Google ディスプレイネットワーク(GDN)やYahoo! 広告 ディスプレイ広告(YDA)は、ユーザーの興味・関心に基いてターゲティングを行い、画像や動画などのクリエイティブをメインに訴求することができるタイプの広告です。主要検索エンジンのサーチページに掲載箇所が限定される通常の検索連動型広告とは異なり、コンテンツの内容を問わずアプリなどの多様な掲載面に広告を配信することができるのもディスプレイ広告の魅力であるといえます。

一方で、膨大な数に上る掲載先をすべて把握することは非常に難しく、運用者側でコントロール可能な範囲はごく限られています。インターネット上に存在するコンテンツの中には一定数のユーザーに不快感を与えるものも含まれており、このような掲載先に広告を配信した場合、ビジネスやブランドのイメージを著しく損なう可能性があります。

このようなリスクを回避するために有効なのが、本記事でご紹介するディスプレイ広告のプレースメント除外です。プレースメント除外を実施することで、上記のようなリスクを回避するだけでなく、より効率的・効果的な広告配信が可能になります。

プレースメント除外とは?

プレースメントとは、簡単に言えばディスプレイ広告の掲載先となるサイトやアプリを指します。

広告を配信したくないサイトやアプリがある場合、広告管理画面上から除外設定を行うことが可能です。また、プレースメントの除外を効果的に活用すれば、広告費の削減だけでなくCPA・CVRの改善が期待できます。

除外すべきプレースメントの代表的な例として、下記のようなものが挙げられます。

  • 2ちゃんねるなどの掲示板
  • モバイルアプリ
  • 成人向け、性的内容を示唆するサイト

上記に広告の配信を行った場合、直接的な成果に繋がらずパフォーマンス全体に影響を及ぼす可能性があるほか、ブランドイメージの低下などのリスクも否定できません。そのため、このようなサイトは基本的に初回で除外しておくのが効果的です。

Google コンテンツの除外について

ブランドイメージや価値を守るという観点から見ると、Google 広告で設定可能な「コンテンツの除外」も効果的です。こちらは比較的簡単に設定できるため、即効性のある対策として是非実施することをおすすめいたします。

コンテンツの除外を行うには、キャンペーンの設定画面から「コンテンツの除外」を選択します。

中でも年齢制限が設けられているコンテンツを指定する『DL‑PG: 保護者の判断を要するコンテンツ』『DL‑T: 13 歳以上向け』『DL‑MA: 成人向け』、デリケートなコンテンツに該当する『惨事、戦争』『デリケートな社会問題』『冒とく、乱暴な表現』『性的内容の示唆』『刺激的、衝撃的』、『ドメイン パーキング』『InVideo(動画プレーヤー内の広告配信枠)』は除外設定が推奨されているため、可能な限り初動で除外しておくことをおすすめします。

除外設定が可能なコンテンツのカテゴリは様々ですが、設定したすべてのコンテンツが漏れなく除外されるとは限りません。あくまでも媒体側で対処可能な範囲での機能となりますのでご注意ください。

除外すべきプレースメントリスト

ここからはGoogle 広告、Yahoo!広告の媒体別に、初回で除外することが推奨されるプレースメントリストをご紹介いたします。

Google ディスプレイネットワーク(GDN)

Googleの提供するディスプレイ広告の配信面の特徴としては、母数(サイト)の多さ、個人が運用するブログが多く含まれることなどが挙げられます。具体的な配信先としては、ライブドアブログ・教えてgoo・食べログ・pixivなどがあります。

ビジネスの種類やブランドのターゲットとなるユーザー層に合わせて配信先を精査する必要はあるものの、明らかにコンバージョンの獲得が見込めないなど、広告のパフォーマンスの妨げになるものは初回で除外しておくことをおすすめいたします。

  • 不特定多数が訪れる掲示板(2ちゃんねるなど)
  • 個人が運営するブログ
  • モバイルゲームアプリ
  • 配信用サイト(ニコニコ動画など)
  • アダルトサイト

Yahoo!広告 ディスプレイ広告(YDA)

Yahoo!の提供するディスプレイ広告の配信面の特徴としては、Yahoo!が運営する自社サービスサイトがその中心となることが挙げられます。

個人で運営するサイトが多いGoogleに対し、Yahoo!ではそのようなサイトはほとんど見受けられません。具体的な配信先としては、Yahoo!ニュース・Yahoo!知恵袋などがあります。

こちらもGoogle同様に、広告のパフォーマンスの妨げになるものは可能な限り初回で除外しておきましょう。

  • まとめ系サイト(ライブドアブログ、antennaなど)
  • モバイルゲームアプリ
  • 配信用サイト(ニコニコ動画など)
  • アダルトサイト

プレースメント除外の設定方法

Google 広告(GDN)管理画面における設定手順

手動でURLを入力してリストを作成する場合

1:管理画面右上の「ツールと設定」から、「プレースメント除外リスト」を選択。

2:「新しいリスト」を選択。


3:リストに任意の名前を付け、以下いずれかの方法でURLを入力。

(1)除外したいコンテンツに関連する語句を検索し、表示されたURLを一括で入力。


(2)除外したいサイトのURLを直接入力。

スプレッドシートから一括アップロードする場合

(1)ではURLを直接入力してリストを作成する方法をご紹介しましたが、膨大な数のURLを手動で入力するのは少々困難ではないでしょうか。そんな時に便利なのが、スプレッドシートを使用し一括で除外設定を行う方法です。

Google 広告管理画面からスプレッドシートをダウンロードする方法、作成方法の詳細については下記をご覧ください。

一括アップロードの概要

1:管理画面右上の「ツールと設定」から、「プレースメント除外リスト」を選択。

2:「リストをアップロード」を選択し、先に作成したスプレッドシートをアップロード。


3:リストに任意の名前を付け、「ソースを選択」から作成したスプレッドシートを選択。


アップロード完了後、「適用」をクリックして作業は終了となります。

なお、アップロード完了時点ではどのキャンペーンにもリストの紐付けが行われていない状態となります。いずれかの手順でリストを作成した後、それを紐付けるキャンペーンを選択してください。

Yahoo!(YDA)管理画面における設定手順

1:管理画面右上の「ツール」から、「プレイスメントリスト」を選択。

2:「プレイスメントリストを作成」から「除外専用リスト」を選択。


3:リストに任意の名前を付け、以下いずれかの方法でURLを入力。

(1)除外したいサイトのURLを検索し、表示されたURLを入力。


(2)除外したいサイトのURLを直接入力し、「URLを追加」をクリック。


上記いずれかの方法でリストを作成すれば設定は完了です。なお、除外専用リストは1アカウントにつき1つしか作成できないためご注意ください。(※URLは10,000件まで登録可能)

アドフラウド対策の必要性について

ここまでご紹介したプレースメント除外は、広告のパフォーマンス向上やブランドイメージを守る手段の1つです。

しかし、現在はアドフラウドの出現により一部のサイトでは知らない間に不正に広告費を搾取されている場合があります。アドフラウドは手動のプレースメント除外だけでは対応しきれないため、様々な角度から対策を実施しておく必要があります。

アドフラウドとは、いわゆる不正広告のことを指します。

適切なアドフラウド対策を実施しなかった場合、不正に広告費を搾取されたり、収集データの品質が損なわれるだけでなく、ビジネスやブランドのイメージを低下させる恐れがあります。

アドフラウドの特徴

アドフラウドの代表的な特徴としては、下記のような例が挙げられます。

クリック洪水

クリック洪水とは、実際には発生していないクリックを発生したかのように見せかけるアドフラウドです。別名「クリックフローティング」や「クリックスパム」とも呼ばれ、ボットによるクリック、あるいは報酬目的に悪質なユーザーによって引き起こされる場合があります。

インストールハイジャック

インストールハイジャックとは、ユーザーの端末をウイルスに感染させ、広告の表示やクリック、アプリのインストールなどを自動で行うアドフラウドです。一見通常のユーザー行動によるコンバージョンのように見えますが、クリックからインストールまでの時間が極端に短い場合、インストールハイジャックである可能性が高いと考えられます。

ボット

ボットとは、不正業者が作成したプログラムが不正なインプレッションやクリックを発生させるアドフラウドです。実際には効果のないインプレッションやクリックに広告費用を支払うことになるだけでなく、レビューやSNSの「いいね」などのコンバージョンに悪影響を及ぼす可能性があります。

異常行動

ボットのようなアドフラウドの被害に遭った場合、ユーザーアクティブ率(※)が前触れなく急激に低下・上昇するデータの異常行動が発生します。通常では計測されない行動が見られた際には、アドフラウドの可能性を考慮すべきでしょう。

※ユーザーアクティブ率…ある一定の期間にアプリやウェブ上のサービスを利用しているユーザーの割合を指します。 特定のアクションを行ったユーザーが日常的にそのサービスを利用しているかどうかを測る指標となります。

デバイスファーム

デバイスファームとは、アプリのダウンロードなどを行った端末のIDを何度もリセットし、複数の端末からダウンロードが行われたかのように偽装するアドフラウドです。こちらはステルス性(※)が高く、自社での発見は難しい場合があります。

※ステルス性…ウイルスプログラムが存在することや、ウイルスプログラムが動作していることを隠ぺいする技術・特性

近年ウェブ広告が広告の主流になりつつある中で、不正広告も同様に増加しつつあります。その実害は、ただ広告費を不正に搾取されるだけでなく、ビジネスやブランドの棄損にも繋がりかねません。

しかし、手動のプレースメント除外だけでは全ての望ましくないプレースメントを除外することは現実的に不可能なため、当社ではアドベリフィケーションとクリックフラウド対策、それぞれ専門のツールを採用し、ベンダーと連携しながら広告不正対策を行っています。

サービス内容・アドフラウド対策の流れ

1:被害状況の確認

(1)ツールによるチェック
  当社取扱のクリックフラウドツールの無料トライアル導入し、設定完了後10~12日間データを取得・分析

(2)コンサルタントによる調査
  優先度の高い項目について、簡易的な調査を実施

2:レポーティング

(1)アカウントの被害状況のご報告
(2)無料・有料で出来る対策のご提案

ツールを導入する場合は導入後の支援を継続して実施し、広告の基本機能や手作業、目視によるチェックでは対策が難しい部分まで総合的にサポートいたします。

また、無料のアドフラウド アカウント診断も実施しております。

広告のパフォーマンスやブランドセーフティーなどに課題感のある方は是非一度ご相談ください。

おわりに

CVRなどの広告パフォーマンスは、今回ご紹介したディスプレイ広告のプレースメント除外実施など、適切な設定と対策によって向上させることができます。

十分な対策を行うためにはまず、ビジネスやブランドの特性を正しく把握するとともに、目まぐるしく変化する広告媒体の仕様に対応する必要があります。

これからディスプレイ広告を始めようと考えている方や既にディスプレイ広告は配信しているもののプレースメント除外を実施していない方はこの機会にぜひ設定をご検討ください。

無料のアカウント診断以外にも、運用型広告に関するお悩みごとやご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。