「Facebook広告アカウントが制限され、広告のパフォーマンスが落ちてしまった」「Facebookページが停止され、すべての広告が掲載できなくなった」…、Facebook広告運用者にとって極力避けたい事態の1つとして挙げられるのがFacebook広告アカウントFacebookページの制限や停止です。

近年Meta社の広告アカウントやページに対する審査は特に厳しくなり、従来と比較してこのような制限を受ける事例は増加しつつあります。
制限を受けると広告の配信量が減少したり一部の広告の掲載が不可となる他、最悪の場合にはすべての広告掲載が不可となり、ビジネスマネージャーのアカウントごと停止してしまうこともあります。

仮にポリシーを遵守していたとしても、昨今の状況をふまえると制限を100%回避することは難しいと考えられます。
そんな時に是非活用していただきたいのが、アカウントのクオリティの参照こまめなアカウント(ページ)改善です。
積極的な改善を行うことが制限を受けるリスクの低減、制限解除への打ち手へと繋がる可能性があります。

今回はFacebook広告におけるアカウントのクオリティの概要、活用方法について解説いたします。

アカウントのクオリティとは

Facebookの「アカウントのクオリティ」とは、Facebook広告の運用においてポリシーや規則が正しく遵守されているかを一覧で確認できる管理画面上のページです。

Facebook広告では、質が低い、あるいは悪質であると判断された広告からユーザーを保護することを目的として日々広告の審査が行われています。
この審査やユーザーからのフィードバックを基に広告の質、規約・ポリシー違反の有無が判断されます。
審査完了後、 規約・ポリシーに抵触しており改善が必要な広告やアカウント等を一覧で確認し、対処方法を調査したり再審査を依頼することができるのがこのアカウントのクオリティページの主な機能です。

ここで警告や制限が表示された場合、可能な限り迅速に対応し、改善を実施する必要があります。
十分な対応がなされていないと判断されてしまうと、アカウントやビジネスマネージャーの利用が停止される可能性もあるので注意が必要です。

アカウントのクオリティの確認方法

まずは広告マネージャにアクセスし、下記の手順でアカウントのクオリティのページへ移動します。

(1)ホームアイコン下部のハンバーガーメニューをクリック
(2)「アカウントのクオリティ」をクリック

アカウントのクオリティ

各項目の詳細

アカウントのクオリティページへ移動後、全部で4つの項目でアカウントやページの状態を確認することができます。
ここからは、各項目の詳細について解説いたします。

アカウントの問題

「アカウントの問題」では、直近で規約・ポリシーに抵触し、今後の広告配信やアカウントの継続において注意が必要なアイテムを一覧で確認できます。(※この項目に表示されておらず、すべてのアイテムの確認が必要な場合は次項の「アカウントのステータスの概要」をご確認ください。)

アカウントの問題

アカウントステータスの概要

「アカウントステータスの概要」では、現在アクセス可能なFacebookアカウント(ページ)とビジネスアカウントを一覧で確認することができます。任意のアイテムをクリックすることで問題や状態の詳細も確認可能です。

アカウントステータスの概要

Facebookアカウント

「Facebookアカウント」では、現在アクセス可能なFacebook広告アカウントやコマースアカウント、Facebookページの状態の他、該当のアカウントまたはページで管理可能な機能に関する警告を一覧で確認することができます。

Facebookアカウント

Metaビジネスアカウント

「Metaビジネスアカウント」では、現在アクセス可能なビジネスマネージャに紐付いている各広告アカウントのデータを一覧で確認することができます。

Metaビジネスアカウント

アカウントのクオリティの見方・活用方法

ここまでご紹介したように、アカウントのクオリティでは自身が管理しているアイテムの状態・問題を詳細に確認することができます。
それでは実際に警告が表示されていた、あるいは制限を受けていた場合はどのように対処すれば良いのか、一部当社の事例を含めて解説いたします。

制限や停止を受けたアカウント・ページの確認

アカウントのクオリティからアカウントの問題へ移動し各アセットタイプをクリックすると、制限を受けているアイテムの詳細を確認することができます。
問題の詳細を確認の上、実施可能な改善や再審査申請の可否について把握し、制限解除・配信再開に向け順に対応を進めましょう。再審査申請が可能な場合、申請後の状況も同ページで確認できるため、結果を見逃すことがないよう随時モニタリングすることをおすすめいたします。

制限や停止を受けたアカウント・ページの確認

ユーザーからのフィードバックスコアの確認

EC等のビジネスでFacebook広告を運用している場合、比較的重要な指標としてMeta社より提供されているのがユーザー(顧客)のフィードバックスコアです。
ユーザーから提供されるアンケートへの回答やビジネスとユーザー間におけるやり取りに関するデータに基づき、スコアが決定されます。各スコア、スコアが意味する広告の質は下記となります。
※スコアによる影響の程度にはページの作成期間によって異なります

 (1)作成から1年以上が経過している
  ・ページのスコアが2を下回り1を上回っている場合:広告配信にペナルティが科される
  ・ページのスコアが1以下の場合:広告掲載不可

 (2)作成から1年以内
  ・ページのスコアが2以下の場合:広告掲載不可

スコア広告の質
4~5良い
3平均的
2~3悪い
1~2ペナルティが科される可能性あり
0~1広告配信停止


ポジティブな評価が多いほどスコアは高く、良質な広告として判断される一方、スコアが低くペナルティを科されてしまうと広告のリーチに制限が掛かる他、広告配信そのものが停止される可能性もあります。
そのような事態を避けるためにも定期的にフィードバックスコアを確認し、問題が発生している場合には迅速に対応することが大切です。

却下されたアセットや広告の確認・再審査申請

比較的稀なケースではありますが、規約・ポリシーに抵触していないにもかかわらず広告やアカウントが制限を受けることがあります。
その場合、アカウントの問題で該当のアセットをクリックし、「再審査」タブから再審査を申請することができます。

なお、一度再審査申請を行ったアイテムが却下された場合、再々審査を申請することはできないため、注意が必要です。
再審査申請後は、アカウントの問題から各アセットタイプの下部に表示される「却下・停止取り消し済み」タブからアイテムの状態を確認しましょう。

アカウントの改善方法

広告やFacebookページの制限・停止を避けるための対策としては主に下記の3点が挙げられます。

(1)規約・ポリシーに抵触するような広告表現を避ける
(2)紐付けを行うFacebookページは1つの広告アカウントにつき1つに限定する
(3)Facebookページをよりアクティブな状態に保つ

規約・ポリシーに抵触するような広告表現を避ける

Facebook広告を含む運用型広告を配信する上で、広告表現における規約・ポリシーの遵守はもっとも基本的な要素となります。
規約・ポリシーに抵触する代表的な例として、「誤解を招くような主張」「個人的特質を断定または暗示」「成人向けコンテンツ」等が挙げられます。

紐付けを行うFacebookページは1つの広告アカウントにつき1つに限定する

規約・ポリシー違反の他に、Facebook広告には1広告アカウント×1広告主というルールが存在します。
そのため、1つの広告アカウントに複数のFacebookページが紐付いている(過去に複数のページ使用履歴がある)と規約違反と見なされてしまうため、注意が必要です。

Facebookページをよりアクティブな状態に保つ

比較的見落とされやすいものの、紐付けられているFacebookページがアクティブな状態に保たれているかどうかという点も広告やFacebookページの制限・停止に関わる重要な要素となります。

Facebookページをアクティブな状態に保つためには、定期的に投稿を追加して即物的なページ(広告配信を行うためだけのページ)でないことを示す他、ページに記載するビジネスの情報をより充実させ、信頼性の高いページであると示すことも大切です。

すべての要素を網羅することは難しい場合もありますが、アカウントの定期的な確認と改善によって広告やFacebookページの制限・停止といった事態を回避できる可能性が高くなります。

制限を受けた場合の対処方法・制限の例

最後に、直近で実際に制限を受けた当社の事例をご紹介いたします。
広告に紐付けたFacebookページの全面的な制限により、一時すべての広告の配信が不可となりました。

影響

該当のページが紐付けられた広告(配信中だった広告すべて)が却下され、数日間広告の掲載が不可に。
同期間のリーチ、インプレッション、コンバージョンへ等のパフォーマンスに影響。

制限の要因

「広告配信のためだけに作成された即物的なFacebookページ、信頼性の低いページ」としてポリシーに抵触。実際のFacebookページにおいて、「広告配信を目的として作成されたページであること」が明記されているため、制限の対象となる。

対処方法

ポリシーに抵触する原因と推測される文言の削
即物的なページではないこと(アクティブなページであること)を示すため数件の投稿を追加
本人確認を実施の上、再審査申請

対処方法として提示された上記3点を実行したところ、数日でFacebookページの制限は解除され、通常通り広告の配信が可能となりました。

広告そのものに規約・ポリシー違反が無い場合でもその他の要素が起因して制限を受ける可能性は十分に考えられるため、広告配信に関わるアイテムの状態をこまめに確認し、対処していくことが大切です。

おわりに

運用型広告では、戦略の定石やトレンドに限らず規約・ポリシー、その適用基準も頻繁にアップデートされます。

ただ、すべてのアカウントを毎日細かく観察し、対応を続けることは物理的にも難しい場合があります。そんな時は今回ご紹介したアカウントのクオリティから現状を確認し、問題の重要度に応じた適切な対策を講じることによって、より安全な広告配信に繋がる可能性がありますので、この機会に是非活用してみてはいかがでしょうか。

弊社では、事業会社様向けに運用型広告専業代理店である当社が長年培ってきた社内チェックツールを使用した「広告アカウントの無料診断」のご提供を行っております。

診断は無料ですので、お気軽にお申込みください。

ウェブ広告をはじめ、ウェブマーケティングに関する不安や疑問を無料でスッキリ解決しませんか?

当社では、事業会社様向けにデジタルマーケティングについてのお悩み、貴社の課題に
対して専任のコンサルタントによる無料の個別相談会を毎週金曜に定期開催しております。

運用型広告に関するお悩みごとだけでなく、マーケティングから技術的なことまでお気軽にご相談ください。