Google アナリティクス 4(GA4)の探索とは
Google アナリティクス 4(GA4)の「探索レポート」は、従来のGoogle Analyticsのカスタムレポートに相当するレポート機能であり、指標やディメンションを自由に組み合わせ高度な分析を行うことができる機能です。
サイトを訪問したユーザーの行動データから、複数の要素を組み合わせて自分が見たいデータのレポートを作成することができます。
標準レポートと探索レポートの違い
Google アナリティクス 4(GA4)には、「基本レポート」と「探索レポート」の2種類のレポートが用意されています。
まずは、それぞれのレポートの違いをご紹介いたします。
標準レポート
基本レポートは、Google アナリティクス 4(GA4)設定後にすぐに確認することができるレポートとなっており、サイトのアクセス状況を簡単に把握することができるレポートとなっています。
しかし、設定の自由度が低く細かいデータの分析には不向きのレポートとなっています。

探索レポート
探索レポートは、カスタマイズが可能となっておりセグメントやフィルターを活用し、グラフや表形式で詳細な分析を行うことができます。
しかし、探索レポートを作成するには一定の知識が必要となり、集計可能期間も最大14ヶ月となっています。

探索レポートの「セグメント」と「フィルター」
探索レポートでは、セグメントとフィルターを使用することで、特定の条件に基づいたデータを抽出することが可能です。
ここからは、セグメントとフィルターについてご紹介していきます。
セグメント
セグメントとは、特定の条件に基づいてデータを抽出する機能です。
セグメントには、「セグメントテンプレート」と「カスタムセグメント」の2種類があります。
セグメントテンプレート | よく利用されるセグメント条件を元にGA4が標準で用意しているセグメント |
カスタムセグメント | 自分で条件を設定し作成するセグメント 分析したい条件が「ユーザー(利用者の属性)」なのか「セッション(利用者のセッション情報)」なのか「イベント(利用者の行動)」なのかにより、カスタムセグメントは3種類に分類されます。 |

フィルター
フィルターとは、表示されたデータのなかで特定の条件のデータのみを抽出する機能です。
特定の条件のデータのみ表示(あるいは非表示)することが可能です。
探索のテンプレート
探索には、テンプレートが用意されています。
これらのテンプレートを利用することで、必要な項目を変更するだけで簡単に高度な分析を行うことが可能となります。

自由形式 | 使い慣れたクロス集計表の形式でデータを探索できます。棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、散布図、地域マップなど、さまざまなスタイルの表示形式を適用することも可能です。 |
ファネルデータ探索 | ユーザーがコンバージョンに至るまでのステップをビジュアル表示、各ステップでのユーザーの動向を確認可能 |
経路データ探索 | ユーザーがどのような経緯で、ウェブサイトやアプリにアクセスしているのかを視覚的に表示します。 |
セグメントの重複 | さまざまなユーザー セグメントが互いにどのように関係しているかを確認できます。この手法を使用すると、複雑な条件を満たしている新しいユーザー セグメントを特定できます。 |
コホートデータ探索 | 共通の属性を持つユーザーのグループの行動とパフォーマンスから、分析情報を入手します。 |
ユーザーのライフタイム | ユーザーの行動を分析して、顧客としてのライフタイムバリューを評価します。 |
GA4の探索利用の際の注意点
データ保持期間に制限
Google アナリティクス4の無償版では、データの保持期間がデフォルトが2ヶ月、最大14ヶ月となっています。
14ヶ月以上のデータの分析を行いたい場合は、有料の360版GA4を利用する必要があります。
標準版GA4 | 360版GA4 |
---|---|
最長14ヶ月 ※2ヶ月がデフォルト、14ヶ月選択可能 | 最長50ヶ月 ※2ヶ月がデフォルト、14ヶ月・26ヶ月・38ヶ月・50ヶ月選択可能 |
データの保持期間の変更方法
「管理 > データの収集と修正 > データの保持」から、データの保持期間の変更を行うことが可能です。
デフォルトは2ヶ月になっていますので、探索を利用する場合は14ヶ月に変更するをおすすめいたします。

サンプリングが適用されることがあり
GA4では、イベントが1000万件以上になるとサンプリングが発生するため、データの保持期間や精度に注意をする必要があります。
サンプリングとは、大量のデータを処理する際に使用される手法で、一部のデータから全体を推測して分析を行う手法です。
アイテム数が多いECサイトでは回遊率が高くイベント数が多くなるため、特に注意が必要となります。
項目 | Google Analytics4(無料版) | アナリティクス360(有料版) |
---|---|---|
データ探索のサンプリングの上限数 | クエリごとに1,000万件のイベント | クエリごとに10億件のイベント |
非サンプリングのデータ探索 | 利用できない | 1 日あたり2万個(クエリあたり最大 5,000 個)の非サンプリング データ トークン |
探索で使用するカスタムディメンションは事前に登録が必要
GA4では、データ解析の分析軸をユーザーが自由に設定することができます。
探索で使用したいカスタムディメンションは事前に登録する必要があります。
カスタムディメンションの設定方法
カスタムディメンションは、「管理 > プロパティ設定 > データの表示 > カスタム定義」から設定することができます。

登録するカスタムパラメーターの例
カスタムパラメーターは、自分がわかりやすい名前で登録することをおすすめいたします。
カスタムパラメータ名 | ディメンションの説明 | スコープ |
---|---|---|
ga_session_number | 訪問回数 | イベント |
page_location | ページのURL | イベント |
page_referrer | 一つ前のページURL | イベント |
page_title | ページのタイトル | イベント |
transaction_id | トランザクションID | イベント |
link_text | リンクのテキスト | イベント |
link_url | リンクURL | イベント |
購入プロセスレポートの作成手順
ここからは、「商品詳細ページ→カート追加→購入」の遷移を把握するレポートの作成方法をご紹介いたします。
探索からテンプレートギャラリーに遷移

ファネルデータ探索を選択

「+」をクリック、ディメンションを追加

ディメンションの「イベント名」「デバイスカテゴリ」を選択

「確定」をクリック

設定
探索レポートの設定は、下記の通りとなります。
手法:ファネルデータ探索
ビジュアリゼーション:標準のファネル
ステップ:view_item、add_to_cart、Purchase
内訳:デバイスカテゴリ
ステップは、ご自身でカスタムイベントとして設定していただく必要があります。
弊社サイトで、GTMで設定いただく方法をご紹介していますので参考にしていただけますと幸いです。

キャンペーンレポートの作成手順
ここからは、「チャネルグループ > 参照元/メディア > キャンペーン」ごとの収益レポートの作成方法をご紹介いたします。
探索からテンプレートギャラリーに遷移

自由形式を選択

「+」をクリック、ディメンションを追加

ディメンションの「セッションのキャンペーン」「セッションのデフォルト チャネル グループ」「セッションの参照元 / メディア」を選択

「確定」をクリック

設定
探索レポートの設定は、下記の通りとなります。
手法:自由形式
行:セッションのデフォルトチャネルグループ、セションの参照元/メディア、セッションのキャンペーン
値:購入、購入による収益

ランディングページ別レポートの作成手順
ここからは、「ランディングページごとの利用ユーザーと購入レポート」の作成方法をご紹介いたします。
探索からテンプレートギャラリーに遷移

自由形式を選択

「+」をクリック、ディメンションを追加

ディメンションの「ランディングページ + クエリ文字列」を選択

「確定」をクリック

設定
探索レポートの設定は、下記の通りとなります。
手法:自由形式
行:ランディングページ + クエリ文字列
値:総ユーザー数、購入、購入による収益

時系列レポートの作成手順
ここからは、「時系列(年・月・週・日付)での購入レポート」の作成方法をご紹介いたします。
今回は、「年・月」での購入レポートの作成を行います。
探索からテンプレートギャラリーに遷移

自由形式を選択

「+」をクリック、ディメンションを追加

ディメンションの「日付」「年」「月」「週」を選択

「確定」をクリック

設定
探索レポートの設定は、下記の通りとなります。
手法:自由形式
行:年、月
値:総ユーザー数、購入、購入による収益

まとめ
今回は、Google アナリティクス4で初登場した探索レポートについてご紹介いたしました。
基本レポートより詳しい分析が可能になるため、今回ご紹介したレポートを実際に設定を行い探索レポートに使い慣れることからはじめてみられてはいかがでしょうか?
プロのウェブ分析者が、最初に行うチェックを【無料】で受けてみませんか?
弊社では、事業会社様向けに「Googleアナリティクスの無料診断」のご提供を行っております。
本サービスは、ウェブ黎明期から長年培ってきた社内チェックツールを使用し、プロの現場と同じチェックの一部をご提供するものです。
診断は無料ですので、お気軽にお申込みください。