運用型広告って何なのか
弊社株式会社AZは運用型広告のプロフェッショナルとしてサービスを提供しています。
いや、この「運用型広告」という言葉、聞きなれない言葉かもしれません。実際にはリスティング広告やディスプレイ広告、形態としてはDSPなども含んでいます。
この運用型広告は文字通り「運用」する広告なのですが、その対比は「枠買い」の広告ということになります。
「枠買い」の広告は今まででいうところの「純広」=「純広告」という広告です。純広告はざっくりいうと「●●インプレッション(露出回数)で、●●円ですよ」といった広告です。厳密にはいろんな種類があるんですが、Yahooのトップバナー広告を思い浮かべてください。
下図 紫で囲った部分
対して「運用型」広告は1クリック●●円という形で入札する広告です。このあたりはリスティングと同じですね。これらは毎回ページが表示される度にその場所に出る可能性のある広告同士が0.1秒以内に入札を行い、勝ち取った広告が掲出されています。
予算を元に、随時入札価格やその他調整できる項目をリアルタイムで調整しながら、効率を上げていく広告、これが運用型広告と言われるゆえんです。
ちなみにYahoo内での運用型広告=YDN(Yahoo Display ad Network)は以下です。
わかりにくいかもしれませんが、上段が純広告、下段が運用型広告になります。ちなみに運用型広告の右上にはたいてい誰が配信しているかのマークがつきます。
これはGoogle
このように、マウスをかざすと情報が出ます。
運用型広告の市場の可能性
以下の記事をご覧ください。
Markezineの記事より 枠買いから運用へ、ニーズが高まる「運用型ネット広告」は2591億円市場に
こうした市場の要請によって、運用型広告の市場規模は年々高まってきており、2012年度にはデバイス合計の全体市場において、58.3%のシェアを占め2591億円の市場にまで拡大してきている。
最後の方の文章にあるように、2012年実績でネット広告全体のうち、58.3%もの割合を占めるようになりました。
もちろん現時点ではリスティング広告ですが、今後はディスプレイ型の広告も増えてくると思います。
予測ではありますが、2016年には70%が運用型広告になると予測されています。
ネット広告市場自体が年平均8.4%という伸びの中でのことですから運用型広告の重要性はさらに高まると思います。
運用型広告の命名
話を少し戻しますと、そもそもこの「運用型広告」はいったいどのように名づけられたのでしょうか。
以下をご覧ください
この中の「インターネット広告媒体費における小分類の変更について」にあるように(ちょっと長いが引用)
スマートフォンやタブレット端末の普及等によるデバイスの多様化や広告関連技術の進展による業界構造の変化に伴い、従来の発表で採用していたモバイル広告、検索連動広告※1という小分類が業界実態に適さない面が出てきた。このため、検索連動広告を含む広告配信の新手法を包含する「運用型広告」を新たな小分類として設定した。また、デバイスの急速な多様化に伴い、デバイスを基点とした小分類は今後の発表では用いないこととする。
運用型広告とは、膨大なデータを処理するアドテクノロジーを活用したプラットフォームにより、広告の最適化を自動的にもしくは即時的に支援するような広告手法のこと。検索連動広告のほか、新しく登場してきたアドエクスチェンジ※2/SSP※3/DSP※4などが典型例。また一部のアドネットワーク※5もこれに含まれる。なお、枠売り広告のほか、タイアップ広告やアフィリエイト広告などは、運用型広告には含まれない。※1 2011年まで発表していた「検索連動広告」には、厳密な定義による検索連動広告には当てはまらない運用型広告も一部含まれている。
※2 アドエクスチェンジとは、複数の「アドネットワーク」やメディアから、入札方式で広告在庫を購入できるサービス。
※3 SSPとは、Supply Side Platformの略。インターネット広告で、媒体社側からみた広告効率の最大化を支援するシステム。
※4 DSPとは、Demand Side Platformの略。インターネット広告で、広告主側からみた広告効果の最大化を支援するシステム。
※5 アドネットワークとは、異なる複数のインターネット広告メディア(サイト)を束ねて広告をネットワーク配信する仕組み。
これ以前であれば「モバイル広告」などデバイスを基点として分類してきましたが、簡単に言うと「みんないろんなデバイスを横断的に使うから今後は使うのやーめた、まとめて運用型って言うわ」となったわけです。このあたり電通の解釈にはなりますが基本妥当でしょう。
コアになるのはRTBと言われるRealTimeBiddingつまりリアルタイムに入札を互いにしまくるシステムによる広告なわけですが、新しいタイプは入札だけでもないようなので大きく運用型としたわけです。
「運用型」という言葉の効用
しかし、この運用型という言葉は、ややわかりにくい面があるものの、素晴らしい言葉だと思っています。以前から続くただの枠売り型広告は効果があろうとなかろうとキャンペーンに割り当てられた予算を使い切っておわりという一面がありました。いや未だにそういった傾向はあります。
しかしネット広告というのは幸いリアルタイムに成果が見えます。つまり最初からPDCAをリアルタイムに回して成果を最大限にするための「運用」が可能なのです。そしてそうすべきなのです。
弊社がお客様と話す際にも「運用型」という言い方をするのもそこに意味があります。一緒に情報を収集し、データからさらによい成果を出すためのアイデアを一緒に考えていく、その姿勢こそ必要だと考えています。
その点で「運用型」に名前が変わったことを喜ばしく思います。