「Amazonに出品しているが、期待したほどの売上が得られない」「Amazonへの出品を検討しているものの、何から始めれば良いのか分からない」…。Amazonのような大規模なECモールでの集客や売上において、このような課題でお悩みの方は多いのではないでしょうか。

世界最大級のECサイトとして日本でも数多くの企業が商品を出品しているAmazon。
圧倒的なシェアとその認知度の高さからECモールとしてAmazonを導入する企業は少なくない一方、規模の大きさゆえに自社の商品を見付けてもらうのは困難な場合があります。

そんな時に是非活用していただきたいのがAmazon広告(Amazon Advertising)です。

今回はAmazonへの出品を検討されている、もしくは既に出品しているが現在のパフォーマンスに課題を感じられているEC担当者の方を対象に、Amazon広告の特徴や種類、導入のメリットについて解説いたします。

Amazon広告の魅力と特徴


海外、特に米国では近年Amazon広告の出稿に取り組む企業が増加傾向にあり、今後はGoogle・Facebookに次ぐ3大プラットフォームになり得るとも言われています。
実際のシェアとしてはまだ及ばないものの、このようなトレンドが日本国内でも起こる可能性は十分にあると予測されます。

四半期決算報告/eMarketer
四半期決算報告/eMarketer
Global Ecommerce Forecast 2021/ eMarketer
Global Ecommerce Forecast 2021/ eMarketer


そんなAmazon広告の魅力とは一体どのようなものなのか、ここでは3つに分けてご紹介いたします。

ターゲティング精度

閲覧や購入履歴から想定されるユーザーのライフスタイルや直近の購買意向に基づいたターゲティングの精度は高く、広告配信にとって非常に有用です。

また、Amazon広告におけるターゲティング機能はAmazonのサイト内やアプリに留まらず、Amazon以外のサイトやアプリにおいても同様のターゲティング機能を活用した広告配信を行うことができます。

ユーザーのモチベーション

Amazonへアクセスするユーザーの購買意欲は高く、「買うものを探しに来ている」という前提があります。
つまり、広告を見てから何かを買いたくなるのではなく、既に買いたいものがある状態のユーザーを対象に広告を配信することが可能です。

このようなモチベーションの差が、あくまでも商品を探している状態のユーザーを対象とする検索広告との大きな違いであると言えるでしょう。

また、ログイン済みのユーザーは新たに決済情報を入力することなく商品を購入することができます。
このような利便性とモチベーションの高さから、ユーザーが購入に至るまでの距離が非常に短く、広告の費用対効果をより高められる可能性があります。

Amazonランキングの活用

Amazon広告の活用により、ストア自体への集客の増加や商品の購入を促すだけではなく、商品の高評価を得られやすくなる環境を作ることが可能です。

膨大な商品の中から自社の商品を効率的に見付けてもらうためには、Amazonにおける商品の評価も非常に重要な要素になります。
まずは広告による商品の露出を高め、ストアへの流入・購入を促し高評価を得る機会を増やすことで、Amazonの持つ売れる仕組みを最大限に活用しましょう。

Amazon広告の種類

では、そんなAmazon広告にはどのような広告フォーマットが提供されているのでしょうか。
ここでは広告の掲載場所・形態によって異なる特徴を持つ各フォーマットについてご紹介いたします。

スポンサープロダクト広告

スポンサープロダクト広告
画像引用元:amazon ads

名称の通り商品そのものを宣伝する広告ですが、オーガニックの検索結果に馴染みやすい仕様となっているのが特徴です。
スポンサープロダクト広告では、「キーワードターゲティング」と「商品ターゲティング」2種類の利用が可能です。
ユーザーがAmazonサイト・アプリ内で検索したキーワードと連動して検索結果部分に、あるいは閲覧している商品と関連性が高いとされた場合に自社の商品が表示されます。

スポンサーブランド広告

スポンサーブランド広告
画像引用元:amazon ads

商品そのものを宣伝するスポンサープロダクト広告に対し、スポンサーブランド広告ではブランド全体を宣伝することが可能です。
複数商品を網羅的にプロモーションすることができるため、ユーザーのニーズを幅広くカバーし、より効果的に購入を促す効果が期待できます。

Search ressults、Product detail page
画像引用元:amazon ads

また、2020年にはスポンサーブランド動画広告もリリースされており、静止画のフォーマットよりも高いクリック率とコンバージョン率が見込めるとされています。
扱う商品のカテゴリが限定されており、ブランド全体としてのプロモーションを目標としている場合にはおすすめのフォーマットとなります。

スポンサーディスプレイ広告

スポンサーディスプレイ広告
画像引用元:amazon ads

スポンサーディスプレイ広告を利用することにより、Amazonのサイト・アプリ内の商品詳細ページ等に広告を配信することが可能です。
自社の商品と関連する商品を直接指定、あるいは興味関心カテゴリーを指定し、その商品の詳細ページへ広告を配信します。
また、Viewターゲティングを使用することにより、Amazon以外のサードパーティのサイトやアプリにも広告を配信することが可能となります。

そのため、特定の商品を積極的に探しているユーザーへのリーチ・露出を最大限に高めたい場合にはおすすめのフォーマットとなります。

Amazon DSP

Amazon DSPでは、Amazonのサイト・アプリ外への広告配信を行うことができます。
Amazonサイト・アプリ内での購入履歴や閲覧履歴に基づく詳細なターゲティングを利用した配信が可能となるのはもちろん、Amazonへ商品を出品していない場合にも利用可能なフォーマットです。
広告のクリックでAmazonの詳細ページへ遷移させることが可能であるほか、Amazonにストアを持っていない場合は直接自社サイトへ遷移させることもできます。

Amazon動画広告

Amazon動画広告とは、Amazon Fire TVやtwitch等のストリーミングサービスの動画内に挿入される動画広告のことを指します。
特にFire TVの世界月間アクティブユーザー数は2020年には5,000万人以上に上り、そのリーチは膨大な規模となります。
静止画よりもよりクリエイティブな動画で、かつより多くのユーザーにアプローチしたい場合には是非おすすめしたいフォーマットとなります。

音声広告

Amazonの音声広告では、無料版のAmazon Musicサービスを利用しているユーザーを対象として、曲間に10〜30秒の音声を挿入することで広告配信が可能です。
Alexa等のスマートスピーカーの普及に伴い、今後日本でも効果を発揮できるフォーマットとして期待できます。
また、動画広告に比べてクリエイティブ作成の工数が少ないため、まずは手軽に出稿を始めたいという方におすすめのフォーマットとなっています。

Amazon広告におけるターゲティング

Amazon広告では、下記のようなターゲティングが利用可能です。

機能スポンサープロダクト広告スポンサーブランド広告スポンサーディスプレイ広告
ターゲティング(1)オート
(2)マニュアル
(1)マニュアル(1)商品ターゲティング
(2)興味関心ターゲティング
除外キーワード利用可能利用不可

スポンサープロダクト広告で利用可能な「オート」ターゲティングでは、商品詳細ページの情報を基にキーワードが自動選定されるため、手動での設定は不要となります。
また、「ほぼ一致」「大まかな一致」と検索広告のマッチタイプのような仕様で任意の設定を実施することも可能です。

「マニュアル」の場合は「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」に加え「除外キーワード」と検索広告とほとんど変わらないマッチタイプが存在します。
ただし、検索広告のマッチタイプのように変換ミスや表記ゆれには対応しておらず、手動で設定を行う場合にはあらゆるパターンのキーワードを登録しておく必要があり、こちらはあまり現実的ではありません。

そのため、導入の初期段階では「オート」を利用し、検索語句のデータが溜まったタイミングで「マニュアル」を利用したキャンペーンを新たに開始するのがおすすめです。

Amazon広告の費用

Amazon DSPを除き、最低出稿金額の規定がなく、必要に応じて気軽に広告配信を行えるのもAmazon広告の魅力です。

Amazon広告では、クリック課金制(CPC)が基本となります。
なお、スポンサーディスプレイ広告ではクリック課金制の他にインプレッション課金制(CPM)の選択も可能です。
広告がクリックされた場合のみ費用が発生することから、クリック課金制ではより効率的な広告配信が可能です。

一方、インプレッション課金制ではより多くのユーザーに広告を配信し、商品やブランドの認知度を高めることができます。

1日あたりの予算やクリック単価の上限については任意の値を設定することが可能ですので、2つの課金方式のメリット・特性をふまえ、広告配信の目的に最適な方法を利用しましょう。

なお、Amazon DSPの最低出稿金額は広告の出稿方法やツールの利用有無によって異なるため、注意が必要です。

Amazon広告の出稿時の注意点

基本的にAmazonのサイト・アプリに商品を出品していればAmazon広告を利用できますが、一部例外となるケースもあります。

Amazonにおける商品の販売方法には、Amazonに商品の管理から販売までを一任する「ベンダーセントラル方式」と、Amazonの販売ツールやシステムの一部を使用した上で販売自体は自社で管理する「セラーセントラル方式」が存在します。

このセラーセントラル形式で「小口出品」に該当する場合はAmazonスポンサー広告自体の利用が不可となっているため、注意が必要です。

おわりに

掲載場所を選ばない多彩なフォーマットや強力なターゲティングが魅力のAmazon広告。

今後、日本国内でのシェアもさらに高まっていくと予想されます。
基本的なECであればアパレルや食品等の商品ジャンルを選ばず、どのカテゴリでも一定数の需要があるのも圧倒的な規模を誇るAmazonならではの魅力と言えるでしょう。

現在のストアの売上に課題を感じられている方は、この機会に是非Amazon広告の導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

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