近年、Google AI の活用による自然言語処理技術の飛躍的な向上を受け、ユーザーの検索行動の背後にあるインテント=検索意図)がより深いレベルで理解されるようになりました。

このような変化を受け、Google 広告ではキーワードマッチタイプの一部で名称変更が実施されました。
それがインテント マッチ(旧部分一致)です。

本件はYahoo!検索広告でも2024年7月16日(火)に実施されています。

従来の部分一致とインテント マッチの違い

従来の部分一致とインテント マッチの違いとして、大きく以下の2つが挙げられます。

  1. 検索語句と検索キーワードが一致していると見なす判断基準の変更
  2. シグナルとして考慮する範囲の拡大

検索語句と検索キーワードが一致していると見なす判断基準の変更

従来の部分一致では、検索語句(ユーザーが検索窓に入力したテキスト)と検索キーワード(広告の配信対象として設定したテキスト)のテキストが部分的に一致しているかどうかが最も大きな判断基準となっていました。

つまり従来の判断基準では検索キーワードに『夜行バス』を設定している場合、『夜行バス』を含む検索語句にのみ広告が配信されていました。
言葉の意味が同じであるとしても、『夜行バス』の言い換えである『ヤコバ』などは不一致と見なされます。
これにより機会損失に繋がるケースも少なくありませんでした。

一方、検索意図(インテント)を把握するインテント マッチは、テキストそのものが違えど同一の意味を持つということを理解することができます。そのため、検索語句に含まれるのが『ヤコバ』であっても一致と見なされます。

部分一致インテント マッチ
登録語句が含まれているクエリに配信
=部分的に一致しているか
指定キーワードに関連する内容のクエリに配信
=検索意図が一致しているか
キーワード:夜行バス → 拡張クエリ:夜行バス 予約キーワード:夜行バス → 拡張クエリ:ヤコバ
参照元:Google 社提供資料

シグナルとして考慮する範囲の拡大

また、インテント マッチは広告のパフォーマンス向上のために従来よりも幅広いシグナルを考慮します。

広告の遷移先ランディングページ)の内容や同じ広告グループに設定されているキーワード、過去の検索履歴ユーザーの所在地など、様々な要素が機械学習を促進する材料となります。
その結果、機械学習による最適化がより進みやすい環境が構築され、広告パフォーマンスの向上が期待できます。

シグナルとして考慮する範囲の拡大
画像引用元:Google 社提供資料

効果的な運用方法

インテント マッチの効果を最大限に引き出すには押さえるべきポイントが2つあります。

  1. インテント マッチをメインに運用
  2. ブランドリストの活用

インテント マッチをメインに運用

パフォーマンスを重視した運用において、これまでの部分一致は完全一致の補完的な役割を担っていました。

しかし、今後はインテント マッチを主軸とした運用が推奨されます。
ただし、あくまでもパフォーマンスを重視した場合の運用における推奨事項であるため、検索語句や入札単価調整などを細かくコントロールしたい場合には完全一致を補完的に活用しましょう。

ブランドリストの活用

インテント マッチの特性上、意図しない検索語句の拡張が行われる可能性があります。

特に、ブランドワードのコントロールはアカウント内での棲み分けはもちろん、パフォーマンスの担保という面でも重要な要素となるため、ブランドリストを使った事前対策がおすすめです。

ブランドリストの活用についてはこちらの記事をご参考ください。

まとめ

今回はGoogle・Yahoo!広告における部分一致の名称変更とその背景についてご紹介しました。

インテント マッチの可能性を最大限に引き出すにはアカウント構成の見直しなど、土台となる環境づくりが重要です。

弊社では、Google 広告運用のほか、お客様の課題に合わせたマーケティング支援や技術的なサポートも行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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