「ペルソナって聞いたことあるけど、実際はどんなものだろう?」
「マーケティングではペルソナが大事って言うけど、どうやって決めるの?」

このような、お悩みをお持ちの方がいらっしゃるのであないでしょうか?

マーケティングがうまくいっていない企業ほど、ペルソナを設定していない、もしくは設定の方法を間違っていると言っても過言ではありません。
それほど企業がマーケティングを行う上でペルソナの立ち位置は重要です。

そこで本記事は、ペルソナをつくるべき理由からつくる方法、さらに注意点までご紹介します。
ペルソナのつくり方が曖昧だった方やマーケティングで成果を出したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ペルソナとは

ペルソナとは、マーケティングで使われる言葉で「自社の商品・サービスの購買、購読者となりえる理想のお客様」という意味です。

たとえば、旅行に行くという場合、カップルで行くのか、家族で行くのか、もしくはひとり旅か、実際に行く時期や滞在期間を考えてもさまざまです。
このように旅行というひとつの行動をとっただけでもいろいろな顧客像が見えてきます。

つまり自社の商品・サービスを顧客に届けるためには、ペルソナを決める必要があるのです。

ペルソナとターゲットの違い

ペルソナと似たような言葉に、「ターゲット」があります。
ターゲットとは、年代や性別など、大きなまとまりで分けた実在する集団の属性を指します。

一方、ペルソナはその集団の属性にいる個人にフォーカスしたものです。
またペルソナを設定する際にその実在するかどうかは問いません。
それゆえに、ペルソナは「たったひとりの理想のお客様」と言われることもあります。

ペルソナターゲット
特定の集団の中にいる個人特定の集団そのもの
実際に存在しない場合もある実際に存在する
【例】山田太郎、30歳、独身。不動産の営業職。・・・【例】男性、30代、会社員、独身。

なぜ必要?ペルソナを設定すべき3つの理由

ここからは、改めてペルソナの重要性についてご紹介していきます。
ペルソナを設定すべき理由は以下の3つです。

  • 共通の認識をもたせる
  • ユーザーの深層心理に迫る
  • コスト削減につながる

順番にみていきましょう。

共通の認識をもたせる

通常、商品・サービスを販売する場合、開発から企画、営業と多くの人が関わってきます。
このとき、それぞれのメンバーが思い思いの顧客像を持ったままだと方向性がブレてしまうことは避けられません。

だからこそ、ペルソナという社内での共通認識をもたせる必要があるのです。
ペルソナがあることによって組織全体で方向性をシェアできるので、一貫したマーケティングができるようになります。

補足ですが、個人事業主やひとり社長であればペルソナは不要なのか?というとそんなことはありません。

たとえ、ひとりで事業を行っていたとしても、時間の経過やそのときの気分で顧客像を決めてしまっていては、マーケティングで成果を出すことは難しいでしょう。

つまり、ペルソナはマーケティング活動を行うすべての人にとって必要なのです。

ユーザーの深層心理に迫る

マーケティングを成功に導くには、顧客の理解が欠かせません。
そのためさまざまなリサーチを行うのですが、表面上のリサーチのみで終わっている企業も少なくありません。

「ターゲット」の設定では、大まかな顧客像を絞ることができますが、具体的な顧客像まで把握することはできません。

たとえば、20代という年代に絞ったとしても20歳と29歳の悩みが同じとは言い切れません。
会社員であったとしても、営業職、技術職、事務職というだけでイメージできる顧客像は大きく異なってきます。

だからこそ、マーケティングを成功に導くためには、より具体的な顧客像つまりペルソナを設定する必要があるのです。

コスト削減につながる

意外かもしれませんが、ペルソナを設定することはコストの削減にもつながります。

たとえば、決裁者の長年の勘や過去の経験のみで商品・サービスを開発した場合、それが当たればよいのですが、時代の流れの早い現代においてはギャンブルのようなものです。

もし需要のないものを世に出してしまった場合、そこまで費やしたコストはもちろん、在庫があるものだと更に不利益な結果になることは避けられません。

ペルソナをつくることにも、もちろんある程度の時間や労力が必要です。ただし、結果としては企業に利益を残すためのプロセスであることを覚えておきましょう。

ペルソナをつくる前にやるべきこと2つ

「早速、ペルソナをつくろう!」と思った方はちょっと待ってください。
ペルソナをつくる前にこれだけは押さえておいてほしいことを2つお伝えします。

目的をはっきりさせる

今からはじめようとするサービス、開発をしようとしている商品の目的はなんですか?ここをはっきりとさせておきましょう。

目的が曖昧だと、ペルソナも曖昧になってしまいます。
目的が明確になってからペルソナを設定しても決して遅くはありません。

まずはターゲットを決めておく

ペルソナとターゲットの違いはすでにご紹介しました。
両者の違いはお伝えしたとおりですが、ペルソナを決める前にターゲットを決めておくことをおすすめします。

まずは既存サービスの強みや既存客のことを把握できていないと、特定の顧客像を想像することはできないからです。
ターゲットを決めてから、ペルソナを決める。
この順番が大事となります。

ペルソナのつくり方|4つのステップで解説

ここからは、ペルソナの具体的なつくり方について解説をしていきます。
ペルソナをつくるには以下の4つのステップが必要です。

  1. 情報の収集
  2. 情報の整理
  3. 人物像の構築
  4. 氏名と写真を添える

順番に見ていきましょう。

1.情報の収集

最初にやるべきは、情報の収集です。

この情報も闇雲に集めるのではなく、「定性的な情報」と「定量的な情報」を集めましょう。
定性的な情報とは、数値化できないものでいわゆる口コミのようなものやカスタマーセンターに届くような現場の声も含まれます。
定量的な情報とは、数値化できるもので自社で持っている顧客データ、競合他社の商品も含めたリサーチも含まれます。

なお、必要に応じて既存顧客に対しアンケートやヒアリングを実施することも有効な手段です。

2.情報の整理

情報が集まったら分類をします。

分析をする際には、年齢、性別、職種などのデモグラフィック分析と性格、興味関心、ライフルタイルといったサイコグラフィック分析を行い、分類するとよいでしょう。

3.人物像の構築

分類したデータを元に、自社のペルソナを設定していきます。このとき、ペルソナはひとりでつくるのではなく、世代や性別の異なった複数のメンバーでつくることをおすすめします。

理由としては、ペルソナが一個人の主観によってつくられることを防ぐためです。

4.氏名と写真を添える

ペルソナのデータが揃ったら最後に氏名と写真を添えましょう。

一見、大したことないように感じますが、ペルソナがまさに目の前にいる人のように感じることができるようになります。
ぜひ、やってみてください。

【基本】ペルソナで設定すべき項目

ペルソナをつくる際に設定する項目は商品やサービス、業界などによってさまざまですが、ここではこれだけは抑えておいて欲しい項目を参考例と合わせてご紹介します。

項目具体例
氏名山崎 雄一
年齢35歳
性別男性
住まい高円寺のマンション(1DK)
最終学歴日本大学卒業
仕事営業(ベンチャー企業)
年収500万円
性格言われたことは卒なくこなすが主体性にかける。ヤル気が無いわけではないが、相手に対して自分の考えを伝える方法が上手くないため損をしている。本人にその自覚はない。
価値観器用。怒られることに慣れていない。感性が低い。自己分析が苦手
ライフスタイル休日は読書や勉強に時間を当てている。人付き合いは苦手ではないが、自分にとって価値がないと思ったものはやりたがらないので、基本は1人で行動をする。
よく行く場所家と会社の往復
よく見るWebサイトYahoo!、東洋経済オンラインよく見る
よく見る雑誌プレジデント
よく使うSNSFacebook
よく使うデバイスパソコン4割、スマートフォン6割
所属コミュニティセミナーの集まり(積極的に発信はしていない)
一日の過ごし方平日は会社と家の往復、休みの日はリフレッシュにどこか出かけたいが、気力もない状態。
今、どういう状況に置かれていて何に困っているのか?何に悩んでいるのか?前職では、評価もされ仕事もそつなくこなしてきたが、将来の不安と自分の可能性を見いだすために、異業種・ベンチャーへ転職。しかし、仕事の段取りや上司(取締役)とのコミュニケーションが上手くいかず、自分を否定され、毎日のように叱咤され、半鬱の状態へ。そんな毎日が続き、仕事をすることや生きることについて、考え始めていた。

ペルソナを活用するポイント

ペルソナは、マーケティングにおいて商品・サービスの開発、プロモーション、ブランディングの際に活用できます。
いずれの場合もペルソナがないと、どこにでもありそうなものができてしまったり、訴求内容になってしまうでしょう。

「誰にでも買ってもらいたいものは、誰にも売れません」
ペルソナを設定し、顧客像を絞り込んではじめて選ばれるようになるのです。

ペルソナをつくる際の注意点4選

ペルソナを設定するには注意点もあります。
設定のポイントを見誤ってしまうと、想定外の顧客像が出来上がってしまう可能性も否定できません。

ここでは、多くの企業が陥りがちなポイントをご紹介していきます。

作ることが目的になってはならない

ペルソナに限ったことではありませんが、マーケティングにおける最大の失敗はツールや施策を導入することが目的になってしまうことです。

MAやSFAをはじめ、マーケティングツールを導入するには多くの資金と労力を要します。
その結果、導入することである程度の達成感を得られてしまい、うまく活用できないというケースも存在します。

ペルソナも同様で、つくってからがスタートということを忘れてはいけません。

理想を追い求めすぎない

ペルソナの設定にあたり、気をつけなければならないのが、実際にその顧客は存在し得るのか?ということです。
もちろん、仮説で設定するのがペルソナですので実際には存在はしません。

しかし、あまりにも自社に都合の良い顧客像をペルソナに設定してしまうと、マーケティングは機能しません。
あくまで、身近にいそうな人を想像しましょう。

第三者が見てもイメージできるように

細かく設定しただけでなく、ビジュアルでイメージさせることも重要です。

氏名や顔写真を添えるように、誰が見てもペルソナはこの人という共通認識をもたせることを意識してください。

つくっただけで終わらせない

ペルソナを設定した後も定期的な見直しが必要です。

ペルソナと実際の顧客との間にズレはないか、検証をしましょう。

顧客のニーズは時代とともに変化します。ペルソナは、一度つくって終わらせるのではなく、アンケートやソーシャルリスニングを定期的に行い、必要に応じて加筆、修正を行っていきましょう。

まとめ

今回は、マーケティングにおけるペルソナのつくり方から必要な項目、注意点まで解説をしてきました。

マーケティングにおいてペルソナは欠かせない要素です。時代遅れではなく、時代の流れの速い現代こそ重要です。

今までなんとなく行ってきた、ちょうど新しいサービスのリリースを考えている方はいい機会かもしれません。

ぜひ、この記事を参考に自社の理想のお客様を見つけてみてください。

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