みなさんは、GoogleやYahoo!で検索を行った際に、検索結果に表示されているリスティング広告をご存じでしょうか?
検索結果において、リスティング広告は「スポンサー」と明記されており少額からでも広告配信ができることから、企業や個人が利用している魅力的な広告となっております。
また、昨今ではAIを用いてユーザーの検索語句に最適な広告文を自動的に組み合わせて配信を行うことができる「レスポンシブ広告」というサービスを導入しており、広告主に費用対効果が高い広告配信を実現しております。
しかし、このレスポンシブ広告をあつかう際のポイントを理解していないことで、効果を最大限に発揮できないケースも多く発生しております。
本記事では、レスポンシブ広告についてのメリットや注意点、運用方法に関する注意点などを解説していきます。
レスポンシブ広告とは
レスポンシブ広告とは、広告枠に合わせて、広告のサイズや表示形式、フォーマットが自動に調整される広告のことです。
これは、昨今インターネットを閲覧するさまざまなデバイスに対応できるように設計されており、一つの設定でPCやスマホなどさまざまな広告枠に配信できるメリットがあります。
また、レスポンシブ広告には主に2種類存在しており、「レスポンシブ検索広告」と「レスポンシブディスプレイ広告」があります。
今回は、この2つのレスポンシブ広告について解説いたします。
レスポンシブ検索広告
レスポンシブ検索広告とは、検索結果にテキストで掲載される広告のことです。
Google 広告では2019年10月22日、Yahoo!広告では2021年5月12日にローンチされており、現在リスティング広告では主流となっております。
以前までは、半角30文字までの広告文を3つ、半角90文字までの説明文2つ設定して広告配信を行う「拡張テキスト広告」が主流となっていましたが、レスポンシブ検索広告の普及により、Googleでは2022年6月30日に、Yahoo!では2022年9月28日に新規入稿や編集ができなくなりました。
レスポンシブ検索広告では、各広告表示テキストの上部に「スポンサー」と表記されます。
これは、検索結果が、広告か自然検索のどちらなのかを確認する指標となっています。
また、他社がどのような文言で広告配信をしているのかを確認することが可能なため、広告配信前に他社の文言を確認してみるのも良いでしょう。
レスポンシブ検索広告では、 設定した広告文からユーザーに最も関連性の高い組み合わせの広告が自動的に表示されるアルゴリズムがはたらいています。
レスポンシブディスプレイ広告
レスポンシブディスプレイ広告とは、アセットを設定することで、GoogleやYahoo!のさまざまな広告配信面に出稿を行うことができる広告です。
アセットとは、タイトルや説明文、画像、動画、ロゴの広告配信に必要な5つの要素のことを指します。
これらの要素が組み合わさり、ウェブサイトやアプリ、動画サイトやメールサービスなどの配信面に幅広く広告が掲載されます。
また、アセットをそれぞれ1つずつ設定すれば始めることができ、サイズやフォーマットなどは最適化してくれるためはじめやすい広告です。
レスポンシブ広告を利用するメリット
ここからは、レスポンシブ広告を利用するメリットについて3つのポイントから解説していきます。
広告が自動で最適化される
レスポンシブ広告は、GoogleやYahooのAIにより自動的に最適化されるアルゴリズムがはたらいています。
AIによる機械学習を重ねていくことで、最も成果の出やすい広告はどのようなものなのかのテストを行い、ユーザーの検索語句や検索履歴などに対して最も関連性の高い組み合わせが特定されます。
そのため、効果的な広告配信を行うためには、複数のアセットを設定し機械学習を重ねていくことが重要です。
ただし、機械学習が未熟な場合、安定した広告配信が難しくなる恐れがあります。
広範囲のリーチが期待できる
レスポンシブ広告では、ウェブサイトやアプリ、動画サイト、メールサービスなど幅広く広告掲載が可能となり、広範囲のリーチを期待することができます。
また、ターゲットに応じた広告掲載箇所の制限やユーザー情報によるセグメントも細かく行うことができるため、効率的な広告配信が可能となります。
広告作成工数が減少する
レスポンシブ広告では、基本的に1種類のアセットを設定することで広告配信が可能です。
従来の広告配信では、掲載箇所に応じてさまざまなフォーマットを用意する必要がありました。
しかし、レスポンシブ広告では、1種類のアセットから各デバイスや掲載箇所に応じて自動で調整を行うため、広告作成に関する工数が大幅に減少します。
レスポンシブ広告を利用するデメリット
レスポンシブ広告には、さまざまなメリットを含んでいますが、一方でデメリットとなってしまう点もあります。
ここでは、レスポンシブ広告のデメリットについて解説します。
意図した広告文や説明文以外が表示される
レスポンシブ広告では、さまざまなアセットを設定することで、より関連性の高いユーザーに対して最適なアセットを表示するアルゴリズムがはたらいています。
そのため、アルゴリズムが最適と判断されると、管理者が意図しない広告文が配信される可能性が生じます。
この対策として、広告文や説明文のピン留めを利用すると良いでしょう。
ピン留めとは、広告文や説明文を表示したい位置以外では使用しないようにする設定のことです。
ただし、このピン留めを行うことで自由度が減少し、レスポンシブ広告の強みがいかせなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。
広告分析が難しい
レスポンシブ広告では、さまざまなアセットを設定するため、自動的に分析数が多くなってしまいます。
また、管理画面上で確認できる範囲は、表示回数とパフォーマンスのみとなっており、その他の指標は確認できません。
パフォーマンスについては、評価基準が6種類設けられており、それぞれ「保留」「学習中」「低」「良好」「最良」「–(未評価)」となっております。
これらから、広告分析をするには難易度が高いことが注意点として挙げられます。
レスポンシブ広告の設定方法
レスポンシブ広告は、Google 広告とYahoo!広告で利用することが可能です。
ここからは、Google 広告とYahoo!広告それぞれのレスポンシブ広告の設定方法を解説していきます。
Google 広告の設定
まずは、Google 広告のレスポンシブ検索広告とレスポンシブディスプレイ広告の設定方法について解説していきます。
レスポンシブ検索広告の作成方法
レスポンシブ検索広告は、以下の手順で設定することが可能です。
1.ページメニュー欄にある「広告とアセット」をクリック
左メニューにおいて、広告を追加する検索キャンペーン > 広告グループを選択肢し、「広告とアセット」をクリックします。
2.ページ内にある「プラスボタン」をクリックし、「レスポンシブ検索広告」をクリック
3.最終ページのURLと表示URLのパスをテキストで入力
表示URLのパスは、2個まで入力が可能です。
表示URLのパスは、半角15文字まで入力することが可能です。
4.広告見出しを入力
広告見出しは、最低3個、最大15個まで入力することが可能です。
広告見出しは、半角30文字まで入力が可能です。
5.説明文を入力
説明文は、最低2個、最大4個まで入力することが可能です。
説明文は、半角90文字まで入力が可能です。
6.「広告を保存」をクリック
ページ下部の「広告を保存」をクリックし、広告の作成を完了します。
レスポンシブディスプレイ広告の作成方法
それでは、レスポンシブディスプレイ広告の設定方法も確認していきましょう。
レスポンシブディスプレイ広告は、以下の手順で設定することが可能です。
1.ページメニュー欄にある「広告とアセット」をクリック
左メニューにおいて、広告を追加する検索キャンペーン>広告グループを選択し、「広告とアセット」をクリックします。
2.ページ内にある「プラスボタン」をクリックし、「レスポンシブディスプレイ広告」をクリック
3.最終ページURLと会社名を入力
会社名は、半角25文字まで入力が可能です。
5.表示する画像やロゴ、動画をそれぞれアップロード
画像は最大15枚まで、ロゴは最大5個まで追加可能です。
画像・ロゴの入稿規定は以下に記載しております。
画像 | ロゴ | |||
アスペクト比 | 横長(1.91:1) | スクエア(1:1) | 横長(4:1) | スクエア(1:1) |
推奨サイズ(ピクセル) | 1,200×628 | 1,200×1,200 | 1,200×300 | 512×128 |
最小画像サイズ(ピクセル) | 600×314 | 300×300 | 512×128 | 128×128 |
ファイルサイズ上限(KB) | 5,120 | |||
ファイル形式 | PNG、JPG、静止 GIF |
6.広告見出しと長い広告見出し、説明文をそれぞれ入力
各箇所はそれぞれ5個まで追加が可能です。
広告見出しは半角30文字まで、長い広告見出しと説明文は半角90文字まで入力が可能です。
7.「保存」をクリック
Yahoo!広告の設定
ここでは、Yahoo!広告のレスポンシブ検索広告とレスポンシブディスプレイ広告の設定方法について解説していきます。
レスポンシブ検索広告の設定方法
レスポンシブ検索広告は、以下の手順で設定することが可能です。
1.サイドメニューから「広告」をクリックし、「広告作成」ボタンをクリック
2.任意のキャンペーンと広告グループをそれぞれクリックし、「広告作成画面に進む」をクリック
3.広告名と各アセットをそれぞれ入力
作成可能数 | 文字数 | |
---|---|---|
広告名 | 1つ | 半角256文字まで |
アセット(タイトル) | 最低3つ、最大15つまで | 半角30文字まで |
アセット(説明文) | 最低2つ、最大4つまで | 半角90文字まで |
4.最終リンク先URL、表示URLをそれぞれ入力
表示URLは、2個まで入力が可能、半角15文字まで入力することが可能です。
5.「保存」をクリック
それでは、レスポンシブディスプレイ広告の設定方法も確認していきましょう。
レスポンシブディスプレイ広告の作成方法
レスポンシブディスプレイ広告は、以下の手順で設定することが可能です。
1.Yahoo!広告からディスプレイ広告をクリック
2.任意のキャンペーンと広告グループをそれぞれクリックし、「広告作成」ボタンをクリック
3.広告作成画面から「レスポンシブ広告を追加」をクリックし、「メディアの形式」欄で、「画像」または「動画」をクリック
4.画像または動画をアップロードし、ロゴを追加
動画をアップロードする際、動画サムネイルを選択してください
下記キャプチャは画像を選択した際のものになります。
画像・動画の入稿規定は以下に記載しております。
画像 | 動画 | |||
アスペクト比 | 横長(1.91:1) | スクエア(1:1) | 横長(16:9) | スクエア(1:1) |
推奨サイズ(ピクセル) | 1,200×628 | 1,200×1,200 | 600×360 | 600×600 |
最小画像サイズ(ピクセル) | 1,200×628 | 300×300 | 600×360 | 600×600 |
ファイルサイズ上限(KB) | 3,000 | 2,000 | ||
ファイル形式 | JPEG(RGBのみ)PNG、GIF89a | MP4、MOV |
6.タイトルや説明文、ボタン文言、主体者表記をそれぞれ入力
タイトルや説明文は、最低1個、最大5個まで入力が可能です。
6.最終リンク先URLを入力し、必要であればスマートフォンURLも入力
表示URLは最終リンク先URLを元に自動生成されます
7.上記入力後、アセット(画像)上のプレビューをクリックし確認します
8.確認の後、「作成」をクリック
レスポンシブ広告の運用方法
さまざまなメリットがあるレスポンシブ広告ですが、運用するうえで様々な注意点が存在します。
ここからは、レスポンシブ広告の効率的な運用方法を解説していきます。
さまざまな種類のアセットを用意する
レスポンシブ広告を効率よく運用するためには、様々な種類のアセットを用意することが重要です。
また、ユーザーに視認されやすい画像や動画などは、効果に大きな差が出やすいため、ABテストを多く行い、より反応が良いものを見極めることが重要となってきます。
機械学習を働かせる
レスポンシブ広告では、GoogleやYahooのAIにより自動的に最適化されるようなアルゴリズムがはたらいています。
そのため、AIの機械学習を効率的にはたらかせることが重要となります。
AIが上手にはたらいてくれないと、本来持っているレスポンシブ広告のポテンシャルを発揮することができません。
機械学習を上手にはたらかせるには、学習期間を十分に確保してあげることが重要です。
機械学習の期間は、予算に大きく依存してしまいますが、最低でも2週間程度は学習期間をおくようにしてください。
キーワードやアセットの調整を行う
レスポンシブ広告では、調整できる箇所が多数あります。
その中でも「キーワード」と「アセット」の調整を行うことは、レスポンシブ広告を運用する点では、欠かせないと言えるでしょう。
では、それぞれの調整方法について、解説していきます。
キーワードの調整
キーワードはレスポンシブ検索広告で重要となるポイントです。
レスポンシブ検索広告では、興味関心が高いユーザーに対して広告配信を行えることが強みと言えます。
そのユーザーに対して、検索されやすいキーワードを選定し、その中で効果の高いものに絞っていくことが必要となります。
レスポンシブ検索広告では、マッチタイプをキーワード毎にそれぞれ「インテントマッチ(部分一致)」、「フレーズ一致」、「完全一致」から選択することが可能です。
その他にも、キーワードの除外設定も可能となっているため、キーワードを最初は広げていき、徐々に絞っていくという手法を取ることで効率的な配信をすることができるので、おすすめです。
アセットの調整
キーワードの調整以外にもアセットの調整も重要となります。
レスポンシブディスプレイ広告では、広告の顔に匹敵するため、飽きられてしまうとその時点で広告効果が低下してしまいます。
これを防ぐためにも、都度アセットの調整を行い、ABテストを繰り返し行うことが重要となります。
また、アセットの調整はレスポンシブ検索広告の広告見出しにも同様のことが言えるでしょう。
広告見出しで設定する評価は、広告の有効性に関わる指標となっており、「未完了」、「低い」、「平均的」、「高い」、「非常に高い」の5段階となっております。
この評価が高いほど、広告のパフォーマンスを最大化させやすくなるので、「高い」または「非常に高い」を狙えるよう、検索意図に適し独自性のある広告文を目指しましょう。
これらから、広告の有効性による高い評価を維持しつつ、ABテストを行うことで、より興味関心の高いユーザーへ配信を行うことが可能となります。
まとめ
本記事では、レスポンシブ広告についてメリットや注意点、運用方法などをそれぞれ解説してきました。
レスポンシブ広告では、広告出稿までの工数が他広告に比べおさえられ、広範囲にリーチすることができることがメリットとして挙げられます。
一方で、自由度が高いため、意図しない表示がされてしまう可能性があり、また広告分析も難しいなどがデメリットとしてあげられます。
しかし、機械学習や各項目の調整を効果的に行うことができれば、期待以上の成果をあげられる可能性がある広告です。
これらから、まずは機械学習を行う期間を十分に確保しつつ、都度キーワードやアセットの調整からABテストを行っていくことで効果的に広告配信を心がけましょう。
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