ABMは、自社に対して高い利益をもたらす顧客を明確にし、戦略的なアプローチを行う手法です。
BtoBマーケティングにおいて欠かせない手法の1つで、近年注目度が高まっています。

そこで本記事では、ABMが注目されている本当のワケや導入のメリット、注意点と成功させる秘訣などをご紹介していきます。
ABMについて知りたい方や導入を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは

ABMとは、Account Based Marketingの略で、自社に対して高い利益をもたらす顧客を明確にし、戦略的なアプローチを行うマーケティング手法です。

これまでも、マーケティングや営業の部門では戦略的にターゲットを定めてアプローチを行っていましたが、業種や市場といった大きな枠の中での活動でした。
しかし、ABMではターゲットを企業や団体に絞り、よりピンポイントに活動するのが特徴です。

顧客の中からより利益の高い企業・団体を選別したり、自社との相性を測った上で、それぞれに最適なアプローチをかけるのがABMの目的と言えます。

ABM(アカウントベースドマーケティング)が注目される本当のワケ

ABMは新しいマーケティング手法のように感じるかもしれませんが、BtoBにおいては長年行われてきた手法です。
しかし、ABMに取り組むためには社内全体でのデータ管理・共有が欠かせません。

また、ターゲットである企業・団体に対して、最適な情報を最適なタイミングで提供するといったアプローチも必要になるため、戦略的に取り組めていない企業も多い現状でした。

ただ、近年さまざまなマーケティングツールが普及したことにより、ABMに効率よく取り組める手段ができ、再度注目を集めるようになったのです。

たとえば、マーケティングオートメーションを活用すれば、ターゲットの企業が求める情報を最適なタイミングで届けられます。
CRMやSFAを活用すれば、顧客情報や企業との商談に関する情報の管理・共有を容易に行なうことができます。
これらのツールはABMに取り組みやすい環境を生んでくれるため、「積極的に取り入れたい」と注目する企業が増えてきています。

ABM(アカウントベースドマーケティング)4つのメリット

実際、ABMにはどんなメリットがあるのか、ここでは大きく4つ解説いたします。

リソースを集中させて無駄が省ける

ABMでは、利益を見込める企業に絞ってアプローチを行うため、リソースを集中させて無駄を省けるのが大きなメリットです。
ターゲットを絞らずに顧客全体にアプローチを行うと、成果に繋がらないだけでなく、時間・コストが無駄になる可能性も高まります。

しかし、あらかじめターゲットを絞っておけば、利益につながりづらい企業へのアプローチは省き、利益につながる企業にだけリソースを集中することができるため、無駄がなくなります。

有力な見込み客のみに注力できる

ABMでリソースを集中させて無駄を省けば、自社にとって有力な見込み客のみに注力できるのもメリットの1つです。

有力な見込み客をターゲットに定めてアプローチ・分析を繰り返していけば、成約や売上アップにもつながりやすくなります。
リソースを集中させるのと同様、無駄を省いて効率アップが可能です。

効果測定がしやすくい

ABMで顧客を選別しておけば、アプローチ後の分析をする際に、効果測定がしやすくなります。
また、仮説と検証を繰り返していけば、マーケティングの精度も高くなるでしょう。

分析・改善を繰り返してこそ効果的なマーケティング活動を行なうことができるため、効果測定を行いやすくなるのはメリットと言えます。

営業とマーケティングの連携が強化できる

ABMは顧客志向を基準にアプローチを行うので、営業とマーケティングの連携を強化できるのが特徴です。

必要な情報を共有し合うのはもちろん、両部門で協力してアプローチを進める必要があるため、結果として社内全体の士気を高めることにもつながります。

補足:ABMにデメリットはないのか?

結論からお伝えすると、ABM自体にデメリットは存在しません。

ただし、ABMがマッチする企業とそうでない企業があるのは事実です。
ABMではより有力な顧客に対し、クロスセルやアップセルを行う手法ですので、そもそも自社にそのような商品・サービスを持っていないと効力を発揮することができません。

また、相手側にもクロスセルやアップセルでアプローチをした商品・サービスを購入できるだけのリソースも必要となってくるため、それなりの規模感は求められます。

ABM(アカウントベースドマーケティング)導入における3つの注意点

ABMは、BtoBマーケティングにおいて多くのメリットがある手法です。
しかし、導入には注意点もあるため、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

マーケティングと営業の連携不足

ABMは、マーケティングと営業が互いに情報を共有し、顧客志向に基づいてアプローチを行うため、連携を強化してくれるのが特徴です。
しかし、それぞれの意見や考え方を擦り合わせできていなければ、連携が上手く進まない可能性もあります。

マーケティングと営業が連携不足では、ABMを導入してもスムーズに運用できないため、失敗してしまうかもしれません。
連携不足にならないためにも、情報共有や意見交換の機会を設けるなどして、フォロー体制を確立しておきましょう。

ツールが活用しきれていない

ABMを導入する際、MA・CRM・SFAといったマーケティングツールを合わせて活用するのが一般的です。
しかし、これらのツールは導入したからと言って簡単に運用できるものではなく、試行錯誤を繰り返しながら運用することで、成果につながります。

軌道に乗るまでは時間がかかるものの、通常業務とも並行して進めなければいけないため、ツールを使いこなせていないケースは少なくありません。
このような状態でABMを導入してもツールを活用しきれず、上手く進められないのです。

マーケティングツールにはさまざまなタイプが存在するため、自社に必要な機能を見極め、使いこなせるものを選んでください。

社内のリソース不足

ABMの導入は、人・時間・コストといったリソースがかかります。
そのため、リソースが不足しているまま導入を進めても、ABM本来の効果が得られず、失敗に終わることもあります。

マーケティングツールの導入・運用、組織自体の改革など、ABM導入に伴ってさまざまな面でリソースがかかるため、しっかりとした準備期間を設けた上で導入を検討しましょう。

「効果があるから」と焦って導入を進めると、失敗につながるので注意してください。

ABM(アカウントベースドマーケティング)を成功させる4つの秘訣

ABMを成功させるためには、以下の4つを意識して行うのが秘訣です。

  • アカウント(企業)の選定
  • アプローチ方法の策定
  • アカウントに対するアプローチ
  • アプローチに対する効果検証

アカウントの選定から効果検証までを1セットと考え、結果の分析・改善を行いながら効果の高いアプローチ方法を導き出します。
この4つを繰り返し行いながらPDCAサイクルを回せば、ABMの精度も上がり成功につなげることが可能です。

ここからは、ABMを成功させる4つの秘訣について詳しく解説していきます。

対象となるアカウント(企業)の選定

まずは、対象となるアカウントの選定を行います。

自社に対する利益が大きい顧客を中心に選定するのが基本ですが、自社製品・サービスとの相性が良い企業や、自社の戦略に合う企業などを選んでも問題ありません。

必ずしも、利益の大小で選定しなければいけないわけではないので、中長期的に見て利益を得られるかで選びましょう。

アプローチ方法の策定

アカウントの選定ができたら、どんなアプローチを行うのか具体的に策定します。

たとえば、メールやテレアポ、商談など、アプローチ方法はさまざまです。
顧客がどんなアプローチを求めているのかシナリオを設定し、最適な方法を考えてください。

アカウントに対するアプローチ

アプローチ方法を作成したら、実際にアカウントに対してアプローチを行います。
アプローチ後は、アカウントがどんな反応をしたのか確認し、記録しておきましょう。

アプローチに対する効果検証

最後に、アプローチに対する効果検証を行います。

アカウントがどんな反応を示したのか、良い・悪い関係なくアプローチを評価してください。
良い点は次にも活かし、悪い点はどこに問題があったのか考えて改善しましょう。

以上の4つをPDCAサイクルを回しながら運用するのがポイントです。

まとめ

今回は、ABMの概要や導入事例、導入における注意点と成功させる秘訣などについてご紹介しました。

ABMは、BtoBマーケティングに欠かせない手法で、業務の無駄を省いたり有力な顧客へのアプローチに注力できるなど、さまざまなメリットがあります。
MA・CRM・SFAといったマーケティングツールの普及により、ABMにも効率よく取り組めるようになったため、導入を検討してみられてはいかがでしょうか?
導入された際には、成功させる秘訣も意識し、PDCAサイクルを回しながらABMに取り組んでみてください。

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