Amazon DSPは、Amazonが保有する購買データや広告在庫を活用し、Amazon内外に広告を配信できる唯一のDSPです。
これまで物販(エンデミック)企業が中心だった活用領域は、近年大きく広がっています。
金融・不動産・教育・旅行など、Amazon上で商品を販売しない「ノンエンデミック(Non-Endemic)」企業による活用が急増しているのです。
ノンエンデミック配信では、Amazon DSPの強力なデータと広告在庫を活用し、自社サイトへの誘導・資料請求・会員登録といったEC以外のコンバージョン獲得施策を実現できます。
本記事では、ノンエンデミック配信の仕組みから、ターゲティング戦略、リンクアウト広告、Performance+活用法までを徹底解説します。
ノンエンデミック広告とは?Amazon DSPにおける位置づけ
Amazon DSPでは、広告主の業種や商品カテゴリに応じて「エンデミック(Endemic)広告主」と「ノンエンデミック(Non-Endemic)広告主」という2つの広告主タイプを区別しています。
| 区分 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| エンデミック(Endemic)広告主 | Amazon内で販売している商品・カテゴリーを扱う企業 | 家電、コスメ、日用品など |
| ノンエンデミック(Non-Endemic)広告主 | Amazon内で販売していないサービス・商材を扱う企業 | 金融サービス(例:クレジットカード、証券口座)、不動産、航空券、教育、サブスクなど |
ノンエンデミック(Non-Endemic)広告主とは、AmazonのEC上では販売されていないサービス・商材の広告主が該当します。
ノンエンデミック広告には、主に自社サイトやキャンペーンページへ遷移させる「リンクアウト広告(アウトリンク)」が活用されます。
※リンクアウト広告:広告主のサイトなどAmazon.co.jp以外へ誘導する広告
※リンクイン広告:Amazon.co.jpへ誘導する広告
ノンエンデミック広告とは
ノンエンデミック広告は、Amazon上で商品を販売していない企業がAmazon DSPを活用し、自社サイトへ送客やリード獲得を図る施策です。
金融・不動産・教育・旅行・BtoB SaaSなど、EC以外の業種でも活用できるのが特徴です。
Amazonが持つ膨大な購買・閲覧データと高精度なターゲティングを活かし、自社サイトへの送客、リード獲得、ブランド認知の拡大を効果的に行えます。
さらに、ノンエンデミック広告では、Amazonの豊富なオーディエンスデータとプレミアムな配信面を活用することで、EC以外の領域でも成果に直結する広告展開が可能です。
資料請求・会員登録・セミナー申込といったEC以外のKPIを設定して成果を最大化できる点も、大きな魅力のひとつです。
Amazon DSPでノンエンデミック配信を行う3つの強み
1.月間6,000万人超のAmazonオーディエンスにリーチ
Amazon DSPは、Amazon.co.jp、Fire TV、Prime Video、TwitchといったAmazon O&O(Owned & Operated)面に加え、各種有力メディア(NIKKEI、GDO、GIZMODOなど)と直接連携しているため、ブランドセーフかつ高品質な配信面にも配信できます

年間6,000万人以上のユニークユーザーを抱えるAmazon独自の広告ネットワークは、他DSPにはない魅力です。
特定の購買行動や興味関心に基づいたオーディエンスに対して、プレミアムな広告在庫を活用しながら認知から獲得までの一気通貫のアプローチが可能です。
2.高精度なターゲティングによる無駄配信の削減
Amazon DSPの最大の特徴は、購買・閲覧データをベースにしたターゲティング精度にあります。
Amazonは膨大な購買・閲覧データを保有しており、SNSや一般的なディスプレイ広告のように推定ベースではなく、実購買・行動履歴に基づいた精緻なセグメントで配信を行うことが可能です。
例)「ファミリー層×健康志向」「車カテゴリを直近閲覧」など複合的なターゲティングが可能。
金融・不動産・教育といった商材でも、ライフイベントや購買履歴と掛け合わせることで、精度の高いターゲットリーチが可能となります。

ターゲティング例:ライフスタイル
ライフスタイルに関連する複数の商品カテゴリに興味を持つ約50種類のユーザー層をターゲットとして活用できます。

ターゲティング例:インマーケット
直近で特定のカテゴリに強い興味や購買意欲を示している、約550種類のユーザー層をターゲットとして活用できます。

ターゲティング例:アドバタイザーオーディエンス
貴社の顧客データをハッシュ化(個人情報を守るために暗号化)したうえで、Amazonのデータと突き合わせることで、ターゲティングに活用できるセグメント(配信対象のユーザー群)を作成することが可能です。

ターゲティングの精度に関する調査結果
他媒体のようにユーザー行動を推定して配信するのではなく、Amazonでは実際に該当商材や関連カテゴリを閲覧・購買したユーザーに的確にアプローチできるため、より精度の高いターゲットリーチを実現できます。
Amazonの調査では、プレママ層への配信でオンターゲット率がSNS広告の約2.4倍という結果が示されています。

3.リンクアウト広告でAmazon外への誘導が可能
ノンエンデミック広告の多くは「リンクアウト広告」で配信されます。
リンクアウト広告は、Amazon外のLPへ誘導するフォーマットです。
Amazon DSPのノンエンデミック広告を活用することで、金融・教育・不動産といった非EC業界でも、自社LPへの高品質なトラフィック獲得が可能になります。

リンクアウト広告を配信する際の基本ルール
リンクアウト広告を配信する場合は、いくつかの要件を満たす必要があります。
ここでは、「ランディングページ」と「広告主」の2つの観点から説明します。
① ランディングページ(LP)の要件
まず、広告をクリックした先に表示されるランディングページ(LP)が、オンサイト配信かオフサイト配信かによって要件が変わります。
- オンサイト配信:Amazonが運営するサイト内で広告を配信する形式
- オフサイト配信:Amazon以外の外部サイト(広告主のサイトや外部メディア)で広告を配信する形式
それぞれの形式におけるLP要件は以下のとおりです。
| オンサイト配信 | オフサイト配信 |
|---|---|
| eコマースサイト不可 ※ただし、他の小売業者へのリンクや「店舗検索」リンクのみであれば、eコマース機能とみなされず、LPとして使用可能です。 | eコマースサイトは条件付きで可 1. 自社製品のみを販売していること 2. 広告主がブロックリストに登録されていないこと |
| 非eコマースサイト ※Amazonの商品ページと異なるコンテンツである必要があります | 非eコマースサイト ※Amazonの商品ページと異なるコンテンツである必要があります |
つまり、LPには「Amazonと同じような商品販売ページではないこと」や「他社製品を混在させないこと」など、いくつかの基準があるということです。
② 広告主(企業)の要件
次に、リンクアウト広告を出稿できる企業・できない企業の条件です。Amazon DSPでは、特定の企業・サービスは広告掲載の対象外となる場合があります。
| 配信できる広告主 | 配信できない広告主 |
|---|---|
| ・自社製品を販売している企業 ・直販専門ブランドを展開している企業 ・Amazonにすでに出品している企業 ・キャンペーン応募・資料請求・イベント告知など、成果(CV)をKPIとする企業 | ・eコマースサイトなど、第三者ブランド製品を販売する小売業者(例:楽天、Walmart) ・Amazonと競合するサービスを提供する企業(例:Apple Music、Spotify、TikTok) |
たとえば、Amazonと直接競合するプラットフォームや、他社ブランドの商品を多数扱うモール型ECは対象外となります。
一方、自社ブランドを扱う企業やリード獲得を目的とするサービス業は、リンクアウト広告の活用が可能です。
Amazon DSPの「Performance+」でCPAを自動最適化
Amazon DSPには、リンクアウト広告キャンペーン(Amazon外の自社サイトに誘導する広告)でコンバージョン(成果)を増やすための新しい機能、Performance+(パフォーマンスプラス)が搭載されています。
これまでのディスプレイ広告では、主にリーチ(どれだけ多くの人に届いたか)やCTR(クリック率)を改善することが中心でした。
一方、Performance+ではAmazonの購買データと広告主の成果データをAIで組み合わせて分析CPA(1件あたりの獲得コスト)を重視した効率的な広告配信となります。
以下では、Performance+がどのようにしてCPA最適化を実現しているのかをご紹介いたします。
Performance+とは?初心者でもわかる基本の仕組み
Performance+(パフォーマンスプラス)は、Amazonの外にある自社サイトでの「成果」を増やすためのAIによる自動最適化機能です。
ここでいう「成果」とは、資料請求・会員登録・商品購入など、広告主が設定した重要なアクションのことを指します。
Amazonが持つ膨大な購買データと、広告主側の成果データをAIが分析し、「成果につながりやすい人」を自動で見つけて広告を配信します。
人の手では難しい細かな最適化も自動で行えるのが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最適化対象 | Amazon外での成果(資料請求・申込・会員登録・購入など) |
| 配信対象 | AIが自動で作成した「成果につながりやすい人」のグループ |
| 更新頻度 | 1時間ごとに自動で最新データに更新 |
| 対応媒体 | Amazon内の広告枠+TVerやABEMAなどの外部プレミアム媒体 |
| KPI(評価指標) | CPA(1件の成果を得るためのコスト) |
① 広告主サイトの成果データを計測(AAT/CAPI)
まず、Amazonのタグ(AAT)やCAPIと呼ばれる仕組みを使って、ユーザーが広告を見たあと、自社サイトで資料請求・申込・購入などを行ったかどうかを正確に計測します。
このデータをAmazon DSPに送ることで、配信結果と実際の成果を結びつけた分析・最適化が可能になります。
② Amazonの購買データと成果データを突き合わせる
次に、Amazonが持つ膨大な購買・閲覧履歴と、広告主サイトで得られた成果データを照合し、「どんな人が成果につながったのか」をAIが分析します。これにより、漠然とした興味層ではなく、実際に行動につながるユーザー像が明確になります。
③ AIが成果予測を行い、ターゲットを自動生成
照合したデータをもとに、Amazon独自のAI(ニューラルネットワーク)が数百万件の購買行動を分析し、コンバージョンする可能性が高いユーザーを自動で予測・スコアリングします。
この結果、「Predictive Audience(予測オーディエンス)」と呼ばれる、成果に結びつきやすいユーザーグループが自動で作成されます。
④ 配信中も1時間ごとに学習・更新を繰り返す
広告配信が始まってからも、AIは1時間ごとに最新データを学習し、ターゲットを自動で更新します。
これにより、ユーザーの行動や傾向が変わっても、常に最適な状態で広告を配信し続けることが可能です。
このような仕組みにより、Performance+は従来では難しかったCPA最適化を自動で実現し、無駄のない効率的な広告配信を可能にします。
ターゲット設定に手間をかけなくても、AIが実際の成果データをもとに最適なユーザーを選び、配信を最適化してくれるのが大きな魅力です。
また、ECサイトを持たない企業でも、DSPとAIを活用することでCPA改善や効率的なリード獲得が可能になる点も注目すべきポイントです。
ノンエンデミック広告の配信事例と活用ポイント
ノンエンデミック広告は、Amazon上で商品を販売していない企業でも、Amazon DSPのオーディエンスデータと配信力を活用して成果を上げられる広告手法です。
金融・不動産・教育・旅行といった幅広い業種で導入が進んでおり、自社サイトへの送客やリード獲得、認知拡大など、多様な目的に対応できます。
以下では、業種ごとの具体的な活用事例と、効果的なターゲティング・KPI設計のポイントを紹介します。
金融業界|ライフイベント×インマーケットで資料請求・口座開設を促進
金融業界では、住宅購入や出産などのライフイベントに該当するユーザーと、住宅・保険・投資に関心を示しているインマーケット層を掛け合わせた配信が効果的です。
例えば、住宅ローンを検討中のユーザーや、将来の教育資金を意識し始めたファミリー層に対して、資料請求や口座開設への誘導を行うことで、高いコンバージョン率と効率的なリード獲得を実現できます。
不動産業界|購買データを活用してモデルハウス来場予約を促進
不動産業界では、家具・家電・引越し関連商品の購買データを活用したターゲティングが有効です。住宅購入を検討している可能性が高い層に、精度高くリーチできます。
こうしたユーザーは引っ越しや住まい関連の購買行動が活発なため、モデルハウス来場予約や資料請求といった具体的なアクションにつながりやすいのが特徴です。
また、Amazon DSPの購買シグナルを活用することで、従来の属性ターゲティングでは見落としがちな「購入検討の温度感」を反映した配信が可能になります。
教育・サブスクリプション業界|子育て層・趣味嗜好別の配信で体験申込・会員登録を獲得
教育・サブスク業界では、子育て層や趣味・嗜好に基づいたライフスタイルセグメントを活用した配信が効果的です。
たとえば、子どもの学習教材に関心を持つ家庭や、特定の趣味・分野に強い興味を示すユーザーに対して、無料体験申込や会員登録を目的とした広告を展開できます。
Amazon DSPでは、ライフスタイルデータをもとにした高精度なオーディエンスターゲティングが可能なため、ユーザーの「興味・関心」に沿ったアプローチで、高いエンゲージメントを獲得しやすい点が強みです。
まとめ|業界別のターゲティングとKPI設計が成功のカギ
ノンエンデミック広告では、業種ごとに最適なターゲティングとKPIを設定することが成果につながるポイントです。
| 業種 | 配信ターゲット例 | 配信目的(KPI) |
|---|---|---|
| 金融 | ライフイベント(住宅・出産など)×インマーケット | ローン資料請求/口座開設誘導 |
| 不動産 | 家具・家電・引越し関連購買者 | モデルハウス来場予約/資料請求 |
| 教育・サブスク | 子育て層・趣味嗜好別ライフスタイル | 無料体験申込/会員登録 |
Amazon DSPを活用すれば、購買行動データとライフスタイルデータを掛け合わせた高精度なセグメント配信が可能です。
金融・不動産・教育といった非物販業種においても、Amazonのオーディエンスデータを活用することで、効率的なリード獲得と新規顧客の開拓が期待できます。
まとめ:ノンエンデミック配信で広がるAmazon DSPの活用領域
ノンエンデミック配信は、物販企業に限らず、さまざまな業種がAmazon DSPを活用できる強力なマーケティング手段です。
Amazon DSPのノンエンデミック配信には、他の広告媒体にはない強みがあります。
まず、月間6,000万人以上にのぼるAmazonオーディエンスへリーチできる点が大きな魅力です。
さらに、購買データとライフスタイルデータを組み合わせることで、高い精度でターゲティングを行うことが可能です。
また、リンクアウト広告を活用することで、自社のランディングページへ高品質なトラフィックを効率的に誘導できます。
加えて、Performance+機能を利用すれば、CPA(顧客獲得単価)の最適化を通じて、成果重視の配信設計を実現することができます。
金融・不動産・教育・旅行・BtoB SaaSなど、これまでAmazon DSPの活用が進んでいなかった領域にも新たなチャンスが広がっています。
ノンエンデミック広告を戦略的に取り入れることで、Amazon DSPを新規顧客獲得やリード創出の有力なチャネルとして活用することが可能です。
自社のマーケティング戦略に、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
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