WEB集客の代表的な施策として、「リスティング広告」「SEO」の2種類があります。
どちらの施策も検索上位に表示するという意味を持ちますが、性質や効果が大きく異なります。

そこで今回は、リスティング広告とSEOのそれぞれの特徴、リスティング広告とSEOの違い、実際どちらを使えば良いのかについて詳しく解説していきます。

WEBを活用した集客施策を検討している方、WEBサイトの訪問数を増やしたいと考えている方は、ぜひ、本記事を参考に今後の施策に役立ててください。

それでは解説していきます。

リスティング広告とは

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使って、ユーザーが検索したキーワードに連動して検索上位に掲載される広告のことを言います。
「検索連動型広告」とも呼ばれます。

リスティング広告

リスティング広告の仕組み

リスティング広告は、お金を支払うことで検索結果上位の広告掲載エリアに広告を表示させることができ、上位に掲載される広告は、オークション形式で決定されます。

広告主は、「広告の1クリックあたり、何円支払うか」の上限を価格設定することで、それに応じてオークションが行われ、掲載される広告や掲載順位が決まります。

SEOとは

SEOとは、自社サイトをユーザーにとって利用しやすいものにするために最適化させ、検索上位に表示する施策のことを言います。
「SEO対策」とも呼ばれます。

SEO

SEOの仕組み

SEOは、自社サイトの内容をGoogleアルゴリズムに適した運営を行うこと、ユーザーにとって価値のあるサイトだとGoogleに理解させることで少しずつ検索結果の順位が上位に表示されていきます。

リスティング広告とSEOの違い

ここでは、リスティング広告とSEOのそれぞれの違いや特徴について詳しく解説します。

2つの主な違いは、以下の4つになります。

  1. クリック率(CTR)
  2. 成果までの期間
  3. 検索結果の順位コントロール
  4. 費用

●リスティング広告・SEOの早見表

リスティング広告(検索連動型広告)SEO
クリック率(CTR)×
上位表示の即効性×
検索結果の順位コントロール×
費用×

クリック率(CTR)

リスティング広告は、SEOと比べて広告のクリック率がとても低いことが挙げられます。

リスティング広告を掲載する場合、「広告」という文字が表示されるため、人間は広告をさける傾向があるのでクリック率が低くなります。
一方、SEOは検索結果が上位であればあるほどクリック率が高くなります。

皆さんもWEB検索をするとき、基本上位に表示されたサイトを開くことが多いと思います。
また、クリック率が高いとそれもまた上位表示されやすくなるので、一度上位に表示されれば高いクリック率を維持できます。

上位表示の即効性

リスティング広告は、検索キーワードやオークションの入札額を設定することで、すぐに検索結果の上位に広告を表示させることができます。
一方、SEOはすぐに表示させることができません。

SEOの場合、検索結果の順位はGoogleやYahoo!のアルゴリズムが自社サイトを評価して順位を決めるため長期的になることがほとんどです。

そのため、すぐに自社サイトへの訪問者数を増やしたい、集客を集めたいと思っている方はSEOよりもリスティング広告の活用をおすすめします。

掲載順位をコントロールできる

リスティング広告が掲載される基準は、「広告ランク」が大きく関わってきます。
この広告ランクが高いほど、検索結果の上位表示に大きく影響をします。

広告ランクの決定項目は下記のとおりです。

  1. 品質ランク(推定クリック率、広告の関連性、ランディング ページの利便性)
  2. 上限クリック単価
  3. 広告表示オプション(追加テキスト、電話番号、サイトリンク掲載できる機能)

これらを理解しうまく運用することで、掲載順位のコントロールができるようになります。
しかし、SEOの場合、明確にこれをすることで検索上位に表示するといったコントロールができません。

Googleアルゴリズムの評価によって検索順位は変動しますが、Googleアルゴリズムがどのような評価をしているのか一般的に公表されていないためリスティングと比べて、SEOは上位表示のコントロールが難しいです。

費用が発生する

リスティング広告は、有料広告となるため費用が発生します。
広告予算は自分で決めることができますが、広告を表示するための最低単価はオークションで決まります。

さらに、頻繁に検索されるキーワードの場合、競合が激しくなるため1クリックの費用が高くなります。

一方、SEOは、基本的に費用は発生しません。
SEOは、Googleに評価してもらえるためのサイトの最適化施策になります。
サイトの改善によっては外注に改修作業を依頼したり、そのための人件費が発生する場合もありますが、社内で対応できれば費用は基本的に発生しません。

リスティング広告とSEOのターゲット層の違い

ここまで、リスティング広告とSEOの違いやそれぞれの特徴について解説しました。
続いて、ターゲット層の違いについてご紹介します。

リスティング広告は、顕在層向け

リスティング広告のターゲット層は、見込み顧客と言われる「顕在層」です。
顕在層とは、自社商品やサービス、その商材と関連するジャンルやテーマに興味のあるユーザーのことを指します。

顕在層のニーズははっきりしており、具体的なキーワードを打ち込んで検索するため、検索キーワードに応じて表示されるリスティング広告はとても相性が良いとされています。

SEOは、顕在層+潜在層向け

SEOのターゲット層の多くは、潜在顧客と言われる「潜在層」です。
潜在層とは、自社商品やサービスそのもののニーズはまだ顕在化されていないものの、関連する商材のジャンルに興味を持つユーザーになります。

要するに潜在層は、自分が欲しいものを自覚していないユーザーになるので、ニーズが明確化されておらず不作為にいろいろなキーワードを利用して検索します。

そのため、キーワードの指定を必要としないためリスティング広告よりもSEO対策は潜在層に向けて効果的だといえます。さらに、顕在層向けのキーワード検索でもヒットするため、一度上位表示されれば、顕在層と潜在層のダブルの効果が期待できます。

リスティング広告とSEOの使い分け

ここまでリスティング広告とSEOについて色々と解説してきましたが、「結局、どっちが効果があるの?」と思われている方も多いと思います。

結論を申し上げると、目的や自社の商材によって決めるべきです。最後に、リスティング広告とSEOの効果的な使い分けについてご紹介します。

中長期的に集客したいなら「SEO」

中長期で安定的に集客を集めていきたいなら「SEO」をおすすめします。

上述でも触れているように、SEOはリスティング広告のような即効性はありませんが、一方で、一度上位表示されれば安定的な集客と成果を獲得できるようになります。

リスティング広告は、即効性はあるものの長期的に運用をすると費用が膨大にかかったり、広告を一度停止してしまうとサイトへの訪問が激減するので中長期的な視点では不向きになります。

短期的に集客したいなら「リスティング広告」

短期で集客をしたいなら、断然リスティング広告です。期間限定のイベントやキャンペーンなどの施策を考えている場合、「リスティング広告」をおすすめします。

キャンペーンやイベントが数ヶ月前から開催が決定して、いざSEOをやるぞ!となったとしてもSEOの場合、検索上位に表示される確証はありません、上述でも触れていますが、検索上位のための評価はGoogleアルゴリズムが行っており、その評価基準は非公開になっているため、現実的に考えるとSEOよりもリスティング広告のほうが効果的といえます。

扱う商材によって変わる

リスティング広告やSEOの活用は、取り扱う商材によっても変わってきます。

まず、リスティング広告が不向きな商材は、「単価の安い商材を扱うビジネス」です。

一般的に、リスティング広告のコンバージョン率(*CVR)は3%と言われています。

広告100回クリックに対して、3つの商品が購入されるということです。

例えば、クリック単価が100円だった場合、1回のコンバージョンを獲得するために必要な費用がおおよそ3,300円(10,000円/3=3,333円)になります。
もし、取り扱う商材が2,000円だったとすると、1,300円損をするということです。

このように取り扱う商材によってもSEOとリスティング広告の活用は変わってきますので、様々な要因を把握した上で選ぶようにしましょう。

*CVR=お問い合わせや購入などの割合

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、リスティング広告とSEOのそれぞれの仕組みや違い、使い分けについて詳しく解説しました。

リスティング広告とSEOの違いは以下の通りです。

リスティング広告(検索連動型広告)SEO
クリック率(CTR)低い高い
上位表示の即効性短期長期
検索結果の順位コントロールできるできない
費用ありなし
ターゲット層顕在層顕在・潜在層
向いていないビジネス単価が安いビジネスニーズが無いビジネス認知されていないビジネス検索需要がないビジネス単価が低いビジネス競合が多いビジネス

効果だけでなく、目的や取り扱う商材によって最も良い施策を選ぶことでより効果的な活用ができます。本記事を参考にしていただき、ぜひ皆さんも活用してみてください。

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