目標広告費用対効果とは、入札単価を自動で調整してくれるGoogle 広告の機能の1つで、設定した目標数値に対してコンバージョンを効率よく獲得してくれる非常に優れた機能になります。

そこで本記事では、目標広告費用対効果の詳細からメリットやデメリット、設定方法、活用ポイントについて詳しく解説していきます。

Google 広告を効率的に運用を行うために、ぜひ本記事を読み進めてみてください。

目標広告費用対効果とは

目標広告費用対効果は、Google 広告における自動入札機能の1つです。

入札設定に目標広告費用対効果を設定することで、指定した広告の目標数値に基づいてコンバージョンの獲得を行うように広告が最適化されます。

広告での目標とする費用対効果(目標費用対効果)は「割合(%)」で指定をします。
仮に、広告予算を30万円投下して150万円売上をあげたい場合、目標費用対効果の設定は「500%」になります。
以下が計算式となります。

目標費用対効果「500%」 = 売上 1,500,000円 ÷ 広告費用 300,000円 × 100% 

目標広告費用対効果は、目標費用対効果の500%に対して、効率よくコンバージョン獲得の成果がでるように広告が最適化される仕組みです。

目標費用対効果

注意点として、設定する目標費用対効果が高すぎるとクリック数やクリック率が大幅に減少してしまう可能性があるため、適正にあった目標数値を設定するようにしてください。
※2021年から自動入札戦略の1つである「コンバージョン値の最大化」でも目標費用対効果が設定できるようになりました

目標広告費用対効果を活用するメリット

ここからは、目標広告費用対効果を活用するメリットについて説明していきます。

作業工数を削減できる

目標広告費用対効果は、設定した目標数値に対して入札単価を自動で調整してくれるので作業工数を大幅に削減することができます。

例えば、あなたがECサイトを運営して複数の商品を広告配信していたとしましょう。
広告運用者は各商品ごとに売上の規模や利益率を把握し、それに応じて検索キーワードの入札単価を手動で調整する必要があります。
しかし、商品ごとに入札単価を手動で調整すると、莫大な作業工数がかかってしまいます。

目標広告費用対効果を活用することで、目標とする売上や利益に基づいて入札単価を自動で調整してくれるので大幅な作業削減につながります。
その結果、クリエイティブの作成や新しいキーワードの策定などに時間をかけることができ、広告の効果を最大限に引き上げることができます。

目標数値(ROAS)を維持させてコンバージョン獲得を増加できる

目標広告費用対効果は、設定した目標数値またはそれに近い数値を維持しながらコンバージョンの獲得を行ってくれます。

仕組みとして目標広告費用対効果は、過去配信した広告のコンバージョン実績やユーザーの基本情報、ブラウザ、地域、時間帯、競合他社の入札状況などの記録から今後のコンバージョン獲得数値を予測します。
その後は、設定した目標費用対効果の到達も目指しながら、入札単価の調整が行われます。

このように、過去の広告実績や競合他社の広告状況をリアルタイムで把握し、入札単価の調整が行われるため「精度の高いコンバージョン獲得」がを行えるようになります。

目標広告費用対効果を活用するデメリット

目標広告費用対効果は、指定した目標数値に対してコンバージョンの獲得が向上する優れた機能ですが、運用方法によって配信した広告が最適化されないということもあります。

ここからは、目標広告費用対効果のデメリットについて解説していきます。

過去のデータが十分でないと最適化されない

目標広告費用対効果は、過去のコンバージョン実績に基づいて入札単価が自動で調整されます。

そのため、一定の条件を満たすデータが蓄積されていないと費用対効果の低い広告が配信されてしまう可能性があります。

目標広告費用対効果を上手く運用するために必要な条件については後述させていただきます。

配信ボリュームが制御される可能性がある

Web広告の運用者にとって、高い利益率でコンバージョンを獲得したい気持ちは当然あると思います。

しかし、目標数値を高く設定しすぎてしまうと広告の配信ボリュームが制限され、結果的にクリック率やコンバージョン数が大幅に下がってしまう可能性があります。

目標広告費用対効果の条件

目標広告費用対効果を活用するためには、過去の実績データが必要になります。

しかし、その蓄積されたデータが不十分だと広告の成果が低下してしまう恐れがあります。
そこで以降では、目標広告費用対効果における成果を最大限に引き上げるための条件について解説していきます。

過去30日間コンバージョン数が50以上必要

目標広告費用対効果で広告を最適化させるためには「過去30日間のコンバージョン獲得数が50以上」が必要となります。
コンバージョン数値が適正条件を下回っていると、広告の最適化が行われません。

そのため、初めて広告を配信する方にとっては不向きな自動入札機能になります。

学習期間が2~3週間必要

こちらはGoogle 広告全般の設定で言えることですが、自動入札機能を活用する場合「学習期間が2〜3週間」必要になります。
そのため、学習期間中に設定した項目を変更するといった行動はなるべく避けましょう。

学習期間中に項目を変更することで学習期間が延長されてしまう可能性があります。

目標広告費用対効果の設定方法

ここでは実際に、目標広告費用対効果を設定する方法についてご紹介していきます。

  1. Google 広告の管理画面にログイン
  1. 左メニューバーの「キャンペーン」を選択
左メニューバーの「キャンペーン」を選択
  1. 設定したい広告キャンペーンにチェックを入れると、上部に青枠が表示されるので「編集」をクリック
設定したい広告キャンペーンにチェックを入れると、上部に青枠が表示されるので「編集」をクリック
  1. 「入札戦略を変更」を選択
「入札戦略を変更」を選択
  1. プルダウン式で入札戦略を選択する項目が表示されるので「目標広告費用対効果」を選択、設定したい目標数値を入力し、「適用」をクリックして完了です。

目標広告費用対効果の求め方
例)広告予算30万円で150万円の売上をあげたい場合
計算式:目標広告費用対効果 500% = 売上 1,500,000円 ÷ 広告費用 300,000円 × 100% 

プルダウン式で入札戦略を選択する項目が表示されるので「目標広告費用対効果」を選択、設定したい目標数値を入力し、「適用」をクリックして完了です。

目標広告費用対効果をキャンペーン表示列に設定する方法

各キャンペーンごとに目標広告費用対効果の成果を把握したい方のために、こちらでは「キャンペーン表示列に目標広告費用効果を追加する方法」についてご紹介します。

  1. Google 広告の管理画面にログイン
  1. 左メニューバーの「キャンペーン」を選択
左メニューバーの「キャンペーン」を選択
  1. キャンペーンページの右側の「表示項目」を選択し、「表示項目を変更」をクリック
キャンペーンページの右側の「表示項目」を選択し、「表示項目を変更」をクリック
  1. 「属性」内にある「目標広告費用対効果」を選択、チェックを入れる
「属性」内にある「目標広告費用対効果」を選択、チェックを入れる
  1. 「適用」をクリックして、完了です。

目標広告費用対効果を活用するポイント

ここまで、目標広告費用対効果の詳細からメリット、デメリット、設定方法まで詳しく解説してきました。

最後に、目標広告費用対効果を活用する際のポイントについて解説します。
こちらの内容も参考にぜひ運用を行ってみてください。

適正の目標数値を設定する

目標広告費用対効果で設定した目標数値が高すぎたり低すぎたりすると、コンバージョンの獲得数が減少し、最終的なROASに悪影響を及ぼす可能性があります。

目標数値を設定する際は、過去30日間に配信した広告のROASに基づいて設定をするようにしましょう。
そうすることで、目標数値を維持したままコンバージョン獲得を増加させることができます。

マイクロコンバージョンを設定する

マイクロコンバージョンは、「資料請求」や「商品購入」といった最終目標コンバージョン手前に設定する中間目標のことを言います。

例えば、複数の商品をECサイトで販売している企業の場合、最終目標が「商品購入」で設定されていると思います。
その場合、中間目標であるマイクロコンバージョンは「商品のカート追加」「支払い情報の入力」「必要情報の入力」などが挙げられます。

蓄積したコンバージョン数が少なすぎると目標広告費用対効果を利用することができないため、マイクロコンバージョンを上手く設定してコンバージョン数を増やしましょう。

過去のデータが不十分である場合は、マイクロコンバージョンの活用をぜひ積極的に検討してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

Google 広告における目標広告費用対効果は、自動入札機能の1つで、運用者の手間を省きながら効率的にコンバージョンを獲得できる便利な機能です。

一方で、目標広告費用対効果を利用するには、過去の十分な実績データが必要になるのでGoogle 広告を頻繁に運用する人向けの機能になります。

自動入札機能には目標広告費用対効果の他に色々と種類がありますので、自社の商材や目標に合わせて設定を行ってみてください。

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