ディスプレイ広告のパフォーマンスを良好に保つためにもっとも重要な要素の1つとしてあげられるのが、静止画バナーや動画などのクリエイティブです。

昨今では生成AIの台頭によりさらに制作のハードルは下がり、誰でも簡単にクリエイティブを制作できるようになりつつあります。
ディスプレイ広告の成果改善において、静止画バナーや動画を量産して勝ちパターンを見付けていくことも1つの手法ではありますが、効果的なポイントやトレンドが抑えられていなければ効率的にPDCAサイクルを回すことはできません。

今回は、弊社の事例をもとに、静止画バナーのデザインで押さえるべきポイントをご紹介いたします。

事例のご紹介

まずはじめに、クリエイティブの改善によってLINE広告のCPF(友だち追加広告における友だち獲得単価)が大幅に拡大した事例をご紹介いたします。

アパレル系ECのお客様で、媒体の推奨・トレンドに合わせた静止画バナーを導入し、導入前後でCPFが約56%、CTR(広告のクリック率)が約230%となった事例です。

業種・商材アパレル系EC
CVポイントLINEの友だち追加

導入前の課題

短期間の配信であるため、限られた時間で新規友だちを獲得する必要がありました。
既存のクリエイティブでは、友だち獲得数が少なく機械学習が不安定なためCPFの高騰が続いていました。

導入時の施策

CPFの抑制を目的に、LINEヤフー社の推奨するクリエイティブ改善のポイントと直近のトレンドを加味したクリエイティブを追加で制作。
既存のクリエイティブと差し替えを実施しました。

こちらのお客様の広告配信使用していたのは静止画バナーのみでしたが、差し替え後のクリエイティブでは重要な箇所のみアニメーションとすることで、静止画の視認性の高さ動画ならではの目を引く動きの掛け合わせが可能となりました。

その結果、友だち獲得数が増加し早期に機械学習が安定したことで、短期間の配信でありながら低単価での新規友だち獲得を実現することができました。

クリエイティブ改善のポイント

今回はLINE広告の事例をご紹介しましたが、LINE広告に限らずすべてのディスプレイ広告において、パフォーマンスの最大化にはポイントを押さえたクリエイティブの制作と検証が必要不可欠です。

ここからは、LINEヤフー社の推奨設定をもとに、静止画バナーにおける具体的なクリエイティブ改善のポイントを解説いたします。

重要な箇所のみアニメーションとする

1つ目は、弊社で実際に活用した静止画バナーの強みと動画の強みの掛け合わせです。

画像引用元:LINEヤフー社提供資料

静止画バナーは、1枚の画像という限られた範囲でブランドや商材の魅力を最大限にユーザーへ伝えるため、特に視認性の高さに優れています。
一方で、文字通り動的な要素を含まないフォーマットであるため、ユーザーを惹き付ける力はやや弱いのが難点と言えます。

動画は数秒から数分の時間を使ってブランドや商材の魅力を最大限にユーザーへ伝えるため、1本あたりの情報量が豊富であるほかアニメーションを使ってユーザーを惹き付けることを得意としています
しかしユーザーの端末に表示された瞬間にすべての情報を伝えることは難しく、視認性が高いとは言えません。

そのため両者の強みを掛け合わせ、まさにいいとこ取りをしたようなこのフォーマットはディスプレイ広告の運用において非常に有効であるとされています。

ターゲット層の人物写真やイラストをメインに使用

2つ目は、人物の写真やイラストの積極的な活用です。

LINEヤフー社提供資料

一般的に、ディスプレイ広告に限らず検索広告などでも、ユーザーの自分ごと化を促す訴求は有効であるとされています。

明確なターゲット属性(年齢・性別など)が存在するブランド・商材のクリエイティブには、その属性に合った人物の写真やイラストを用いることで、広告を見たユーザーに対象が自分だと認識されやすくなります。
これによって、いわゆる自分ごと化が促され、広告に対するアクションを起こしてもらえる可能性がより高くなります。

括弧と問いかけの活用

3つ目は、ここまでご紹介したデザインベースの改善ではなくテキストベースの改善です。

検索広告の広告見出しや説明文では既に一般的な考え方となっていますが、クリエイティブにおいても括弧(『』や【】など)の活用は視認性の向上に有効な手段であると言えます。
また、〇〇〇していませんか?などの問いかけを入れることで、2つ目と同じくユーザーの自分ごと化を促すことができます。

広告の効果を最大限に発揮させるには、どちらか一方ではなくクリエイティブとテキストの両方からユーザーへアプローチすることが大切です。

まとめ

今回はバナーデザインで押さえるべきポイントと導入事例をご紹介しました。

ディスプレイ広告の可能性を最大限に引き出すには日々のパフォーマンスを分析し、最新のトレンドを落とし込んだPDCAサイクルを回すことが重要です。
スピード感のある広告運用のために、今回ご紹介したクリエイティブ改善のポイントを活用してみてはいかがでしょうか。

弊社ではLINE広告運用のほか、お客様の課題に合わせたマーケティング支援や技術的なサポートも行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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