Google 広告において、2021年11月より提供が開始された「P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン」。
スマートディスプレイ キャンペーンやスマートショッピング キャンペーンなど、年々自動化が進むGoogle 広告らしいプロダクトではありますが、完全自動化ゆえにどのように活用すればよいのか分からない方も多いかと思います。

2022年7~9月にはGoogle スマート ショッピング キャンペーンが、2022年8~9月にはGoogle ローカル キャンペーンがP-MAX キャンペーンに自動アップグレードされ、以降は新規でのGoogle スマート ショッピング キャンペーンとGoogle ローカル キャンペーンの作成が不可となるため、ECや店舗集客施策をされている場合にはP-MAX キャンペーンの活用が必須といっても過言ではありません。

今回は、まだ謎の多いP-MAX キャンペーンの概要からスマートショッピング キャンペーンとの比較、弊社での活用実績までご紹介していきます。

P-MAX キャンペーンとは?

P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーンとは、1つのキャンペーンからGoogle 広告の多彩なチャネル全て(YouTube、ディスプレイ、検索、Discover、Gmail、Googleマップ)に広告の配信と最適化が可能なキャンペーンタイプです。

Google 広告の多彩なチャネル
画像引用元:Performance Max campaigns launch to all advertisers
-MAX キャンペーン
画像引用元:Performance Max campaigns launch to all advertisers

バナーや広告見出し、説明文など広告の構成要素を設定した「アセットグループ」を作成し、予算、コンバージョン目標を設定するだけで、入札、ターゲティング、クリエイティブ、配信面がGoogleの機械学習により自動で最適化され、配信がされます。
細かい設定が不要で自動で最適化されるなんて理想のプロダクトのようですが、完全自動化ゆえのデメリットや注意点がありますので、順を追ってご紹介していきます。

メリット

1つのキャンペーンへデータの集約が可能

チャネルごとにキャンペーンを分割することで分散していたデータが、1つのキャンペーンに集約されるため、短期間でのパフォーマンスの最適化が期待できます。

最適な配信面への予算割り振りが可能

機械学習によりパフォーマンスの良い配信面へ予算が割り振られるため、予算内で効率のよい配信が可能となります。

幅広いユーザーへのリーチが可能

Googleのリアルタイムの情報とオーディエンスシグナルにより様々な広告枠へ配信されるため、これまでアプローチできていなかった新規顧客セグメントが見つかるなど機会損失を防げる可能性があります。

デメリット

手動での調整箇所が少ない

機械学習により自動で最適な広告枠に最適な広告フォーマットで配信されるため、手動での配信面や広告フォーマットごとの配信量の調整が不可。

詳細な配信実績の確認が不可能

配信面ごとの広告のインプレッション数のみレポートにて確認可能ですが、検索語句や配信面ごとのクリック数やCV数の確認はできません。
オーディエンス別、ユーザー属性別やアセットグループ別の各指標の確認も不可能です。

キーワードやプレースメントの除外設定不可

キーワードやプレースメント除外ができないため、出したくないキーワードや配信面がある場合は要注意です。

オーディエンスの設定不可

P-MAX キャンペーンでは「オーディエンスシグナル」の設定が可能ですが、設定したオーディエンスをターゲティングできるということではなく、あくまで機械学習をより促進するためのシグナルとしての活用になります。

初期設定時に「コンバージョンに至ったすべてのユーザー」を設定するよう推奨がされますが、その他にもカスタムセグメント、データ、興味関心、ユーザー属性などでの設定が可能です。
特に注力したいユーザーセグメントがある場合、「コンバージョン値のルール」で重み付けをすることにより、そのセグメントに対しての配信強化が可能です。
参考:コンバージョン値のルールのセットアップ – Google 広告 ヘルプ

注意点

最終ページURLに注意

P-MAX キャンペーンのデフォルト設定では「最終ページURLの拡張」を許可、つまり設定したリンク先以外の同一ドメイン配下のURLにも広告が配信される可能性があります。

「最終ページURLの拡張」を許可することでコンバージョン獲得の機会を最大化することが期待できますが、想定外のURLがリンク先となることもありますので、事前に「URLの除外」よりリンク先にしたくないURLを除外設定しておくことをおすすめします。

設定するアセットに注意

設定したアセットによりクリエイティブが自動生成されるため、どの組み合わせになっても問題がないように確認が必要です。

P-MAX キャンペーンの配信開始に必要なものは?

バナーや広告見出し、説明文など広告の構成要素を設定した「アセットグループ」 の作成が必須です。
P-MAXキャンペーンにて設定可能な各アセットの仕様は以下です。

アセット仕様最小数最大数
最終ページURL 11
広告見出し半角30文字以内35
長い広告見出し半角90文字以内15
説明文半角90文字以内
(半角60文字以内のものを1つ含む)
25
会社名半角25文字以内11
行動を促すフレーズ自動作成またはリストより選択11
表示URLパス半角15文字以内02
横向きの画像 (1.91:1)1200×628(推奨) 600×314(最小)115
縦長の画像(4:5)960×1200(推奨) 480×600(最小)0
スクエア画像(1:1)1200×1200(推奨) 300×300(最小)1
スクエアのロゴ(1:1)1200×1200(推奨) 128×128(最小)15
横長のロゴ(4:1)1200×300(推奨) 512×128(最小)0
動画縦型、横型、スクエアいずれかで10秒以上05

引用元:アセット グループの仕組み – Google 広告 ヘルプ

スマートショッピング キャンペーン、通常のショッピング キャンペーンとの違いとは?

スマートショッピングキャンペーンは、P-MAXキャンペーンに移行されました。
2023年11月現在新規に作成することはできません。

Google スマートショッピング キャンペーンがP-MAX キャンペーンにアップグレードされることから、Google スマートショッピング キャンペーンまたは通常のショッピング キャンペーンとの違いが気になる方も多いのではないでしょうか?
そんな方向けにそれぞれの配信面や入札方法、特徴などをまとめてみました。

P-MAXキャンペーンスマートショッピングキャンペーン通常のショッピングキャンペーン
配信面Google 検索ネットワーク
Google ディスプレイネットワーク YouTube
Gmail
Discover
Google 検索ネットワーク
Google ディスプレイネットワーク YouTube
Gmail
Discover
Google 検索ネットワーク

Google 検索パートナー (任意選択)
入札自動入札
・コンバージョン数を最大化
・コンバージョン値を最大化
自動入札
・コンバージョン値を最大化
個別入札
・個別クリック単価
自動入札
・目標費用対効果
・クリック数の最大化
ターゲティング自動自動検索語句とデータフィードのマッチング
オーディエンス設定××リマーケティング 類似ユーザーなど設定可
除外キーワード設定××
クリエイティブアセットより自動生成アセットより自動生成データフィードより生成
検索語句レポートの確認××

弊社でのP-MAX キャンペーン活用実績

ECのお客様でP-MAX キャンペーンを配信し、Google スマートショッピング キャンペーン配信時の昨年対比で売上150%増加、ROAS49%改善を実現した事例です。
※2021年2月~5月(スマートショッピング実施時) vs. 2022年2月~5月(P-MAX実施時)
※CV、SalesはGoogleAnalytics参照

業種・商材BtoC(女性向けアパレルECサイト)
CVポイント購入
弊社でのP-MAX キャンペーン活用実績
弊社でのP-MAX キャンペーン活用実績
弊社でのP-MAX キャンペーン活用実績
弊社でのP-MAX キャンペーン活用実績

P-MAX キャンペーンの特徴は、機械学習を使用して様々なチャネルで広告配信することで、これまでアプローチできていなかった「コンバージョンする可能性の高いユーザー」を発見する可能性があるということ。

以下では、広告経由の売上やROASだけでなくサイト全体の売上への貢献度も注目してみましょう。

同じお客様のサイト全体の売上は昨対比で9%増加、そのうちGoogle 広告経由の売上は50%増加、売上に対するGoogle 広告の貢献割合は37%上昇という結果に。
また、ROASの改善も見られるため、より効率良く売上を獲得することができています。

弊社でのP-MAX キャンペーン活用実績
弊社でのP-MAX キャンペーン活用実績
弊社でのP-MAX キャンペーン活用実績
弊社でのP-MAX キャンペーン活用実績
指標2021年2月~5月2022年2月~5月
Google 広告の売上貢献割合18%25%
Sales(Google 広告経由以外のEC全体)¥435,903,400¥437,252,793
Sales(Google 広告経由)¥96,709,050¥144,704,400
ROAS(Google 広告経由)1530%1869%

まとめ

広告経由のみでなく、サイト全体の売上にも影響をもたらす可能性があるP-MAX キャンペーン。
新しいプロダクトのため、なかなか手を出しづらいお客様もいらっしゃるかもしれませんが、うまく活用できるとECのWebプロモーションにおいて強い味方に!
既に様々なチャネルに対して広告配信を行われている場合は、ぜひP-MAX キャンペーンを導入してみてはいかがでしょうか?

弊社ではP-MAX キャンペーンの活用はもちろん、ECのマーケティング支援を得意領域としています。
運用型広告に関する無料診断も行っておりますので、お悩みごとやご相談がございましたら株式会社AZまでお気軽にお問い合わせください。

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