広告運用において、パフォーマンスを最適化するためには、必要なデータを正しく把握しPDCAサイクルを回すことが重要です。
Facebook広告では、パフォーマンス最適化のために様々なツールが用意されています。
本記事では、そのうちの1つであるFacebookピクセルの概要から設定方法までを解説します。
また、iOS14以降のアップデートにより広告主はユーザーのデータを収集することが制限されました。
Facebookではこのアップデートへの対策として「合算イベント」が用意されています。
この合算イベントの設定方法に関してもご紹介いたします。
facebookピクセルとは
Facebookピクセルは、ウェブサイトに設置するコードのことです。
Facebookピクセルを設置することで、ショッピングカートへのアイテムの追加や、購入などウェブサイトで実行されたアクションを記録し、広告の効果を測定することが可能になります。
また、次回以降のFacebook広告において、これらの顧客に再びリーチすることもできるようになります。
ピクセルコードの発行
実際に、ビジネスマネージャーからピクセルコードを発行する方法をご紹介いたします。
「すべてのツール」>「イベントマネージャー」をクリック
【データソースリンク】をクリック
「ウェブ」を選択し、【リンクする】をクリック
「ピクセル名」に、ピクセルの名前を追加
ウェブサイトのURLを入力し、簡単な設定オプションを確認
ウェブサイトのリンク方法を選択
イベントコードでコンバージョン測定
ウェブサイトにピクセルを設定すると、イベントを設定してアクションを測定することができるようになります。
イベントとは、ウェブサイト上で発生する「購入」などのアクションのことをさします。
Facebook広告では、商品をカートに追加した時や、商品の購入が購入したタイミングなど様々な標準イベントが用意されています。
このようなイベントを用いて、コンバージョンの計測や、それを元にコンバージョンの最適化を行うことが可能です。
Facebook広告には、「標準イベント」と「カスタムイベント」の2種類があります。
標準イベントは、一般的なアクティビティ(商品の検索、閲覧、購入など)に対応するコードです。標準イベントで用意されていないコンバージョン(発火)タイミングを計測したいときは、「カスタムイベント」を使用し計測を行います。
ここからは、「標準イベント」と「カスタムイベント」それぞれでのコンバージョン計測についてご紹介いたします。
標準イベントでコンバージョン計測
標準イベントを用いてコンバージョン計測を行うためには、ウェブサイト上に特定のコードを追加する必要があります。
設定することにより、計測したい標準イベントが発生したことをFacebook側に知らせ、測定することが可能になります。
実際のコードの例は下記となります。
- ウェブサイトの元コード部分
- Facebookピクセルコード
- 標準イベントコード
サイトのHTML内の<head>タグの下に、Facebookピクセルコードと標準イベントコードを貼り付けます。
トラッキングするページごとにピクセルコードと標準イベントコードを設定する必要があります。
3は標準イベントコードとなっており、計測したいイベントごとにコードが異なります。
ここからは、標準イベントの種類についてご紹介していきます。
標準イベントの種類
標準イベントの種類とそれぞれの標準イベントコードは下記の通りになります。
貴社のサイトのコンバージョン計測に合わせ、標準イベントコードを変更してください。
ウェブサイトアクション | 説明 | 標準イベントコード |
---|---|---|
支払い情報の追加 | チェックアウト手続き中に顧客の支払い情報を追加する(例: 請求情報の保存ボタンをクリックする)。 | fbq(‘track’, ‘AddPaymentInfo’); |
カートに追加 | ショッピングカートやバスケットにアイテムを追加する(例: ウェブサイトで[カートに追加]ボタンをクリックする)。 | fbq(‘track’, ‘AddToCart’); |
ウィッシュリストに追加 | ウィッシュリストにアイテムを追加する(例: ウェブサイトで[ウィッシュリストに追加]ボタンをクリックする)。 | fbq(‘track’, ‘AddToWishlist’); |
登録完了 | ビジネスが提供するサービスと引き換えに、顧客が情報を提出する(例: 電子メール購読の申し込み)。 | fbq(‘track’, ‘CompleteRegistration’); |
問い合わせ | 顧客とビジネスが電話/SMS、メール、チャットなどの方法で連絡を取り合う。 | fbq(‘track’, ‘Contact’); |
製品のカスタマイズ | ビジネスが所有する設定ツールまたはその他のアプリケーションを使用して製品をカスタマイズする。 | fbq(‘track’, ‘CustomizeProduct’); |
寄付 | 団体や慈善活動に寄付する。 | fbq(‘track’, ‘Donate’); |
場所の検索 | ウェブまたはアプリであなたの店舗を見つける(例: ある商品を検索して実際の店舗で見つける)。 | fbq(‘track’, ‘FindLocation’); |
チェックアウト開始 | チェックアウト手続きを開始する(例: [チェックアウト]ボタンをクリックする)。 | fbq(‘track’, ‘InitiateCheckout’); |
リード | ビジネスから後日連絡が来る可能性があることを理解して、顧客が情報を提出する(例: フォームの送信、トライアルの登録)。 | fbq(‘track’, ‘Lead’); |
購入 | 購入を完了する。通常、注文/購入の確認や取引の領収書の受け取り(例: [ありがとうございました]ページまたは確認ページの表示)。 | fbq(‘track’, ‘Purchase’, {value: 0.00, currency: ‘USD’}); |
日時を指定 | 店舗の訪問を予約する。 | fbq(‘track’, ‘Schedule’); |
検索 | ウェブサイト、アプリ、その他のプロパティで検索を実行する(例: 商品の検索、旅行の検索)。 | fbq(‘track’, ‘Search’); |
トライアル開始 | ビジネスが提供している製品またはサービスの無料トライアルを開始する(例: サブスクリプションの無料体験)。 | fbq(‘track’, ‘StartTrial’, {value: ‘0.00’, currency: ‘USD’, predicted_ltv: ‘0.00’}); |
応募 | ビジネスが提供している製品、サービス、プログラムなどに応募する(例: クレジットカード、教育プログラム、求人)。 | fbq(‘track’, ‘SubmitApplication’); |
サブスクリプション登録 | あなたが提供している製品またはサービスの有料サブスクリプションを開始する。 | fbq(‘track’, ‘Subscribe’, {value: ‘0.00’, currency: ‘USD’, predicted_ltv: ‘0.00’}); |
コンテンツビュー | 関心のあるウェブページを訪問する(例: 商品ページやランディングページ)。コンテンツビューではウェブページのURLに訪問があったことはわかりますが、訪問者がウェブページで何を実行または閲覧したかはわかりません。 | fbq(‘track’, ‘ViewContent’); |
カスタムイベントでコンバージョン測定
標準イベントだけでも、豊富な種類のイベントが用意されていますが、標準イベントだけではカバーしきれないイベントをカスタムイベントで設定することが可能です。
例えば、外部リンクのクリックなどのアクションが考えられます。
ここからは、カスタムイベントの作成方法についてご紹介いたします。
カスタムイベントの作成方法
自社で計測したいイベントが標準イベントにないという場合は、ぜひ下記を参考にカスタムイベントの作成を行ってみてください。
1.左のナビゲーションからビジネスマネージャーからイベントマネージャを開きます。
2.左のメニュー内の【カスタムコンバージョン】をクリックします。
3.【カスタムコンバージョンを作成】をクリックします。
4.カスタムコンバージョンの名前を入力と説明(任意)を追加、データソースを選択してください。イベントは、全てのURLトラフィックに設定します。
5.URLまたは参照元ドメインを使用してルールを設定してください。
ルールをさらに追加するには[+]をクリックして作成してください。
6.(任意)【コンバージョン値を入力】の横のボックスをクリックしてチェックを入れ、値を入力してください。
これで、カスタムコンバージョンの設定は完了となります。
ピクセルやイベントコードの確認方法
ピクセルコードやイベントコードがき正しく設置されていなければ、正しく計測することができずコンバージョンの最適化を行うことができません。
そのため、正しくコンバージョン計測(発火)ができているかを確認する必要があります。
確認方法は、主に下記の2種類があります。
- Facebookの管理画面から確認する
- GoogleChrome拡張機能「Facebookピクセルヘルパー」を用いて確認する方法
ここからは、それぞれの確認の方法についてご紹介していきます。
Facebook管理画面
Facebookの管理画面上の、「ショートカットメニュー」から「イベントマネージャー」をクリックします。
そして、設置したイベントが「アクティブ」になっているかどうかを確認することで、設定したイベントが正しく設置されているかどうかを確認することが できます。
GoogleChrome拡張機能「Facebookピクセルヘルパー」
もう1つの方法がGoogleChrome拡張機能の「Facebookピクセルヘルパー」を用いる方法です。
この拡張機能を追加後、確認したい対象のウェブサイトを開き、chromeのアドレスバーの横に表示されているピクセルバーのアイコンをクリックします。
すると、以下の3パターンでコードの設置状況が確認することができます。
- 緑のチェックマーク:正常に発火している
- 黄色の警告マーク or 赤のエラーマーク
→何かしらの不備があり、詳細を確認できる
最適化のためのコンバージョン設定
コンバージョン最適化のためのツールとして、Facebookピクセルについて説明してきましたが、最後に押さえておきたいものとして、合算イベントがあります。
合算イベント測定とは、Apple社のiOS14以降のOSを利用しているユーザーからウェブサイト上におけるイベントの測定を可能にするための設定となります。
iOS14以降、トラッキングを許可したユーザー以外でのデータ収集が禁じられました。
そのため、広告主側は取得可能なデータ数が激減したため、コンバージョン測定を最適化するための方法としてFacebookが打ち出したのが合算イベント測定です。
合算イベント測定をすることで、ユーザーがトラッキングを許可した場合、8つまでイベントの測定をすることが可能です。
合算イベント測定の設定
ここからは、合算イベント測定の設定方法についてご紹介させていただきます。
まだ設定を行われていない方は、こちらの記事を参考にぜひ設定を行ってみてください。
なお、合算イベント測定の設定は、ビジネスマネージャーの所有者がドメイン認証を行っている必要があります。
ドメイン認証は、後ほどご紹介させていただきます。
1.すべてのツールをクリックし、【イベントマネージャ】をクリックしてください。
2.【合算イベント測定】タブを選択し、【ウェブイベントを設定】をクリックしてください。
3.【イベントを管理】をクリックしてください。
4.【イベントを追加】をクリックしてください。
5.ピクセルとイベント名を選択肢、優先度の高い順番に並び替えて設定を行ってください。
これで、合算イベントの設定方法は完了となります。
ドメイン認証の設定方法
ここからは、ドメイン認証の設定方法についてご紹介していきます。
1.すべてのツールから【ビジネス設定】をクリックしてください。
2.左側メニューから【ブランドセーフティ】を開き、【ドメイン】をクリックします。
3.【追加】をクリックします。
4.【あなたのドメイン】に、認証させるドメインURLを入力します。
5.【追加する】をクリック
6. 3種の方法から認証方法を選択し、画面の指示にしたがいサイト側の設定を行ってください。
7.認証が完了すると表示が「認証済み」と表示されます。
これで、ドメイン認証の設定は終了となります。
まとめ
今回は、Facebookピクセルの概要から設定方法と合算イベントについて説明しました。
Apple社のiOS14以降の要件によって、ユーザーの個人情報保護を守る方向に市場は変化していくでしょう。
こうした市場の変化の中で、媒体側の対策をチェックする必要もありますが、自社でできることは早く試していくことが重要です。
まだ、ドメイン認証や合算イベント設定が完了していない方は、この記事を参考に設定を行ってみてください。
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