近年、ユーザーのプライバシー保護の観点からCookieによるトラッキングが段階的に規制され、Webサイト、アプリ上での効果計測やターゲティング広告において影響が確認されつつあります。
多くの事業会社様がCookieに依存せず売上拡大を図るために従来のマーケティング施策からの転換を迫られているのではないでしょうか。
このような大きな節目を背景に、再注目されているのがLINE公式アカウントを活用した顧客データの収集・分析やCRM施策です。
1対多数のコミュニケーションをベースとして、少額から運用できる手軽さや多様なメッセージ方式、その開封率の高さから既に多くの企業が導入しています。また、コミュニケーションやユーザーデータの取得・分析はプラットフォーム内で完結するため、Cookie規制の影響を受けることもありません。しかしその一方で、『LINEの配信はしているが、あまり売上に繋がらなかった』、『過去にキャンペーンを行って一時的に友だちは増えたもののすぐにブロックされてしまった』などの経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
LINE公式アカウントを正しく運用するには、目的に合わせた適切なコミュニケーション設計が非常に重要です。
今回は弊社における実際の運用事例をもとに、LINE公式アカウント運用のポイントをご紹介いたします。
事例のご紹介
まずはじめに、LINE公式アカウントの運用によってLINE経由の売上が大幅に拡大した事例をご紹介いたします。
アパレル系ECのお客様で、コミュニケーションの再設計やパーソナライズされたメッセージ配信を行い、導入前後の約4ヶ月間で売上が約200倍、ターゲットリーチが約5倍となった事例です。
業種・商材 | アパレル系EC |
---|---|
CVポイント | 購入 |
導入前の課題
過去に一度LINE公式アカウントの運用は行っておられたものの、初動でのブロック率の高さや売上への貢献度の低さ、リソース不足により、その後運用を断念されたという背景がございました。
サイト内のCTA(コールトゥアクション)やLINEの友だち追加広告(詳細は後述)の実施により一時的に5,500人ほど友だちが獲得できたものの、メッセージの開封率は低く、最終的なブロック率は約45%、ブロック数は約2,500人にのぼりました。
導入時の施策
弊社でヒアリングを経て現状の課題を分析し、コミュニケーションの再設計を行いました。
友だち獲得施策だけではなくユーザー一人ひとりの嗜好に合わせてパーソナライズされたメッセージの配信を重視し、優先的に改善を実施しました。また、ユーザーの購買行動を後押しできるような環境を構築するため、年間施策(特集やセールなど)を落とし込んだキャンペーンも同時に展開しました。
その結果、約4ヶ月間という短い期間で売上は以前の約200倍、ターゲットリーチは以前の約5倍という高パフォーマンスを実現しました。
LINE公式アカウント活用のポイント
ではなぜここまでLINE公式アカウントを急成長させることができたのか。
ここからは実際に行っていた運用をもとに、LINE公式アカウント活用のポイントを3つに分けてご紹介いたします。
①サイト内ポップアップで『友だち追加』を促す
1つ目はサイトにおけるポップアップの表示です。こちらのお客様では、サイトからユーザーが離脱する際に、LINEの友だち追加を促すポップアップを表示させています。
ポップアップには『友だち追加&アンケート回答で〇〇円OFFクーポンプレゼント』といったお得感のある特典が記載されているため、ユーザーはただ友だち追加するだけではなく、このアクションによる明確なメリットを感じることができます。
また、スマートフォンでポップアップがクリックされた場合、ユーザーはそのままLINEアプリ内へ移動して友だち追加でき、QRコードの読み取りなども必要ありません。これにより、ストレスフリーで次のアクションに繋げられる仕様となっています。
②ユーザー情報を活用した商品のレコメンド
2つ目はユーザー一人ひとりの属性や興味・関心に合わせた商品のレコメンドです。
前述したポップアップから友だち追加が完了すると、ユーザーには簡単なアンケート形式のメッセージが送信されます。
こちらのお客様では、計6つの設問に対する回答から、ユーザーの性別・年齢・誕生月、ブランドの商品を着用したいシーン・購入履歴の有無、ブランドの商品に期待していること(コラボ商品、おしゃれでかわいいスポーツウェアなど)といった情報を取得しています。
ここで得た情報をもとに、ユーザー一人ひとりに最適な商品をレコメンドすることで購買意欲を高め、より購入に繋がりやすい環境を構築することができます。
③LTVの向上を目指す長期的なフォローアップ
3つ目は定期的なメッセージ配信によるフォローアップです。前章でご紹介したアンケート回答後の商品レコメンドはもちろん最終地点ではなく、その後も定期的にメッセージが配信されます。
ここでもっとも重要になってくるのは、メッセージの頻度と内容です。
媒体の推奨頻度は月4回(週に一度)となっており、長期間アクションがないことでブランドや商品に対する関心が薄れてしまうような事態は避けつつ、頻繁に通知が届くストレスを感じさせない距離感を保つ必要があります。
また、アンケートで得たユーザー一人ひとりの属性や興味・関心をメッセージの内容に落とし込むことも重要です。サイト訪問・友だち追加から日数が経過したとしても、また購買意欲を高められるような情報を最適なユーザーへいち早く届けることが重要です。
LINE 友だち追加広告との併用で獲得をブースト
ここまでLINE公式アカウント運用の具体的なポイントについて解説してきました。
要点を押さえながら実際の運用を行っていくことはもちろん重要ですが、前提として、十分な友だち数が確保できていなければ売上に繋がらないという問題があります。
そこでおすすめなのがLINEの友だち追加広告です。
友だち追加広告は、文字通りLINEの友だち獲得に特化した広告です。
広告はLINEアプリ内に配信され、広告が表示されたユーザーは図のように『友だち追加ボタン』をタップするだけの1ステップでアカウントを友だち追加できます。
このようにシンプルな仕様に加え、友だち追加がされた時点で費用が発生するCPF課金(Cost Per Friends)形式が採用されているのも魅力のひとつです。広告のインプレッション(表示)やクリックでは費用が発生しないため、友だち獲得だけを目的とした効率的な配信を行うことができます。
友だちの獲得には前述したサイト内のポップアップのほか、紙媒体からQRコードを読み込んでもらうなどのオフライン施策も存在します。このような手法に友だち追加広告を掛け合わせることで獲得効率をさらに向上させられる可能性がありますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はLINE公式アカウントを活用したCRM施策の事例をご紹介しました。
3rd Party Cookieの廃止という大きな変化の最中、ユーザーから直接得られる情報を分析し、適切に活用することの重要性は今後さらに高まると考えられます。しかし、LINE公式アカウントのパフォーマンスを最大限に発揮させるには事前の分析やコミュニケーション設計、年間施策(特集やセールなど)との連携が非常に重要です。
弊社ではLINE公式アカウントの運用支援やLINE広告運用のほか、お客様の課題に合わせたマーケティング支援や技術的なサポートも行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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