広告管理画面とGoogle アナリティクスでの効果が違うことに疑問を持ち実際どのように運用をしていけばよいか迷われたことがあると思います。
本記事では、広告管理画面とGoogle アナリティクスの計測方法の違いから、実際の評価方法、運用方法までを解説します。

それでは、下記の手順でご紹介していきます。

  1. Google アナリティクスと広告管理画面の成果計測の仕様・違いについて
  2. 広告成果の評価方法はGoogle アナリティクスを活用
  3. Google アナリティクスで評価を行う上での注意ポイント
  4. 評価をGoogle アナリティクスをベースにした運用方法

広告管理画面とGoogle アナリティクスの成果計測の仕様・違いについて

まずは、広告媒体での計測方法とGoogle アナリティクスでのコンバージョンの計測方法を確認していきましょう。

各広告媒体の成果計測の仕様

各主要の広告媒体をピックアップしています。基本的にはクリックされてから最大○日までをコンバージョンとみなすという計測方法が主流です。
※一部媒体によっては、ビュースルーコンバージョンをコンバージョンとみなす媒体もあります。

媒体 クリック ビュースルー 備考
Google広告1~90日間
(デフォルト:30日)
データドリブンでの計測(過去のデータに基づいてコンバージョンの貢献度を割り当て)
Yahoo!検索広告1~90日間
(デフォルト:30日)
Yahoo!ディスプレイ広告7~90日間
(デフォルト:30日)
Facebook広告1~7日間
(デフォルト:7日)
1日間
(デフォルト:1日)
ビュースルーコンバージョンが含まれるためGoogle アナリティクスとの乖離率が高い
LINE広告1~180日間
(デフォルト:30日)
Criteo30日間Google アナリティクスとの乖離率が高い

Google アナリティクスの成果計測の仕様

一方Google アナリティクスでは、クリックされてから~日という計測方法ではなく、デフォルトでは「最後の間接クリック」という方法で計測されています。


最後の間接クリックモデルでは、顧客が購入やコンバージョンに至る前、最後に経由(クリック)したチャネルに、コンバージョンの価値がすべて起因するものと見なします(ノーリファラーは無視されます)。
アナリティクスのマルチチャネル以外のレポートでコンバージョン値を割り振る際には、このモデルがデフォルトで使用されます。

引用元:デフォルトのマルチチャネル(MCF)アトリビューション モデルについて – アナリティクス ヘルプ

広告管理画面とGoogle アナリティクスの成果計測の違い

お互いの計測方法をまとめると下記となります。

  • 広告管理画面:クリックから最大○日にコンバージョンしたものを成果とみなす
  • Google アナリティクス:コンバージョンに至る前に最後に経由したチャネルに成果を割り振る

例えば、コンバージョンに至るまでの過程が3チャネル経由した場合は、広告管理画面での計測は、経由した各広告媒体にコンバージョンが計測されます。

一方Googleアナリティクスでは、コンバージョンに至る最後のチャネルは「自然検索」ため、「自然検索」に1CVがカウントされ、広告媒体への評価はされません。

計測方法

広告成果の評価方法はGoogle アナリティクスを活用

結論は、Google アナリティクス評価することを推奨しています。

理由は下記3点です。

  1. コンバージョン計測基準が統一されていない
  2. 実際のコンバージョン数より多く計測がされる
  3. コンバージョンが重複して計測される

コンバージョン計測基準が統一されていない

各媒体によりコンバージョンの計測基準が統一されていないため、それぞれの媒体を一定の基準で評価することができません。
そのためGoogle アナリティクスでの評価を正とすることにより、どの媒体も一定の基準でパフォーマンスの評価をすることが可能になります。

実際のコンバージョン数より多く計測がされる

計測基準の違いから、広告管理画面計測でのコンバージョンが実際のコンバージョン数よりも多く計測されることがあります。
そのため広告管理画面計測でのコンバージョンを元に、広告への投資強化をした場合、実際の求めていた成果が得られない可能性があります。

実際にオーガニックやメルマガなどの他のチャネルすべてを合算したコンバージョン数より広告管理画面で計測したコンバージョン数が多く計測している事象もあります。
その点、Googleアナリティクスは≒「実際のコンバージョン数・売上」になるので、正確な投資判断ができるかと考えます。

コンバージョンが重複して計測される

「広告管理画面とGoogle アナリティクスの違い」でも少し出ていますが、広告媒体はそれぞれの広告成果を計測するため、媒体を横断した成果計測はできません。

そのため、本来は1CVなのに、各広告媒体で1CVずつ計測され合計2CVと重複して計測されます。

計測方法

Googleアナリティクスで評価を行う上での注意ポイント

実際に評価はGoogle アナリティクスで行うべきですが、事前に把握しておくべきポイントがあります。

ラストクリックでの評価は全体がシュリンクする可能性がある

ラストクリック評価をするため、最後一手でCV獲得できる媒体が評価が高くなり、起点(初回接触)で有効な媒体の評価がされにくくなります。

例えば、本当は初回接触の広告が貢献度が高かった場合でも、ラストクリックで判断するため評価がされにくくなります。
そのためCPAやROASの最適化は進みますが、全体のコンバージョン数シュリンクする可能性があるでしょう。
全体的なシュリンクを起こさないためには、各ファネルに基づいたKPI設計、定期的にアトリビューション分析などを行うことを推奨します。

Cookieのみ計測では正しい広告評価は得られていない

例えば、Facebook広告ではログイン情報を使用することで、Cookie(ブラウザ)を跨いだ計測をすることができます。

一方、Google アナリティクスでは、基本的にはCookieベースで計測をおこなっているため、デバイスを横断してコンバージョンが行われた際は広告に成果を付けられない場合があります。

全体の実数値では、Google アナリティクスが一番近しいですが、Cookieによる計測のため、全てが正しく計測できている訳では無いことを事前に把握しておきましょう。

評価をGoogle アナリティクスをベースにした運用方法

実際にGoogle アナリティクスをベースに運用を行う方法は下記になります。

Google アナリティクスで成果計測できる環境を構築する

まずは、成果計測ができる環境を整えましょう

  1. Google 広告とGoogle アナリティクスを連携
  2. utmパラメータを各広告媒体に設定(Google 広告以外)

Google 広告の場合は、Google アナリティクスと連携するとより詳細な情報を得ることができます。
また自動でutmパラメータも付与されるため連携を推奨しています。

それ以外の広告媒体の場合はutmパラメータ手動で設定する必要があります。

utmパラメータについては、下記記事でご紹介しております。

費用対効果はGoogle アナリティクス、日々の最適化は広告管理画面

前述の通り、広告成果や費用対効果はGoogle アナリティクスで評価することがよいですが、実際の広告運用に当たる際の改善は広告管理画面で行いましょう。

なぜなら、各広告媒体は、それぞれに設定したコンバージョンを最適化しているためです。
また、広告管理画面とGoogle アナリティクスの成果の集計は、膨大な時間を要するためスピード感を持って改善に取り組むことができないからです。

【上級編】広告データとGoogle アナリティクスデータを統合

Google、Yahoo!などの乖離率が少ないものは、そのまま管理画面をベースとした運用でもよいですが、乖離率の高い媒体や予算を多く使われている場合は集計の手間を省き日時でチェックすることがよいでしょう。

そのためにはBigQueryのようなデータウェアハウスを用いて、広告管理画面のデータとGoogleAnalyticsのデータを統合し、Looker Studio(旧:Googleデータポータル)などBIツールを用いてダッシュボード化をすると手間なく日時で確認することができます。

まとめ

広告の成果計測は、実際に完璧に計測できるものは現実的にないことを理解し、その中でもスピード感を持ってできるだけ正しいと思えるツールを使うことが重要です。

公式ECサイトのウェブ広告運用の不安や疑問を【無料】で解決しませんか?

弊社は、ECサイトの黎明期より、ECサイトの運用型広告に特化した専業代理店として、数々のECサイトの広告運用を専門的に行っております。
当社のEC広告の専門代理店のコンサルタントが、ECサイトの広告運用で最も優先度が高いポイントの診断を行う「ECサイトでのウェブ広告無料診断」を行っております。

自社ECサイトの成長のため、成長スピードの向上のため、運用型のウェブ広告のご利用、最適化は重要な課題になります。
自社のECサイトの広告運用が最適な設計で運用できているか不安少しでも不安がある方は、お気軽にお申込みください。