「どのアプリにトラッキングを許可するか 自分で選ぼうプライバシー これがiPhone。」
2021年5月に公開されたiPhoneのCMはApple社の今後のトラッキングに対する方針をわかりやすく簡潔に示すメッセージでした。
Cookie規制の問題については、技術的な革新やEU、アメリカを中心としたプライバシー保護の観点からも日々情報がアップデートされています。
従来型のデジタルマーケティング施策から大きく戦略転換を迫られる中で、そもそもクッキーとは何なのか?今後どういった影響が起こる(すでに起こっているのか)について前編後編に分けて解説していきます。
Cookie(クッキー)とは
ウェブサイトから発行されるブラウザを特定するID、識別子のことです。
ウェブサイトでCookie(クッキー)を使った仕組みとしては
- ログインID・PWの保存
- ECサイトのカート情報やお気に入りの保存
- 興味関心へのターゲティング広告
- ユーザーのサイト上の行動をトラッキングするアクセス解析ツール
などがあげられます。
サードパーティークッキー (3rd Party Cookie) とファーストパーティークッキー (1st Party Cookie) の違いって何?
クッキーは サードパーティークッキー (3rd Party Cookie) とファーストパーティークッキー (1st Party Cookie) の2つに区別することができます。
ファーストパーティークッキー (1st Party Cookie) とは
今見てるサイト(ドメイン)で発行されたクッキーのこと
サードパーティークッキー (3rd Party Cookie) とは
今見てるサイト(ドメイン)以外で発行されたクッキーのこと
この違いが少し分かりにくいのですが、区別するポイントは「今みてるサイトが発行しているか」どうかでクッキーの扱いが変わります。下記の図で解説してみます。

上記図のようにCookieがサードパーティーかファーストパーティーかは相対的なものであるため、今見てるサイト(ドメイン)が発行してるCookie以外はサードパーティCookieになります。
例えば、御社のサイトで発行されたCookieであっても他サイト(ドメイン)で使われるとそのクッキーは「サードパーティクッキー」になるという仕組みです。
サードパーティークッキー (3rd Party Cookie) 規制の流れ
では、なぜ今回サードパーティークッキーの規制が起こったのでしょうか。その背景には、プライバシー保護があげられます。大きな境目として2017年9月にApple社がSafariにトラッキング防止機能であるITP(Intelligent Tracking Prevention)を搭載したのを皮切りに、Cookieによるブラウザでのトラッキング防止機能を強化していきました。
2021年3月にGoogle社、すべての広告において今後近い将来に個人を追跡しないことを発表(Cookie以外も停止)、2023年にはChromeでもトラッキング用のサードパーティーCookieのサポート終了を発表しています。
プライバシー保護の問題は、これまでも長きにわたるインターネットの課題でありましたが、
プラットフォーマーの技術的な対応に加え、2018年のEC でのGDPR発行、2020年の米国カリフォルニア州でのCCPA執行、2022年4月日本でも改正個人情報保護法の施行などグローバルレベルでの法整備が進行する流れとなっています。

主要ブラウザのクッキー規制状況
Safari、Chromeに加えて、Firefoxでもサードパーティークッキーは使用を制限されているため、日本の主要ブラウザの70~80%前後がサードパーティークッキーの規制となっている状況です。(最新のブラウザシェアは https://gs.statcounter.com/ で確認することができます。)
このような規制の中、デジタルマーケティングにはどのような影響があり、どのような施策が実施できるのか後編ではアフターCookieの世界で取り組むべき施策をご紹介いたします。
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