ディスプレイ広告は、画像や動画と広告文を組み合わせた視覚的な広告となっており、適切なユーザーへ配信することが可能な広告です。
ディスプレイ広告は、さまざまな媒体でサービスを展開しており、配信位置や媒体の特色により、広告戦略を立てて利用することで効果をあげることが可能です。
本記事では、さまざまな媒体に配信ができるGoogleディスプレイ広告について、特徴やメリット、さらに広告の改善ポイントも含め解説していきます。
Googleディスプレイ広告とは
Google 広告には、検索広告とディスプレイ広告の主に2種類があり、ディスプレイ広告では、YoutubeやGoogleと提携している媒体やアプリなどに配信することが可能となっております。
今回は、Googleディスプレイ広告のメリットやデメリット、改善ポイントについてご紹介していきます。
Googleディスプレイ広告のメリット
ここからは、Googleディスプレイ広告のメリットを3つご紹介いたします。
さまざまなユーザーへのリーチが可能
Googleディスプレイ広告は、Googleが展開しているサービスのYouTubeやGoogleと提携しているウェブサイトやアプリなどに広告の配信を行うことが可能です。
Youtubeは、2022年で国内月間ユーザー数が7,000万人を突破しています。
さらに、Googleと提携しているウェブサイトやアプリは世界で3,500万にも及びます。
参照元:Google 広告 ヘルプ ディスプレイ ネットワークとは
多数のユーザーが存在するYouTubeや提携サイトなどに広告を配信を行うことにより、幅広いユーザーにリーチすることが可能です。
さまざまなマーケティング目標に対応可能
Google 広告では目標設定として、「売上の向上」、「見込み顧客の獲得」、「ウェブサイトのトラフィック増加」、「ビジネス・商品・サービスの認知向上」、「比較検討の促進」など幅広く対応しています。
配信までの工数が少ない
Googleディスプレイ広告の配信に必要な要素として、「広告見出し」、「説明文」、「画像や動画」、「ロゴ」があります。
これらを用意し、広告審査を通過すれば、すぐに配信することが可能となります。
Googleディスプレイ広告のデメリット
Googleディスプレイ広告のメリットをご紹介しましたが、一方でデメリットも存在しています。
ここからは、Googleディスプレイ広告のデメリットについてご紹介いたします。
検索広告よりクリック率やコンバージョン率が低い
検索広告は、ユーザー自身が情報を検索した際に広告が表示されるため、クリック率やコンバージョン率が高い傾向にあります。
しかし、ディスプレイ広告の場合、掲載箇所やユーザーのターゲティング設定はできるものの、ユーザー自身が情報を求めている場面以外でも表示されます。
そのため、ディスプレイ広告は、検索広告よりもクリック率やコンバージョン率が低い傾向にあります。
Googleディスプレイ広告の設定までの流れ
Googleディスプレイ広告を用いて広告配信を行うまでにはそれぞれ設定するものが存在します。
ここでは、Googleディスプレイ広告の設定までの流れについて5つの項目で解説していきます。
目標設定を行う
広告配信を行う際、まず目標設定をすることが重要です。
目標設定をせずに広告配信を行ってしまうと、配信に対しての評価や改善を行うことが難しくなります。
Googleディスプレイ広告では、目標設定として、クリックの増加やユーザーからの問い合わせの増加、ユーザーの関心を集めるなど、さまざまな販促を目標として設定することができます。
目標 | 用途 | 該当する機能 |
---|---|---|
販売促進 | ・販売やコンバージョンにつながる可能性が高いユーザーにアプローチする ・お客様のサイトを訪れたことがあるユーザー、または購入に至る可能性が高いユーザーに働きかける | 購入プロセスやコンバージョン プロセスの起点となる機能(人目を引く魅力的な広告、自動入札、自動ターゲティングなど)。お客様が販売している商品やサービスを積極的に閲覧、リサーチ、または比較検討しているユーザーにアプローチする機能。 |
見込み顧客の獲得 | 関連性の高いユーザーに、ニュースレターの配信登録や連絡先情報の提供などを通じて関心を示すよう促す | コンバージョン プロセスの起点となる機能(自動入札、自動ターゲティング、人目を引く魅力的な広告など)。お客様のビジネスに関心があるユーザーから連絡先情報(メールアドレス、ニュースレーターの配信登録など)を収集する機能。 |
ウェブサイトのトラフィック | 見込み顧客にウェブサイトへの訪問を促す | 商品を比較検討しているユーザーに働きかける機能(自動入札、自動ターゲティング、広告の自動作成など)。サイト訪問者のリストを作成し、再度アプローチできるようにする機能。 |
ブランド認知度と比較検討 | ・お客様の商品やサービスの認知度を高める ・新商品をユーザーに知ってもらう、新しい分野へビジネスを拡大する | ブランドの認知度を高めるための機能(視覚に訴える魅力的な広告、表示回数を増やす入札戦略など)と、新規ユーザーの関心を引き付けるうえで役立つその他の機能。 |
これらの目標設定を行うことで、GoogleのAI機能により効果的な広告配信を行うことができます。
また目標設定によって、リーチするユーザーの選定やクリエイティブの評価、予算や入札単価、各種指標などに大きく影響します。
予算と戦略を決める
Googleディスプレイ広告では、1日あたりの広告配信予算を設定する必要があります。
この予算によって、1日中広告配信ができるかの広告掲載頻度などが決まります。
もし予算が少ない設定の場合、広告掲載頻度(表示回数)が下がってしまうため、クリック数も減少し、結果としてコンバージョン数も減少してしまいます。
さらに、表示回数やクリック数、コンバージョン数が発生しないことで、GoogleのAIによる機械学習がうまく働かず広告効果を高めることが難しくなってしまいます。
Googleディスプレイ広告では、ビジネス目標にそった自動入札戦略(拡張クリック単価やクリック数の最大化、コンバージョン数の最大化など)を選ぶことができるため、最大限の成果を得られるように最適化を行うことが可能です。
ターゲットを設定する
広告配信を行う際、ターゲットを設定することは重要です。
どのようなユーザーに広告を表示したいかやどのようなユーザーが広告に反応するのかを事前に予測しながら広告配信をすることで、広告効果を高めることができます。
Googleディスプレイ広告では、目標設定からコンバージョン見込みのある関連性の高いユーザーに広告配信をすることができます。
さらに、GoogleのAIを利用して、手動設定の範囲からさらに見込みの高いユーザーにリーチを広げることで、広告効果を高めることができます。
Googleディスプレイ広告のターゲティング設定は、主に以下2つとなっております。
- オーディエンスターゲティング
- コンテンツターゲティング
ここからは、「オーディエンスターゲティング」と「コンテンツターゲティング」の違いについてご紹介いたします。
オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングは、ユーザーの属性、興味・関心・習慣、ニーズ、行動パターンなどを基に「人」に対するターゲティング設定を行うことが可能です。
オーディエンスターゲティングのセグメントは、以下となっております。
セグメント名 | 概要 |
---|---|
アフィニティ セグメント | ユーザーの趣味や興味・関心、習慣に基づいてユーザーへリーチすることができます。 |
ライフイベント | 進学や就職、結婚など、人生の節目で起こるイベントを迎えるユーザーへリーチすることができます。 |
購買意向 | 対象商品を検索しているユーザーや購入を検討しているユーザーに対してリーチすることができます。 |
カスタム セグメント | 関連性の高いキーワードや広告掲載場所(URLやアプリなど)を入力することで最適なユーザーにアプローチできます。 |
データ セグメント | 設定したウェブサイトやモバイルアプリ、動画などにアクセスをしたことがあるユーザーや過去に問い合わせや商品購入などを行ったユーザーなどに対してリーチすることができます。 リマーケティングとも呼ばれています。 |
詳しいユーザー属性 | ユーザーの年齢、性別、地域、年収など共通する特徴を持ったユーザーに対してリーチすることができます。 |
コンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングでは、キーワードやトピック、プレースメントを基に「場所」に対するターゲティング設定をすることができます。
コンテンツターゲティングのセグメントは、以下となっております。
セグメント名 | 概要 |
---|---|
トピック | 特定のトピックに関するページをまとめて掲載対象とすることができます。また、Google広告では、テキストや言語、リンク・ページ構造などを基にウェブコンテンツを分析し、ターゲティングを行うことができます。 |
キーワード | 商品やサービスの関連性の高い語句を指定し、その語句で検索を行うユーザーへ広告掲載を行うことができます。 |
プレースメント | Googleのディスプレイネットワーク内のウェブサイトをターゲットとして指定することで、そのサイトに訪問したユーザーへ広告掲載をすることができます。また、関連性の高いサイトに対しても設定することが可能です。 |
そのほかにも、表示タイミングや地域の設定、フリークエンシーキャップを使用することで、効果改善を図ることも重要です。
レスポンシブディスプレイ広告を設定する
レスポンシブディスプレイ広告とは、アセットと呼ばれる画像や動画、ロゴ、広告見出し、説明文などを組み合わせて広告配信を行う広告です。
レスポンシブディスプレイ広告では、GoogleのAI機能により、広告が自動的に最適化する点や広範囲にリーチすることが可能な点、広告作成に必要とする工数が少ない点などがメリットとしてあげられます。
このため、まずは各アセットを設定し、レスポンシブディスプレイ広告を作成しましょう。
項目 | 規定 |
---|---|
短い広告見出し(必須) | 半角30文字(全角15文字)、最大5個 |
長い広告見出し(必須) | 半角 90 文字(全角 45 文字)、最大1個 |
説明文(必須) | 半角90文字(全角45文字)、最大5個 |
ビジネスの名前(必須) | 半角25文字(全角12文字) |
最終ページURL(必須) | – |
画像(横長)(必須) | 600×314(1.91:1)以上、最大15個 推奨:1200×628 |
画像(スクエア)(必須) | 300×300(1:1)以上、最大15個 |
行動を促すフレーズ | 自動・選択も可 |
ロゴ(横長) | 512×128(4:1)以上、最大5個 |
ロゴ(スクエア) | 128×128(1:1)以上、最大5個 |
引用元:レスポンシブ ディスプレイ広告を作成する
Googleディスプレイ広告の改善ポイント
ここでは、Googleディスプレイ広告の改善ポイントを5つ紹介していきます。
現在ディスプレイ広告の運用を行っている方は、まだ対応していない項目があるかを確認してみてください。
クリエイティブの改善
ディスプレイ広告の改善ポイントとして、「クリエイティブの改善」があげられます。
ディスプレイ広告において、クリエイティブは顔と言ってもよいでしょう。
このクリエイティブを改善することで、効果は大きく変わります。
クリエイティブの改善方法として、まずペルソナを設定することが大切です。
ペルソナとは、自社商材を購入する顧客像のことを指します。
このペルソナとクリエイティブに乖離があるかを確認することで、キャッチコピーやデザインの見直しをする際に、一定の基準を設けることができます。
「商材を購入する人はどのような点に悩みや不安を持っているのか」を再度考察していくことで、効果的なクリエイティブを生み出すことができるでしょう。
LP(ランディングページ)の改善
ディスプレイ広告の改善ポイントとして、「LP(ランディングページ)の改善」があげられます。
ディスプレイ広告を配信する際に必要となるのは、クリエイティブと遷移先です。
しかし、この2つの関係性に乖離が生じてしまうと、ユーザーが迷ってしまったり、不信感を覚え、結果として離脱につながってしまい、広告効果を得ることができません。
このため、広告と遷移先でデザインや広告文の見直しを行い、それをもとにABテストをすることで、効果改善を行うことができるでしょう。
プレースメントの調整
プレースメントとは、YoutubeやGoogleディスプレイネットワークで広告を掲載できる場所のことです。
広告の配信面を確認・調整を行うことで、パフォーマンスの改善を行うことができます。
ここからは、パフォーマンスの改善を行うためのプレースメントの調整方法についてご紹介いたします。
プレースメントの除外と追加
Googleディスプレイネットワークには、200万以上の広告掲載箇所がありさまざまなプレースメントに広告の配信を行うことができます。
配信を行ったなかで、どのプレースメントでコンバージョン数が上がっているのかや離脱率が低いのかを分析し、効果が出ていないものについては除外していきます。
また、効果が高いプレースメントに関しては、関連性が高いプレースメントを追加していくことで、さらに数値を改善していくことができます。
ただし、注意点として、プレースメントを絞りすぎると表示がされなくなってしまうこともあります。
プレースメントに個別の入札単価を設定する
プレースメントの調整方法としては、2つ目はプレースメントに個別の入札単価を設定することです。
コンバージョンが多く発生するプレースメントは入札単価を上げ、コンバージョンが少ないプレースメントは入札単価を下げることができます。
広告が配信されているプレースメントの確認を行い、プレースメントの調整を行うことをおすすめいたします。
配信先デバイスの設定
ディスプレイ広告では、PC・SP・タブレットの3つの配信デバイスがあります。
PCよりもSPでのコンバージョンが多い場合、SPの入札を強めるなど入札調整を行うことで、コンバージョンの機会を増やすことができます。
ターゲットはどのデバイスを使用しているのか、どのように広告表示をするとコンバージョンに繋げられるのかを考慮しながら設定をすることにより、広告のパフォーマンスの改善を行うことが可能です。
リマーケティングの活用
リマーケティングとは、かつて自社サイトへ訪問したことのあるユーザーや自社アプリのインストール、動画サイトの自社動画視聴、チャンネル登録など、自社サービスに対して特定の行動をとったユーザーへ再度販促を行う手法のことを言います。
Yahoo!でも同様のサービスを提供しており、「リターゲティング」と呼ばれております。
リマーケティングでは、オーディエンスリストとよばれるリスト(特定のページに過去指定した日数以内に訪問したユーザーのリストなど)を作成することができ、このオーディエンスリストに対して広告を表示させることができます。
※Google 広告では「オーディエンスリスト」、Yahoo!広告では「ターゲットリスト」とよばれます。
リマーケティングを活用することで、自社の商品やサービスを検討しているユーザーに再検討をうながすことが可能です。
また、リマーケティングを行う際のターゲティングを設定することも可能なため、より検討しているユーザーに対して広告配信を行うことができます。
まとめ
本記事では、Googleディスプレイ広告のメリットやデメリット、広告設定の手順、効果改善のポイントについてそれぞれ解説してきました。
Googleディスプレイ広告は、Googleが提携しているウェブサイトやアプリ、動画コンテンツなど、200万以上の広告掲載箇所を持っているため、幅広いユーザーに広告の配信を行うことが可能です。
ターゲティングやプレースメントの調整を行うことで、より効率的なGoogleディスプレイ広告の配信を目指してください。
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