Facebook広告は、SNS広告の中でも実名登録であるためターゲティングの精度が高く、費用対効果が高い広告と言われています。
しかし、運用の目的にあった課金方式を選び、予算を設定しなければFacebook広告の費用対効果を最適化することは難しくなります。
そこで本記事では、広告運用者向けに次のことについて解説いたします。
- Facebook広告の課金方法の概要
- それぞれの課金方式のメリット、デメリット
- 広告の予算の設定方法
ぜひ、本記事を参考に自社の広告運用にお役立てください。
Facebook広告の仕組み
課金方法や予算の具体的な説明に入る前に、Facebook広告の仕組みについて解説します。
Meta社がFacebook広告をどのように配信しているかを理解することで、今後のFacebook広告を運用する際に、費用対効果を最適化することに繋がります。
Facebook広告では、オークション形式でユーザーに配信される広告が決定されます。
そのため、オークションで勝てるような広告を設定することが重要となります。
オークション形式
Facebook広告では、次の3つの要素(「入札価格」「推定アクション率」「広告品質」)を元に、オークションでの勝敗を決めています。
要素 | 詳細 |
---|---|
入札価格 | 広告主がその広告に対して設定した入札価格(つまり、広告主が目的達成のために支払う用意がある金額)です。 |
推定アクション率 | 特定の利用者がその広告でアクションを実行するか、その広告経由でコンバージョンに至る可能性(つまり、その利用者に広告を表示することが広告主の目的達成につながる可能性)を示す推計値です。 |
広告品質 | 広告を見た人や非表示にした人からのフィードバックや、低品質とみなされる広告の特徴(情報の隠ぺい、扇情的な表現、エンゲージメントベイトなど)といったさまざまな要素から判断された広告の品質指標。 |
これらの3つの指標をもとに、広告作成時に設定するターゲットオーディエンスと競合する広告とオークションが行われます。
また、推定アクション率と広告品質の指標を元に、「広告の関連度」が測定されます。
つまり、ユーザーに対して、広告の関連度が高いと評価された広告は、競合の広告の方が入札価格が高かったとしても、オークションで落札される可能性があります。
この、広告の関連度は、管理画面からシミュレーションすることが可能です。
過去の任意の期間を選択し、その期間の関連度を次の指標を元に評価します。
- 品質ランキング:ターゲット層が同じ広告の「広告品質」のランキング
- エンゲージメント率ランキング:広告を見た人が、エンゲージメントする確率をMeta社が算出し、その推定値を元にしたランキング
- コンバージョン率ランキング:ターゲット層と最適化の目的が同じ広告のランキング
しかし、この指標が高いからといって、必ずしも広告のパフォーマンスが高いとは言い切れません。あくまで、パフォーマンスが低い広告に対して、なぜ低いのかという目安を知る指標とすることが推奨されています。
参考元:Metaビジネスヘルプセンター 広告関連度診断について
広告関連度診断の結果と、原因、対応策は表を参考にしてください。
No | 広告関連度診断 | 原因 | 推奨事項 | ||
1 | 2 | 3 | |||
(1) | ○ | ○ | ○ | 関連度に問題はない | 広告の目的を再確認し、最適化を行う |
(2) | △ | ー | ー | 広告の品質が低い | ・広告のクリエイティブを修正 ・広告を評価してくれそうなオーディエンスに修正する |
(3) | ○ | ○ | △ | コンバージョンに繋がっていない | 扱っている商材の平均的なコンバージョン率と比較し、その値よりも悪い場合は次のような修正を行う ・広告のCTAまたはポストクリック体験を改善する ・購入意欲の高いオーディエンスに修正する |
(4) | ○ | △ | ○ | 広告がターゲットの関心を集めていない | ・オーディエンスとの関連度を高めるようなクリエイティブに変更する ・オーディエンスを変更する |
(5) | △ | ○ | ○ | 広告の品質が低い | (2)と同様 |
(6) | ◯ | △ | △ | 次のいずれか ・広告がターゲットの関心を集めていない ・コンバージョンに繋がっていない | (3)、(4)と同様 |
(7) | △ | △ | ◯ | 広告の品質が悪く、ターゲットの関心を | (2)、(4)と同様 |
平均以上の場合は「◯」、平均以下の場合は「△」、対象外の場合は「ー」と表記しています。
参考元:Metaビジネスヘルプセンター 広告関連度診断の活用方法
Facebook広告の課金方式
Facebook広告には、大きく分けて次の2種類の課金方式があります。
- クリック課金
- インプレッション課金
以下では、それぞれの課金方式に対して、次のことを解説します。
- 概要の説明
- どのタイミングで課金されるか
- メリットとデメリット
- どのような用途に向いているか
また、キャンペーンの目的別で対応している課金方式についても解説します。
クリック課金(CPC:Cost per Click)
クリック課金(CPC:Cost per Click)とは、広告がクリックされたタイミングで課金される方式です。
そのため、次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- クリックされて初めて費用が発生するため、無駄なコストが発生しにくく、費用対効果がわかりやすい。
- クリックされなければ、広告が何回表示されても料金が発生しない。
デメリット
- 入札単価の調整が難しい。相場より、低く設定してしまうと全く配信されないリスクがあり、高く設定すると広告費をすぐに消化してしまう恐れがある。
- クリック数が少ないと予算を消化することができない。
このような特徴がある課金方式であるため、商品の購入や会員登録、サービスの申し込みなど何かしらのコンバージョンさせたい目的がある場合に向いていると言えるでしょう。
インプレッション課金(CPM:Cost Per Mille)
インプレッション課金(CPM:Cost Per Mille)とは、広告が1,000回表示されるごとに課金される方式です。
そのため、次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- クリック率が高くなってもコストが変わらない。そのため、クリック率が高いほど単価が安くなる。
- 広告費の設定がしやすい。
デメリット
- 表示されるだけで広告費がかかるため、成果に結びついたのかわかりずらく、費用対効果がわかりにくい
このような特徴がある課金方式であるため、コンバージョンよりも認知をしてもらう目的の時に向いています。例えば、商品やサービスの認知の向上、見込み客を獲得したいなどが挙げられます。
キャンペーン目的別で設定できる課金方式
Facebook広告には、下記の表のようにキャンペーンの目的別に使用できる課金方式が決まっています。
カテゴリー | 目的 | 課金方式の対応可否 | |
クリック課金 | インプレッション課金 | ||
認知度 | ブランド認知度アップ | × | ◯ |
リーチ | × | ◯ | |
検討 | トラフィック | ◯ | ◯ |
エンゲージメント | ◯ | ◯ | |
アプリのインストール | ◯ | ◯ | |
動画の再生数アップ | × | ◯ | |
リード獲得 | × | ◯ | |
メッセージ | × | ◯ | |
コンバージョン | コンバージョン | × | ◯ |
カタログ販売 | ◯ | ◯ | |
来店数の増加 | × | ◯ |
参考元:Metaビジネスヘルプセンター 適切な目的を選択する
また、「アプリのインストール」と「動画の再生数アップ」に関してはクリック課金とインプレッション課金の他にも次の課金方式に対応しています。
- アプリインストール:インストール1回ごとに料金が発生する課金方式。「アプリのインストール」のみ対応。
- Thruplay:15秒以上視聴されると料金が発生する課金方式。15秒以下の場合は動画を全て視聴すると料金が発生します。「動画の再生数アップ」のみ対応。
Facebook広告で設定できる広告予算の種類
Facebook広告は、以下の3項目を用いて広告費を設定することができます。
- アカウント全体の予算
- キャンペーンの予算もしくは広告セットの予算
- 入札単価
アカウントの上限予算
アカウントの上限予算とは、全ての広告キャンペーンを含めた上限予算を意味します。
上限予算に達すると、そのアカウントで進行している全ての広告がストップし、課金も止まります。
そのため、ある広告の予算の設定をミスしても、アカウント全体で無駄な広告費を発生しないようにすることができます。
そして、アカウント全体の上限予算を設定したら、下記のいずれかを設定します。
- キャンペーンの上限予算
- 広告セット予算
キャンペーンの上限予算
キャンペーンの上限予算は、各キャンペーンごとに設定できる予算のことを意味します。
これは、「キャンペーン予算の最適化(CBO)」を使用することで、キャンペーン全体の予算を設定します。
そして、最適なパフォーマンスが得られるように、そのキャンペーン内の各広告セットに、設定したキャンペーン全体の予算がリアルタイムで自動で配分されます。
また、キャンペーンの全体の予算は、「1日の予算」か「通算予算」で割り当てるように設定できます。
- 通算予算:広告を掲載する期間で消化する合計金額。これは超過しないように上限として設定されます。
- 1日の予算:キャンペ1日あたりに消化したい平均金額。上限ではなく、あくまで目安として設定されます。
広告セット予算
広告セット予算は、キャンペーン内の各広告単位で設定する予算のことを意味します。
キャンペーン全体ではなく、各広告の配信をより詳細に設定するために用いられます。
そして、広告セット予算もキャンペーンの上限予算と同様に、「1日の予算」か「通算予算」で割り当てるように設定できます。
- 通算予算:広告を掲載する期間で消化する合計金額。これは超過しないように上限として設定されます。
- 1日の予算:キャンペ1日あたりに消化したい平均金額。上限ではなく、あくまで目安として設定されます。
入札単価
入札単価とは、オークションの際の入札価格の上限のことを意味します。
つまり、クリック単価や1,000回表示される際にかかる価格の上限です。
まとめ
Facebook広告には広告の配信に伴う必要な情報を設定するとシュミレーションしてくれる機能がついています。
本記事で紹介した内容を理解した上で、シュミレーションを見ながら広告の費用対効果の最適化を行いましょう。
また、費用対効果を高めるには広告配信後の細かいチェックが不可欠です。
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