検索連動型広告(リスティング広告)において最も使用される配信手法の一つである、「ブランド名」や「商品名」などの検索時に配信する、指名キーワードへの広告配信です。

そんな指名キーワードへの配信について、以下のような疑問や認識はございませんか?

  • 商品名やブランド名で検索=購入確度が高いユーザーのため、広告を配信しなくてもCV獲得が可能。
  • SEOで上位表示しているため、広告を配信する必要性を感じない。

弊社でも同様のご相談をいただきますが、結論としては指名キーワードへの配信を推奨しております!

今回はそんな疑問を持つことが多い指名キーワードへの広告配信について、配信の必要性や指名配信時のセッション数・売上の変化ついて、事例を交えて解説いたします。

指名キーワードとは

詳しい解説の前にキーワードについておさらいいたします。
検索連動型広告(リスティング広告)におけるキーワードには、大きく分けて二種類あり、一つが「一般ワード」と、もう一つが「指名ワード」となります。

一般ワードとは、「化粧品」や「パソコン」などの、ブランド固有の商品名ではない、一般的に使用されるキーワードとなります。

一方指名ワードとは、「商品名」や「ブランド名」などの、特定の固有名詞を指すキーワードとなります。
またキーワードの詳細や選定方法については、下記の記事で解説しておりますので、キーワード選びにお悩みの方は合わせてご確認ください。

【初心者必見】キーワードを制する者はリスティング広告を制す!成果を出すためのキーワード選定方法をご紹介

指名キーワードを配信する必要性

事例をご紹介する前に、指名キーワードを配信する必要性について解説いたします。

SEOを超える、柔軟な訴求が可能

リスティング広告の強みの一つとして、広告の配信・変更がリアルタイムに行える点となります。

SEO対策では最適化まで数ヵ月以上を要することや、また検索結果の上位に表示されていても、アルゴリズムの変更により掲載順位が下がってしまうこともあります。
しかしリスティング広告では、配信開始から数時間程度で広告の配信が可能です。

また配信中の広告文の変更なども短時間で反映するため、SEOでは不可能な期間限定セールなどの訴求にも、柔軟に対応することが可能です。

サイト流入の機会損失を防ぎ、アクセスを増やすことが可能

掲載順位のクリック率

検索順位に対するクリック率について、下記のようなデータがあります。

検索順位クリック率
1位13.94%
2位7.52%
3位4.68%
4位3.91%
5位2.98%
6位2.42%
7位2.06%
8位1.78%
9位1.46%
10位1.32%
引用元URL:SEOラボ

このデータから、検索順位が1位であっても、クリック率がわずか13.94%であることです。
上記は平均値であることから、キーワードにより実際のクリック率は変動いたしますが、検索順位1位を獲得しても、大多数のユーザーにはクリックされないこととなります。
そのため、SEO対策のみでは不十分であることがお分かりいただけると思います。

また、検索順位が下がるにつれてクリック率が低下し、2位以下についてのクリック率は一桁となるため、サイト流入数やコンバージョン(購入)の獲得を増やすには、 広告配信を活用することが必須となります。

画面占有率

そしてもう一つは、広告配信を行なうことによる検索画面の画面占有率です。
下記はGoogleにて、キーワード「Yahoo広告」での検索結果となります。

Google検索画面

赤枠のリスティング広告と、青枠のSEOによる検索結果と合わせて、画面全体にYahoo広告のWEBサイトが表示されている状態です。

広告の掲載枠は検索結果の最上部のため、ユーザーの最も視認されやすい場所に配信することが可能です。
そのため検索結果内の画面の占有率を高めることで、ユーザーのWEBサイトの視認性を向上し、サイト流入数の最大化を図ることが可能です。

コンバージョン(売上)が増加する

最後に指名配信を行なう事の最大の特徴は、サイト流入数が増加することで、コンバージョン(売上)の獲得が増加することです。

ここからは指名広告の配信を行なった場合と停止した場合において、セッション数と売上の変化について、弊社の事例を交えてご紹介いたします。

事例のご紹介

指名ワードの配信による、売上の増加事例

指名広告を配信した際の事例をご紹介致します。

配信構成について

本事例の詳細は下記となります。

概要詳細
商材レディースECサイト
対象チャネル指名広告・自然検索(Google・Yahoo)

配信結果

指名検索の配信前後の比較は下記となります。

指標2021年2月2022年2月前年比前年差
自然検索のセッション数2,4001,600-80067%
指名広告のセッション数02,1002,100
売上(自然検索+指名)¥400,000¥780,000380,000195%

指名配信を行なうことで、セッション数・売上ともに増加させることに成功しました。
自然検索単体のセッション数では減少していますが、広告経由のセッションを含めると増加することとなりました。

また前年比較においては、セッション数が154%の増加と、売上では195%の増加となりました。

また上記以外にリスティング広告の配信費用が発生しますが、ブランド名や商品名などの指名ワードについては、競合が少ないため入札単価が抑制できることに加えて、購入確度が高いユーザーに配信できるため、CPA(コンバージョン単価)についても抑制できる傾向があります。

下記は、指名配信前と配信後を比較したグラフとなります。

指名ワードの配信による、売上の増加事例

最後に指名広告の配信停止により、セッション数と売り上げが減少した事例をご紹介致します。

指名ワードの停止による、売上の減少事例

指名ワードの停止事例:1

配信構成について

本事例の詳細は下記となります。

概要詳細
商材食品ギフトECサイト
対象チャネル指名広告・自然検索・公式サイトリファラー
配信結果

指名検索の配信停止前と、停止後15日間の比較となります。

指標指名検索配信
(15日)
指名検索停止
(15日)
前後差前後比率
セッション115,00070,000-45,00061%
売上\18,000,000\15,000,000\-3000,00083%

下記は、指名配信前と配信後を比較したグラフとなります。

指名ワードの停止による、売上の減少事例

指名ワードの停止事例:2

配信構成について

本事例の詳細は下記となります。

概要詳細
商材飲料ギフトECサイト
対象チャネル指名広告・自然検索・公式サイトリファラー
配信結果

指名検索の配信停止前と、停止後15日間の比較となります。

指標指名検索配信
(15日)
指名検索停止
(15日)
前後差前後比率
セッション3,6002,400-1,20067%
売上\600,000\470,000-130,00078%

下記は、指名配信前と配信後を比較したグラフとなります。

指名ワードの停止による、売上の減少事例

要因について

二つの事例共に、指名配信の停止後からセッション数と売上が減少していることが分かります。
広告配信を停止したことで、広告経由でサイト流入やコンバージョンを促していたユーザーへの訴求がなくなり、ブランドや商品名を認知していたユーザーの購入機会を損失している状態です。

“指名検索したユーザー=コンバージョン確定” ではないため、指名検索を行なうユーザーにも広告による訴求を行ない、購入までの導線を作ることが必要となります。

まとめ

今回は3つの事例を交えて、指名ワードの配信/停止時のセッションと売上の変化について解説いたしました。

指名ワードの広告配信について迷われている方や、自然流入での売上増加に限界を感じている方など、本記事がお役に立てますと幸いです。

プロの代理店が実施しているアカウントチェックを【無料】で受けてみませんか?

弊社では、事業会社様向けに運用型広告専業代理店である当社が長年培ってきた社内チェックツールを使用した「広告アカウントの無料診断」のご提供を行っております。
診断は無料ですので、お気軽にお申込みください。