2021年総務省の調査で発表された「2020年のテレビ視聴環境と現状の課題」では、新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディアを含めた4つの媒体広告費とインターネット広告がほとんど同じ広告費を占めていることがわかりました。
また、インターネット広告費も年々右肩上がりで増加をしており、これからますます勢いが増していくと考えられます。
このように、インターネット広告により多くの費用をかける企業が増えている中で、当然、自社で広告を運用している人も多いかと思います。
そこで今回は、企業で広告運用を行っている方向けにGoogleが提供する便利な機能「Google スマート アシスト キャンペーン」についてご紹介します。
広告運用が初めてという方や広告の運用にあまり工数をかけられないという方は、ぜひ本記事をご参考にしていただき、「Google スマート アシスト キャンペーン」の利用を検討していただけると嬉しいです。
それでは、解説していきます。
Google スマート アシスト キャンペーンとは?
スマートアシストキャンペーンは、中小企業向けに簡単に広告の効率性を上げるために開発された機能で、顧客からの電話や店舗への訪問、ブランドの認知拡大、サイトへの誘導など企業目的に合わせた広告配信が効果的に行えます。
また、スマートアシストキャンペーンは、Googleの機械学習によって自動的に広告が配信されるため、簡単な設定だけで、Google検索、Googleマップ、Gmail、Youtube、ディスプレイネットワークなどのアドネットワークに適切なタイミングで出稿できます。
Google スマート アシスト キャンペーンの仕組み
スマートアシストキャンペーンを利用すると、Google検索、Googleマップ、Gmail、YouTube、Googleのパートナー契約を結んでいる各種メディア(200万社以上)に広告を配信することができます。
スマートアシストキャンペーンの利用を始めるには、下記3つの設定が必要です。
- 予算設定
- オーディエンス設定
- キーワードテーマ設定
設定後、自社で提供する商品やサービスをGoogleで検索している人に自動的に広告が表示され、さらに検索語句は、継続的に更新されます。
課金形態は、広告がクリックされた時に費用が発生する「クリック課金」になり、また、動画広告の場合は、動画を30秒以上視聴した場合に費用が発生します。
Google スマート アシスト キャンペーンのメリット
ここでは、Google スマート アシスト キャンペーンを利用するメリットについて紹介します。
Google スマート アシスト キャンペーンがいいのか他のキャンペーンがいいのかで迷っている方はぜひこちらを参考にしてください。
広告予算や人的リソースを抑えられる
スマートアシストキャンペーンは、Googleの機械学習によって自動的にキャンペーン配信され、さらに、設定した予算内で入札額を調整してくれるため、想定以上の広告費用がかかることはありません。
また、他のキャンペーン配信だとキーワード選定やターゲット設定など複雑な設定が必要となりますが、スマートアシストキャンペーンは複雑な設定が必要ないため、運用などの管理や工数を減らすことができます。
結果、スマートアシストキャンペーンを利用することで広告予算に対してより管理の運用時間を費やすこともなく、効果的な結果を獲得することができます。
複数のキャンペーンを同時に簡単に実施できる
スマートアシストキャンペーンは、上述でも触れている通り、広告の設定が簡単かつ早く行えます。
そのため、自社商品やサービスの紹介、特典キャンペーンなど複数の広告配信を行う場合に、短時間で対応ができます。
複数のキャンペーン配信を行うことで、自社で配信する広告の課題や改善点をすぐに把握することができ、広告の有効性が向上します。
広告を配信する時間を削減したいと思っている方や複数のキャンペーンを早く作成したいという方はぜひ利用してみてください。
広告の最適化につながる
配信した広告が見込み顧客(リード)と関連が高いほど、広告の効果が高まります。
スマートキャンペーンは、PC(デスクトップ)とSP(モバイル)の両方の見込み顧客に広告を表示させることができるため、より多くのユーザーに対してリーチをし、その中から自社のビジネスに関連性の高いユーザーを集めることができます。
適正の合う潜在顧客 (行動を起こす可能性が高い顧客) に広告を自動的に表示することで、キャンペーンの関連性と有効性の向上が期待できます。
Google スマート アシスト キャンペーンのデメリット
ここでは、スマートアシストキャンペーンのデメリットについて解説します。
レポートが制限される
スマートアシストキャンペーンでは、キーワードの設定を自分で行えないため、詳細な分析レポートの計測が行えません。
例えば、キーワードによる設定が行えないため、どのキーワードが購入や申し込みなどのコンバージョン(CV)に至ったのかの導線を把握できないのです。
広告運用初心者の方にとって、キーワードの選定を自動で行ってくれることは悪い面ばかりではないのですが、成果に繋がらないキーワードで広告が表示されることもあるため、無駄な広告費が発生してしまう可能性もあります。
Google スマート アシスト キャンペーンとGoogle 検索キャンペーンの違い
スマートアシストキャンペーンを利用すると、設定後はGoogleが自動ですべてを管理してくれ、広告をより最適化して配信してくれます。
一方、検索キャンペーンでは、自分でキーワード選定や広告作成、広告予算設定、ターゲット設定などさまざまな設定を行い、結果に応じて変更を加える必要があります。
検索キャンペーンは設定が細かくなるため、工数がかかってしまいますが、スマートキャンペーンでは、設定の多くは自動配信ができるため、工数削減からコンバージョン(CV)向上が期待できます。
スマートアシストキャンペーンと検索キャンペーンの違いは下記の通りです。
スマートアシストキャンペーン | 検索キャンペーン | |
---|---|---|
入札単価 | キャンペーンの予算内で最も高い成果(例: クリック数、通話数)を挙げられるように単価を管理される | 入札戦略(例: 最大クリック数、目標コンバージョン単価)を選択する必要がある |
アセット | WEBサイトのリンク先、コールアウト表示、住所、電話番号)の作成を自動化。オプトインは不要。 | 広告アセットを手動で設定する必要がある |
キーワード作成 | 指定されたキーワードテーマをもとに、キーワードが自動生成される | キーワードとマッチタイプ、それらに対応する広告グループを手動で設定する必要がある |
キーワード編集 | Googleの検索語句と広告のマッチングに使用されるキーワードのテーマを編集できる | 個々のキーワードとマッチタイプを手動で編集、管理できる |
レポート | キャンペーンで最も重要なデータがわかりやすく表示され、かつシンプルで使いやすいダッシュボードを使用します | キャンペーン、広告グループ、広告、キーワード、検索語句レベルの詳細レポートが含まれる |
広告が表示される場所 | 広告は、Google 検索、Google マップ、YouTube、Gmail、Google パートナー ウェブサイトに自動的に表示される | Google 検索、検索パートナー、Google ディスプレイ ネットワークに広告を掲載するかどうかを選択 |
LP | キャンペーンごとに 1 つのランディング ページをサポート | キャンペーンごとに複数のランディングページをサポート |
Google スマート アシスト キャンペーンの設定方法
1.Google広告にログイン
2.「新しいキャンペーンを設定」をクリック
3.「キャンペーン目標の選択」の「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」をクリック
4.「キャンペーンタイプを指定してください」の「スマート」を選択して、「続行」をクリック
5.「会社名を入力してください」という画面が表示されるので、自社の店舗やサービスの名称を入力して、「次へ」をクリック
6.「広告をクリックすると表示されるページのURLです」では、自社サイトや遷移させたいページを入力、「次へ」をクリック
7.「ビジネスの内容を学習しています」と表示され、ローリングが始まります。
8.「ありがとうございました。ユーザーが広告をクリックするとこちらが表示されます」が表示されて、その下部に画像が表示されるので、遷移先のURLページかどうかを確認。間違えなければ、「次へ」をクリック
9.「広告の主な目標はなんでしょうか」では、自社が目標とするゴールを選択。
ここでは、「電話お問い合わせを増やす」で設定しています。
10.「広告を作成します」では、「広告見出し1」「広告見出し2」「広告見出し3」、「説明文1」「説明文2」を入力。
続けて、広告に電話発信リンクを表示させたい場合は「広告に通話ボタンを表示する」にチェックを入れて電話番号を入力し、「次へ」をクリック
11.「検索内容に合った広告を表示するためのキーワードのテーマを追加します」の表示がされたら、新しいキーワードテーマの選択、「次へ」をクリック
もし、マーケティング関連のビジネスを展開しているのであれば、「マーケティング」とテーマに入力し、すると、下部に関連した検索語句が表示されるので、当てはまるものを選択、「次へ」をクリック
12.「次に、広告を適切な地域に表示します」では、広告配信したい地域を、都道府県や市区町村で指定、もしくは、ローカルビジネスを展開している場合は、店舗住所からの距離範囲で指定し、「次へ」をクリック
13.「求める成果を達成するための予算を設定します」では、Googleから推奨された予算を選択するか、もしくは、自分で予算を設定したい場合は、「予算を自分で入力する」にチェックをいれて、適切な金額を設定、「次へ」をクリック
14.「キャンペーンをチェックして正しく設定されているかをご確認ください」では、設定した内容に誤りがないかどうかを確認。内容に問題なければ、「次へ」をクリックで設定完了。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回、Googleが提供するスマートアシストキャンペーンについて解説しました。
Google スマート アシスト キャンペーンは、簡単な設定で効率的かつ自動的に広告配信を行ってくれるため、広告運用者にとって便利な機能といえます。また、広告運用の経験があまりない方にとってもおすすめの機能です。
ただ、メリットが多い機能の一方でデメリットもあります。
それは、広告運用にとって重要となるキーワード設定が手動で設定できず自動化されてしまうため、適切ではないキーワードでの広告配信が行われる可能性があります。
このように細かな設定が行えないため、広告を配信する際、Googleに提供できる自社の情報が少なくなってしまいパフォーマンスが下がることも考えられます。
自社でGoogle スマート アシスト キャンペーンを利用する場合は、一度経験として始めたいのか、もしくは運用を本気で行っていきたいのかで設定を検討するようにしましょう。
これから、機械学習による広告配信は益々増えていくと思いますので、ぜひ上手く活用してみてください!
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