。
広告ランク = 入札単価 × 品質スコア + 広告表示オプション
評価基準 | 説明 |
---|---|
入札単価 | クリック単価の上限費用 |
品質スコア | 以下3つの指標に基づいて算出される ・推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性 |
広告表示オプション | 広告表示オプションの利用の有無 |
広告ランクは、広告予算を多く投下したからといって掲載順位を優位に働かせることはできません。
広告の品質を診断する「品質スコア」も同時に高めていく必要があります。
広告ランクや品質スコアに関する内容は過去の記事で紹介していますので、詳細を知りたい方は下記をチェックしてみてください。
検索連動型広告におけるクリック単価の相場
検索連動型広告のクリック単価の相場は、業界や業種によって大きく変動します。
Google、Facebook、Microsoftのパートナー企業である「wordstream社」が行った調査では、全業種の平均クリック単価は「353円」でした。
一般的に200円〜400円の範囲が平均水準になります。
以下表は、WordStream社で行った各業界別のクリック単価になります。
$1あたり100円で換算しています。
業界カテゴリ | クリック単価(CPC) |
---|---|
アート・エンターテイメント | 151円 |
ペット・動物 | 286円 |
ファッション・宝飾品 | 266円 |
弁護士・法的サービス | 867円 |
自動車(セール中) | 227円 |
自動車(修理、部品販売) | 313円 |
美容・パーソナルケア製品 | 310円 |
商業・専門サービス | 485円 |
雇用・求人サービス | 394円 |
歯医者・デンタルサービス | 710円 |
教育サービス | 394円 |
金融・保険 | 457円 |
家具・インテリア | 239円 |
健康・フィットネス | 401円 |
家・リフォーム | 611円 |
商工業 | 418円 |
個人的サービス(プランナー、清掃作業員など) | 332円 |
医師・施術 | 378円 |
不動産 | 136円 |
レストラン・食事 | 184円 |
雑貨・グッズ | 225円 |
スポーツ | 173円 |
旅行 | 163円 |
2022年12月02日に更新した情報
弁護士などの法的サービスや歯科医師や歯に関連したサービスは、クリック単価が高くなる傾向があります。
また、家のリフォームなどの自己資産サービスも同様です。
これらの業界は、販売するサービスが高額になるのと競合が多いためクリック単価が高くなる傾向にあります。
Facebook広告におけるクリック単価の決まり方
Facebook広告も検索連動型広告と同様で「オークション形式」でクリック単価が決まります。
また、Facebook広告には「総合の価値」といった「広告ランク」と同じ意味合いをもつ指標が存在します。
Facebook広告の総合の価値(広告ランク)の計算式は以下の通りです。
総合の価値 = 入札単価 × 推定アクション率 + 広告の品質・関連度
評価基準 | 説明 |
---|---|
入札単価 | クリック単価の上限費用 |
推定アクション率 | 広告に対する推定アクション率 Facebook広告のキャンペーン目的によって変わります。例えば、キャンペーン目的をトラフィックで設定した場合は、推定のクリック率になります。一方で売上で設定した場合、推定のコンバージョン率が適用されます。 |
広告の品質・関連度 | ユーザーにとって興味関心のある広告かどうかを示す指標 |
Facebook広告の配信も広告予算を多く投下したからといって広告が最適化されるわけではありません。
ユーザーにとって有益かつ興味関心度の高い広告クリエイティブなのかどうかが重要な視点になります。
Facebook広告におけるクリック単価の相場
Facebook広告のクリック単価の相場は、業界や業種によって異なります。
ウクライナ西部に本社をもつ「AdBraze」が行った調査では、全業種の平均クリック単価は「186円」でした。
一般的に100円〜300円の範囲が平均水準になります。
以下表は、Facebook広告の各業界別クリック単価になります。
$1あたり100円で換算しています
業界別カテゴリ | クリック単価(CPC) |
---|---|
金融と保険 | 377円 |
顧客サービス | 308円 |
家の修繕 | 293円 |
就職・職業訓練 | 272円 |
B2B | 252円 |
自動 | 224円 |
産業サービス | 214円 |
フィットネス | 190円 |
美しさ | 181円 |
不動産 | 181円 |
健康管理 | 132円 |
法的 | 132円 |
テクノロジー | 127円 |
教育 | 106円 |
小売り | 70円 |
旅行とホスピタリティ | 63円 |
衣服 | 45円 |
Facebook広告は、Facebookの他にもInstagramやMessengerなどの多様なプラットフォームに広告掲載できるため、検索連動型広告と比べて競合のハードルがそこまで高くありません。
そのため、クリック単価が抑えられる特徴があります。
ただ、高価格帯の金融・保険や家の購入修繕、B2Bサービスなどは競合が多くなるためクリック単価が高くなる傾向があります。
検索連動型広告のクリック単価を下げる方法
ここまで検索連動型広告のクリック単価の概要から仕組みについてご理解いただけたのではないでしょうか?
つづいて、検索連動型広告におけるクリック単価を下げる方法についてご紹介いたします。
キーワードの見直し
検索連動型広告において、検索キーワードの見直しは非常に重要です。
Googleの管理画面上では、各キーワードごとのインプレッション数(表示回数)やクリック数、広告の品質スコアなどを確認することが可能です。
ユーザーへのアクションが少ないキーワードは停止するようにしましょう。
キーワードを調整することで、クリック率が向上しクリック単価を引き下げることができます。
広告表示オプションの活用
広告表示オプションを活用することで、広告タイトルや説明文で伝えきれない情報を追加することができます。
結果、クリック率が向上し、クリック単価の低下が期待できます。
さらに、掲載結果に影響する「品質スコア」の向上にもつながります。
入札戦略タイプを変更
検索連動型広告の入札戦略にはさまざまありますが、基本的に「目標コンバージョン単価の最大化」や「クリック数の最大化」を利用することが多いかと思います。
クリック数の最大化を設定している場合、上限クリック単価を設定することが可能です。
上限クリック単価を設定することで、クリック単価を低くすることができます。
目標コンバージョン単価の最大化を設定している場合は、コンバージョン単価を下げることで合わせてクリック単価も引き下げることができます。
ターゲティングを拡張
検索連動型広告には、年齢や性別などのデモグラや地域エリア、デバイス別、世帯年収、興味関心といった細かなターゲット設定ができます。
ただ、ターゲット設定を絞り込みすぎてしまうと、効率的な広告配信が制限されてクリック単価が高騰する傾向があります。
ターゲット設定を行う際は、推定のリーチ数が設定中に表示されますのでそれを参考にうまく調整を行いましょう。
除外キーワードを活用
クリック単価を下げる方法として、除外キーワードを活用しすることをおすすめいたします。
例えば、あなたが注文住宅の会社に勤めていたとします。
注文住宅でも得意とするサービスが「木材」なのか「鉄筋」なのかで異なると思います。
検索連動型広告を出稿する際、自然無垢の木材住宅を推しているのに「鉄筋コンクリート 住宅」の検索キーワードで流入していたりすると広告費が無駄になってしまいます。
自社サービスと関連しないキーワードを除外キーワードとして設定しておくことで、広告費の無駄を省くことができるのでぜひ活用してみてください。
Facebook広告のクリック単価を下げる方法
ここからは、Facebook広告のクリック単価を下げる方法について紹介していきます。
広告クリエイティブを変更
Facebook広告は、動画や画像といった視覚的な訴求に強いプラットフォームになるため、広告クリエイティブを改善することでクリック数の増加につながり、結果クリック単価を下げることができます。
広告クリエイティブの改善方法として、「A/Bテスト」というものがあります。
A/Bテストは、2つ異なる広告クリエイティブを配信しそれぞれの効果を検証する手法で、どちらの広告が効果が良いのかを把握することができます。
Facebook広告のデフォルト機能としてA/Bテスト機能が備わってるので、ぜひ活用してみましょう!
入札戦略を変更
Facebook広告のクリック課金方式には、以下の5つの入札戦略が存在します。
- 最小単価
- 平均目標達成単価上限
- 入札価格上限(非推奨)
- 最高値
- 最小ROAS
クリック単価を下げたい場合は、「最小単価」と「平均目標達成単価上限」を利用することをおすすめします。
これら2つの入札タイプは、決められた予算に対して最適な広告配信ができるため、クリック数によるクリック単価の引き下げが期待できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、クリック単価の概要から検索連動型広告・Facebook広告それぞれのクリック単価の仕組み、クリック単価を下げる方法について解説いたしました。
もし、自社で広告の運用を行っていましたら、今回の記事を参考にクリック単価の改善を目指してみてください。
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