自社の商品情報を無料でGoogle上に掲載できる「無料商品リスティング」をご存知でしょうか。

無料商品リスティングは、Google上の「ショッピングタブ」「画像検索」「Google検索」などさまざまな枠に商品情報を無料で掲載できる機能のことを言います。

従来、Googleでは、商品情報を掲載する際に「ショッピング広告」という有料の広告手法を行う方法しかありませんでした。しかし、新型コロナウイルスの影響によるECコマース市場の増加によって、新たに「無料商品リスティング」のサービスがローンチされました。

そこで今回は、無料商品リスティングの概要から開発に至った背景、無料商品リスティングの設定方法についてまとめて解説していきたいと思います。

「無料商品リスティングを始めたいけど、なにから始めていいのかわからない。。。」
「無料商品リスティングってそもそも何?」
「無料商品リスティングがあれば、有料のショッピング広告は必要ないの?」

上記のような悩みを抱えている広告運用担当にとって有益な情報となっていますのでぜひ本記事をご参考ください。

無料商品リスティングとは

無料商品リスティングとは、Google検索のショッピングタブや画像検索、Google検索、Youtubeに無料で商品情報を掲載できる機能のことを言います。

検索に応じて、あらゆる掲載面に自社の商品情報が表示されるため、多くのユーザーにみてもらえる機会が増え、商品購入にも繋がりやすくなります。

無料商品リスティングは、2020年4月に米国でサービスが開始され、その6ヶ月後の10月に日本でもサービスが開始されました。

無料商品リスティングをローンチした背景

ではなぜ、2020年に入ってGoogleは無料商品リスティングの提供を開始したのでしょうか。ここでは、無料商品リスティングのローンチの背景について解説していきます。

Amazonへの脅威

当時、米国では多くの消費者がAmazonに直接アクセスを行い、ショッピング検索を行っていました。

2018年5月に人工知能技術のサービスを提供する「Adeptmind」が行った調査では、米国のインターネットユーザーのほぼ半数 (46.7%) がAmazonで商品検索を開始したのに対し、Googleで商品検索したユーザーの割合は、「34.6%」という結果となりました。
参考URL:多くの商品検索はAmazonが占めている

そのため、GoogleCommerce(Googleコマース)の責任者であるBill Readyが、「大規模な販売業者であろうと小規模な販売業者であろうと、消費者がどこからでも商品を見つけられる場所になるようにショッピングを進化させたい」という思いから「無料商品リスティング」の開発が開始されました。

新型コロナウイルスによるECサイト市場の向上

2019年より世界中に蔓延した新型コロナウイルスによって、多くの人々が外出禁止になる中で、ECコマースによる商品購入者が急激に増加しました。

そうした背景により、Googleはショッピング広告を無料で提供することに踏み切ったとされています。

無料商品リスティングはどこに掲載される?

無料商品リスティングは、Googleのショッピングタブ、Google画像検索、Google検索、YouTubeで商品の表示が行われます。
それぞれ画像も含めて詳しく解説していきます。

ショッピングタブ

無料商品リスティングの「ショッピングタブ」は、有料ショッピング広告の下部に表示されます。

無料商品リスティングの「ショッピングタブ」
画像引用元URL:Google Merchant Centerヘルプ参考URL:無料商品リスティングが掲載される場所

商品情報を登録する際、営業時間・商品の在庫状況・店舗情報を入力することで、それらの情報も無料商品リスティングで表示されるようになります。

Google画像

Google画像検索では、ユーザーがGoogle画像で商品名やブランドを検索すると、ショッピングタグのように「商品」ラベルが付いた商品リストがページの上部に表示されます。

Google画像
画像引用元URL:Google Merchant Centerヘルプ参考URL:無料商品リスティングが掲載される場所

ユーザーが画像をクリックすると、その下に製品リスト情報が表示され、さらに、Google イメージ内の機能であるGoogleレンズを使用すると、ユーザーは製品を視覚的に検索できるようになります。

Google レンズによる商品検索
画像引用元URL:Google Merchant Centerヘルプ参考URL:無料商品リスティングが掲載される場所

Google検索

Google検索では、気になる商品を検索する際に、下記の3つの方法で無料商品リスティングが表示されます。

  1. リッチリザルト
  2. 人気商品
  3. ショッピング ナレッジパネル

それぞれ解説していきます。

リッチリザルト

リッチリザルトは、ユーザーがGoogle検索で商品や店舗、ブランドに関する情報を検索した時に、検索結果の右側に表示がされます。

リッチリザルト
画像引用元URL:Google Merchant Centerヘルプ

表示される内容は、「価格」や「在庫状況」、「口コミ」などさまざまな商品情報が表示され、ユーザーに有益な情報を与えることができます。

人気商品

ユーザーはファッションやアクセサリーなどの宝飾品を検索する際に、視覚的な情報を特に求めています。

無料商品リスティングの人気商品は、ユーザーの検索語句に類似性の高い商品をカルーセル* などの画像を含めて表示させることができます。
カルーセル・・・スワイプやクリックで複数の画像をスライド表示させる仕様

人気商品
画像引用元URL:Google Merchant Centerヘルプ

ショッピングナレッジパネル

ナレッジパネルとは、人や場所、商品に関する情報を整理して表示する「検索ボックス」のことを言い、ショッピングナレッジパネルは、商品に焦点を置いて、商品情報を表示した検索ボックスのことを言います。

参考URL:ナレッジパネルとは

ショッピングナレッジパネル
画像引用元URL:Google Japan Blog

この検索ボックスには、キャンペーンなどの特典情報や商品レビューなどが表示されます。

Youtube

無料商品リスティングは、YouTubeの関連動画の下部や検索語句に一致する商品を検索した結果に対して表示されます。

Youtube
画像引用元URL:Google Merchant Centerヘルプ

2020年9月時点でのYoutubeの月間アクティブユーザー数は6500万人いるため、より多くのユーザーに商品情報を届けることができます。

無料商品リスティングの仕組み

無料商品リスティングを利用する際は、Googleショッピングタブの管理ツールである「Google Merchant Center」を活用する必要があります。

「Google Merchant Center」を使って、商品フィードに商品データをアップロードしてGoogleにデータを送信します。

アップロードした商品に対して、ユーザーが関連した検索語句で検索した時に、無料商品リスティングが表示される仕組みになっています。

どのような検索語句で商品を表示させるかはランディングページ(LP)やアップロードした商品情報に基づいて決定がされます。

商品フィードに商品情報をアップロードする必要があるため、多くの製品を取り扱っている企業は手間がかかってしまいますが、無料で多くのユーザーに認知され、購入してもらえる機会が増えるため、ぜひ活用することをおすすめします。

ショッピング広告と無料商品リスティングの違い

まず、Googleの「ショッピング広告」とは、Googleが提供する検索連動型広告の1つで、ユーザーが検索する語句に対して、類似性や関連性の高い商品を検索上位に表示させる有料広告のことを言います。

そのショッピング広告と無料商品リスティングの大きな違いは、「掲載される場所の違い」「費用の違い」の2点が挙げられます。

まず掲載面の違いは、無料商品リスティングは「Google検索」「Googleショッピングタブ」「Google画像」「Youtube」に掲載される一方で、ショッピング広告は、「Googleショッピングタブ」「Google検索」「Google画像」「Google検索のパートナーサイト」「Googleディスプレイ(YouTube、Gmailなど含む)」など幅広い掲載場所に表示されます。

詳しくは下記の図をご参考ください。

手法掲載面
Google無料商品リスティング1.Google検索
2.Googleショッピングタブ
3.Google画像
4.Youtubeのみ
Googleショッピング広告1.Google検索
2.Googleショッピングタブ
3.Google画像
4.Google検索のパートナーサイト
5.Googleディスプレイ L Google、Gmail、Blogger、YouTube、食べログ、ライブドアなど
参考URL:Google無料商品リスティングの掲載面参考URL:Googleショッピング広告の掲載面

無料商品リスティングは、文字通り、無料で商品情報を掲載できる手法になります。
一方、ショッピング広告は、広告のクリックに対して課金がされるため、商品情報を掲載する際に費用が発生します。

この時、無料商品リスティングを行うならショッピング広告はしなくていいの?という疑問の声が上がってきそうですが、結論として、両方の手法を併用して活用することをおすすめします。

ショッピング広告と無料商品リスティングを併用することで、検索掲載面に多くの自社商品情報を表示させることができるため、表示回数の増加や商品購入の増加が期待できます。

無料商品リスティングのメリット

ここからは、無料商品リスティングのメリットについて解説します。

視認性を高める

無料商品リスティングを掲載する際、「Google検索」「Google画像」「ショッピングタブ」「Youtube」と多くのユーザーが利用するプラットフォームに商品情報が表示されます。

そのため、多くのユーザーに自社商品を認知してもらえる機会が高まり、ブランド認知の拡大や商品購入が期待できます。

費用がかからない

無料商品リスティングは、無料で商品情報をGoogleの提供しているサービスに掲載することができます。

そのため、広告費用をかけれない新規事業の担当者や販促の予算が決められている企業にとっておすすめな手法になります。

クリック率の向上

無料商品リスティングでは、商品を画像として表示させることができるため、ファッションやアクセサリーなどのテキストでは魅力が伝わりにくいものを、より魅力的に伝え、興味関心や購買につなげることができます。
視覚的な訴求をユーザーに与え、クリックへの誘導を促すことができます。

無料商品リスティングの設定手順(Merchant Centerを持っている方の場合)

ここまで無料商品リスティングの概要からメリットについて解説していきました。それでは最後に、無料商品リスティングの設定手順についてご紹介していきます。

Google Merchant Centerを持っていない方は、下記URLを参考にアカウントの作成をおこなってください。

無料商品リスティングの有効化

Google Merchant Centerで無料商品リスティングを利用するためには、無料商品リスティングを有効化する必要があります。まずは有効化の方法について解説します。

「Google Merchant Center」にログイン

「Google Merchant Center」にログイン後、「成長>プログラムの管理」をクリック

「Google Merchant Center」にログイン

無料商品リスティングを開始

無料リスティング広告の「開始」をクリックすることで、利用を開始します。

無料商品リスティングを開始

ビジネス情報の登録

ビジネスの情報やウェブサイト、商品などの必要項目を順番に登録します。

Googleポリシーの確認

Googleのポリシーを確認し、「最終確認を開始する」をクリックすることで、無料商品リスティングの設定が完了します。

Googleポリシーの確認

商品フィードで商品情報を登録

ここからは、商品情報の登録方法をご紹介いたします。

Google Merchant Centerをログイン

Google Merchant Centerにログインしてください。
「商品>フィード」から「+」をクリックし新規にフィードの作成を行います。

Google Merchant Centerをログイン

国や言語を選択

国と言語の設定を行い、無料リスティング広告を選択してください。

国や言語を選択

Googleスプレッドシートによる商品アップロード

商品情報のアップロード方法として複数方法がありますが、今回は「Googleスプレッドシート」による商品アップロード方法をご紹介いたします。

Googleスプレッドシートによる商品アップロード

フィードの作成

「新しいGoogle スプレッドシートをテンプレートから作成」を選択し、フィードの作成を行います。

フィードの作成

設定は、以上で終了です。

まとめ

今回は、無料商品リスティングの概要からメリット、設定方法について解説しました。

無料商品リスティングは、Googleのショッピングタブ、Google画像検索、Google検索、Youtubeに無料で表示される機能のことで、費用をかけず多くのユーザーに商品を認知してもらったり、ブランドの興味関心を向上させることができます。

今後自社商品の成果をさらに上げたいと考えている方や効率的に商品を販売していきたいと考えている方はぜひ無料商品リスティングを今後の施策として取り入れてみてください。

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