Instagramは、Meta(メタ・プラットフォームズ)から2010年にリリースされました。

写真や動画を自由に投稿でき、フルスクリーンを利用したInstagramストーリーズの投稿が可能であるなど、特に視覚的なインパクトや没入感のあるフォーマットが魅力の媒体となっています。

2010年10月のリリース以来、Instagramのユーザー数は成長を続け、2018年時点での全世界ユーザー数は10億人を突破しました。
2019年には日本の国内アクティブ利用者数(MAU)は3,300万人を超え、いまや同じくMetaが提供するFacebookを超える規模にまで成長しています。

参照元:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
参照元: 平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

利用者層としては10代、20代がその多くを占め、比較的若年層に強い媒体といえます。
現在リリースされている主な機能としては、Instagramフィードに加え、Instagram発見タブ、Instagramリール、Instagramショップがあります。中でもInstagramショップでは、ブランドの認知だけでなく、ユーザーの直接的な購買行動を促すこともできます。

参照元:Instagram、リール広告の提供開始を発表
参照元: 新登場 Instagramショップ

今回はInstagramの特徴、およびInstagramを利用した効果的な広告配信やそのメリットについて解説します。

Instagram広告とは?

Instagramでは、 リールやInstagramショップなどの多彩な機能を利用して広告を配信することが可能です。
Google検索広告やYahoo!検索広告のような検索連動型広告との併用はもちろん、Instagramだけに媒体を絞って配信を行う場合もあり、その配信手法は広告の目的によって異なります。


広告を配信する目的には大きく分けて「認知拡大」「成果獲得」の2つがあります。
この目的によって推奨されるInstagram広告の種類は異なるため、配信の目的に応じた適切な広告を選択することが重要です。

Instagram広告を利用するメリット

Facebookのユーザー情報を基盤とした詳細なターゲティングが可能

Instagram広告を配信する際には、実名制を基本としたFacebookのユーザー登録情報が基盤とされるため、性別や年齢といったユーザーが自ら設定する登録情報に加え、趣味・関心(いいね、投稿の保存などのアクティビティ)を基により詳細なターゲティング設定を行うことができます。

Cookieに依存しないターゲティング

これまではユーザー行動(ログイン状態、ショッピングカートの中身の保持など)のトラッキングにサードパーティーCookieを使用するのが主な手法でした。しかし、昨今は世界的にCookieへの規制が強まってきており、Googleは2023年までにサードパーティーCookieを段階的に廃止すると発表しています。

参照元:サードパーティCookieの段階的なサポート廃止について
参照元:AppleのiOS14リリースに合わせたレポートのアップデート
参照元:ユーザーのプライバシーとデータの使用について

一方、Facebookはアプリやブラウザ内でログインして利用するサービスであるため、Facebook上のユーザーIDを基にトラッキングが行われます。
そのため、Cookieに対する制限の影響を受けることはありません。

購買過程に合わせた目標設定

通勤・通学時間、就寝前など、SNSは日常生活の様々なタイミングで利用されます。
1回あたりの利用時間は短いものの1日に何度もサービスが利用されるため、ユーザーの購買意欲や購買過程に合わせ、あらゆるタイミングでアプローチすることが可能です。

各商材に最適な広告フォーマット

Instagram広告では、広告に使用する写真や動画に対し、購買の各段階、および配信面に適したフォーマットや最適化手法を多数提供しています。
これにより、目的に応じた柔軟な広告配信が可能となります。

オーガニック投稿のクリエイティブが流用可能

Instagram広告では、各商材を扱う公式Instagram(Facebook)アカウントに投稿されているクリエイティブを広告に流用することができます。

近年では企業の公式アカウントも積極的に運用されています。
各投稿のエンゲージメントやいいね数などから、特に成果がよいとされるクリエイティブを広告でも利用することで、ユーザーにとってより魅力的で効果的な広告を作成することができます。

Instagram広告を利用するデメリット

Instagram広告の配信対象は、あくまでもInstagramを利用しているユーザーに限られます。

媒体やターゲットを絞り広告配信をすることは無駄が少なく効率的である一方、Google広告やYahoo!広告に比べるとリーチできるターゲットの範囲が狭くなるというデメリットもあります。

Instagramのみに掲載先を絞って配信する場合、さらにリーチできる範囲が狭まる可能性があるため、特に注意が必要です。

また、Instagramの媒体の特性上、仕様変更が頻繁に実施されます。運用者はその都度変更点や新たな仕様を理解し、柔軟に対応することが求められます。

詳細なターゲティングや多様なフォーマットが魅力である一方、実際の運用を行う際には上記のように考慮しなければいけない点も少なからずあります。

常に最新の情報をキャッチし、Instagram広告ならではの魅力やメリットを最大限に活かしていくことが大切です。

Instagram広告の配信面

Instagramを提供するMetaは、Instagramの他にFacebook、Messenger、Audience Networkといった多彩なプラットフォームを提供しています。
広告の配信先をInstagramのみに絞って実施する場合、利用できるプラットフォームはあくまでもInstagramのみです。

ここからは広告配信の目的ごとに、Instagramにおける広告のフォーマットの種類、およびその特徴について解説します。

Instagramフィード

広告配信の目的:認知拡大成果獲得
使用可能なクリエイティブ:シングルまたは複数枚の画像、動画(いずれも正方形、縦型、横型から選択可)

Instagramフィード
画像引用元:Meta公式サイト

アプリが起動された際など、ユーザーがもっとも日常的に目にするのがこのフォーマットです。ここに広告を配信した場合、オーガニック投稿の間に広告が表示されます。

フィードで配信可能な広告は静止画、動画を使った広告に加え、下記のような広告があります。

  • カルーセル広告
  • コレクション広告
  • Instagramショッピングタグを利用したショッピング広告
  • ブランドコンテンツ広告

Instagramショップ内の商品詳細ページへ直接誘導できるショッピング広告、インフルエンサーとのコラボレーションによるオーガニック投稿を広告に流用するブランドコンテンツ広告など、ビジネスのタイプに合わせた柔軟な選択が可能です。

このようにシンプルな画像や動画を使用したフォーマットに限らず、商材をタグ付けすることで、より効果的な配信手法が展開されているのもこのフォーマットの魅力であるといえます。

Instagramストーリーズ

広告配信の目的:認知拡大成果獲得
使用可能なクリエイティブ:シングルまたは複数枚の画像、動画(いずれも正方形、縦型、横型から選択可)

Instagramストーリーズ
画像引用元:Meta公式サイト

Instagramフィード上部に表示される各アイコンをタップすると表示され、フルスクリーンによる没入感とダイナミックなクリエイティブが特徴なのがこのフォーマットです。

ここに広告を配信した場合、オーガニック投稿の間に広告が表示され、投稿から24時間限定の公開となります。

広告のクリエイティブは正方形、縦型、横型のいずれも利用が可能ですが、より没入感のある効果的な広告配信を行うため、媒体側では縦型が推奨されています。

Instagram発見タブ

広告配信の目的:認知拡大
使用可能なクリエイティブ:シングルまたは複数枚の画像、動画(いずれも正方形、縦型、横型から選択可)

Instagram発見タブ
画像引用元:Meta公式サイト

Instagramアプリ下部に表示される虫眼鏡アイコンをタップすることで表示され、フィードやストーリーズと同じく静止画と動画の両方に対応しているのがこのフォーマットの特徴です。

ここに広告を配信した場合、静止画、動画ともにオーガニック投稿の間に広告が表示されます。

このタブを利用するユーザーの多くが特定のコンテンツの検索、フォローしていないアカウントによる新たなコンテンツの発見を目的としているため、ブランドや商材の認知拡大を目的とする場合に特に効果的であるといえます。

Instagramリール

広告配信の目的:認知拡大
使用可能なクリエイティブ:動画(縦型)

Instagramリール
画像引用元:Meta公式サイト

Instagramリールタブで閲覧可能な30秒間のループ動画で、ストーリーズと同じくフルスクリーンを利用した没入感のあるクリエイティブが魅力的なフォーマットです。

ここに広告を配信した場合、オーガニック投稿の間に広告が表示されます。
TikTokなどの流行による短尺動画の需要の高まりに伴ってリリースされたInstagramの中でも比較的新しい機能であり、広告の配信は2021年6月から可能となりました。

また2021年10月には、Instagramフィードと同じブランドコンテンツ広告がリールでも利用可能となりました。

Instagramショップ

広告配信の目的:成果獲得
使用可能なクリエイティブ:シングル画像(正方形)

nstagramショップ
画像引用元:Meta公式サイト

Instagramアプリ下部に表示されるショッピングアイコンをタップすることで表示され、主に商品の購入、検討を目的としたユーザーに利用されるのがInstagramショップの特徴です。

ここに広告を配信した場合、商品がタグ付けされたオーガニック投稿と並んでタイル状に広告が表示されます。

ユーザーが広告をタップすると商品詳細ページへ遷移し、価格や商品の詳細な画像が確認可能なほか、関連する他の商品の投稿を閲覧することが可能です。

Instagram広告の費用、課金方法について

Instagram広告の費用は、配信を開始する時点で自由に設定することができます。
配信期間内通算(合計)の予算、あるいは1日あたりに使用する予算を設定するのが基本的な方法となりますが、アカウントやキャンペーンの上限予算を設定し、広告の配信をある程度抑制することも可能です。

また広告配信の目的に応じた課金形態など、より細分化された選択が可能となっているため、これから実際にInstagram広告の運用を考えられている方は下記をご覧ください。

参照元:【2022年最新版】Facebook広告とは?メリットや種類を徹底解説

Instagram広告を利用する際の注意点

Instagram広告の利用をする際には、下記の準備が必須となります。

  1. Facebookページを作成し、ビジネスマネージャアカウントを取得
  2. Instagramアカウントをプロアカウントに変更してfacebookと紐付け

ここからは上記の手順についてご紹介します。

Facebookページを作成し、ビジネスマネージャアカウントを取得

Instagram広告を出稿するには、Facebookページの作成とビジネスマネージャアカウントの取得が必須となります。

既にFacebookビジネスアカウントを持っている場合、Facebook画面左側のメニューバーから「ページ」を選択し、新しいページを作成します。アカウントを持っていない場合は下記のリンクにアクセスし、アカウント作成ボタンから新規アカウントの作成を行う必要があります。

Meta Business Suite:https://business.facebook.com/

また、広告アカウントを持っていない場合はビジネスマネージャの画面上で広告アカウントを作成し、広告の支払いに関する設定も併せて実施してください。

Instagramアカウントをプロアカウントに変更してfacebookと紐付け

次に、Instagramアカウントをプロアカウントに切り替え、Facebookページとの紐付けを行います。

Instagramアカウントをプロアカウントに切り替えるには、まずInstagramのプロフィールページ右上をタップして表示されるメニューから「設定」を選択します。
「設定」の中から「アカウント」を選択し、最下部にある「プロアカウントに切り替える」を選択します。
ここから連絡先、Facebookページのリンクに必要なプロフィール情報などを追加すればプロアカウントの設定、Facebookページとの連携は完了です。

この設定が完了したら、あとはFacebook広告の管理画面上で実際に広告の入稿を行います。管理画面におけるより具体的な入稿手順については下記をご覧ください。(広告の配信先は必ず「Instagramのみ」に設定してください。

おわりに

柔軟な予算設定を実施しながら没入感のあるクリエイティブでユーザーを惹き付け、ターゲットを絞った効果的な配信を行えるというのがInstagram広告の魅力です。

まずは低予算からSNS広告を運用してみたい、自社のSNSアカウントを活用したいという方は、是非この機会にInstagram広告を始めてみてはいかがでしょうか。

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