Google 広告の「コンバージョン値の最大化」という入札戦略をご存知でしょうか?
コンバージョン値の最大化は、その名の通り「コンバージョンの価値を最大化させる」自動入札戦略です。
これをうまく使うことで、Google 広告で得られる売上や問い合わせなどを増やすことができます。
一方、Google 広告には「コンバージョン数の最大化」というよく似た名前の入札戦略もあります。
「コンバージョン値の最大化」と「コンバージョン数の最大化」の入札戦略の違いもご紹介いたします。
今回は、「コンバージョン値の最大化」について基本的事項から設定方法まで解説していきます。
Google 広告を用いてより自社のビジネスの利益を最大化したい方は、ぜひ参考にしてください。
コンバージョン値の最大化とは?
コンバージョン値の最大化とは、Google 広告の自動入札機能のひとつです。
Google 広告では、目標に応じて成果が最大化されるように入札単価が調整される自動入札機能が用意されています。
「コンバージョン値の最大化」はその自動入札機能のひとつで、目標に応じて成果値(コンバージョン値)の設定を行い、設定された予算の範囲内でコンバージョン値が最大になるようにオークションごとの入札単価が自動的に調整される機能です。
コンバージョン値の最大化を利用することで、得られるコンバージョンの価値を最大化させる施策の実施が可能となります。
「コンバージョン値の最大化」と「コンバージョン数の最大化」の違い
キャンペーン全体で得られるコンバージョンの価値を最大化するとは、どのようなことなのでしょうか。
Googleの自動入札戦略の中には「コンバージョン数の最大化」という、非常によく似た言葉の、別の入札戦略もあります。
「コンバージョン値の最大化」を理解するためには、この「コンバージョン値」と「コンバージョン数」との違いを把握しなければなりません。
「コンバージョン値」とは1コンバージョンで得られる価値を指します。
一方、「コンバージョン数」は、キャンペーンで獲得できたコンバージョンの数のことです。
コンバージョン数の最大化では、単純にコンバージョンの獲得数を最大化させるものなので、その価値は関係ありません。
コンバージョン値の最大化では、まず複数のコンバージョンが存在する場合、それぞれに対して重要度に応じて価値づけを行います。
こうすることで、獲得できる価値の最大化を図ることができるようになるのです。
したがって、「コンバージョン値の最大化」を用いた運用は、コンバージョンごとの価値を踏まえた上で、その価値を最大化させるべく自動入札が働くものとなります。
コンバージョン数の最大化については下記記事をご参考ください。
コンバージョン値の最大化の仕組み
コンバージョン値の最大化の仕組みを、もう少し詳しく見てみましょう。
たとえばBtoBのサイトで、資料ダウンロードと相談申込がそれぞれ1件ずつGoogle広告経由でコンバージョンしたとすると、獲得コンバージョン数は2件となります。
しかし単純な資料ダウンロードと具体的な相談申込では、広告主にとっては相談申込のほうが得られる価値が高いはずです。
コンバージョン値の最大化を利用しようとする場合、たとえば資料ダウンロードは1の価値がつくように設定し、相談申込が獲得できたときは100の価値がつくように設定します。
そうすることで、Google 広告がコンバージョン獲得あたりの価値を判断できるようになります。
そして、より価値の大きいコンバージョン、この場合は相談申込を獲得しようと自動入札が働くようになるわけです。
コンバージョン値の最大化を導入するタイミング
コンバージョン値の最大化を導入する際、タイミングを留意する必要があります。
コンバージョン値の最大化を利用するには、過去にコンバージョン数が獲得できているキャンペーンでなければ最適化がかかりません。
目安としては、直近30日で50件以上です。
したがって、すでにコンバージョンが集まっている状態のキャンペーンであればいいですが、そうでない場合「コンバージョン値の最大化」を利用しようとすると、あらかじめ「コンバージョン数の最大化」でコンバージョン数を集めるか、マイクロコンバージョンなど設定するなどの工夫が必要となります。
コンバージョン値の最大化で注意すべきこと
コンバージョン値の最大化を使っていくにあたり、注意すべきことが3つあります。
ここからは、コンバージョン値の最大化を導入する際の注意点についてご紹介いたします。
コンバージョントラッキングを設定すること
コンバージョン値の最大化を機能させるためには、機械学習の元となるコンバージョンデータの収集が必要なので、コンバージョントラッキングの設定は必須です。
コンバージョンタグの設定がされていないと、そもそもGoogle広告が機械学習できないため、まったくの無駄になってしまいます。
そもそも広告設定時にコンバージョンタグの発行がなければ、設定の過程で設定するようコメントが出てきますので、設定もれには十分注意しましょう。
機械学習させる
コンバージョン値の最大化は機械学習によって行われるもので、機会学習には相応の時間が必要です。
コンバージョンデータが大量に獲得され続けている場合であれば、学習期間はそこまでかかりませんが、直近30日で50件以上のコンバージョン程度かそれ以下であれば、時間がかかります。
効果が表れるまでの学習期間は、おおよそ2~3週間程度といわれています。
十分なコンバージョンデータを収集する
コンバージョン値の最大化を機能させるには、ある程度コンバージョンが獲得できていることが重要です。
自動入札は機械学習によって行われますので、すでに十分なデータがあることが必要条件となります。
コンバージョン値の最大化も、多くのコンバージョン数の中でさらに価値あるコンバージョンを獲得していくため、十分なコンバージョンデータが必要です。
その期間が経過しても効果が出ていない場合は、まずコンバージョン数自体を多く獲得するための施策に変更が必要です。
コンバージョン値の最大化の設定方法
コンバージョン値の最大化は、コンバージョンの設定時にコンバージョンの価値を設定し、さらにキャンペーンで入札戦略を変更することで設定可能です。
まずはコンバージョンに対する価値の設定方法を説明します。
コンバージョン値の設定方法
- Google 広告アカウントにログインし、右上の【ツール】をクリック、続いて【コンバージョン】をクリック
- コンバージョンアクションから「+」をクリック
- 目的にあったコンバージョンの種類を選択し、カテゴリや名前をつけた後、「値」の箇所で「コンバージョンごとに異なる価値を割り当てる」を選択
- デフォルトの値を入力
- カウント方法や、コンバージョンの計測期間、アトリビューションなどを設定
- 【完了】をクリック
変動する金額をコンバージョン値に割り当てる方法
ECサイトなど、変動する金額を割り当てる場合は別途タグの書き換えが必要です。
詳細については下記を参考にしてください。
Google 広告ヘルプ「注文や購入ごとに変動するコンバージョン値をトラッキングする」
ユーザー属性に基づきコンバージョン値の重みの変更方法
コンバージョン値については、地域・オーディエンス・デバイスといったユーザーの属性に基づいて、さらに重みづけのルールを設定することができます。
これによって、入札において特定エリアでのコンバージョンを重視したり、スマホユーザーのコンバージョンを重視する、といったことが可能です。
詳細については下記を参考にしてください。
参考:Google 広告ヘルプ「コンバージョン値のルールのセットアップ」
キャンペーンでの入札戦略の変更方法
ここからは、キャンペーンでの入札戦略の変更方法を説明します。
- Google 広告にログインし、該当キャンペーンをクリック
- アカウント左側の【設定】をクリックし、【入札単価】を選択、さらに【入札戦略を変更】をクリック
- 【コンバージョン値を最大化】を選択
- 任意ですが、目標広告費用対効果を設定すると、目標ROASの達成を目指しながらコンバージョン値を最大化できるよう上限クリック単価が自動調整されるようになります。
- 【保存】をクリック
コンバージョン値の最大化を使用するときは、コンバージョン設定での価値づけとキャンペーンの入札戦略の変更の2つが必要というのがポイントとなります。
コンバージョンを増やすための方法
コンバージョン値の最大化を有効に機能させるためには、コンバージョン数を安定的に獲得できるようになることが重要です。
コンバージョン数を増やして安定的に獲得できるようになるためには、以下の方法があります。
順番に実施していき、成果を見ながらPDCAを回していくといいでしょう。
- コンバージョンタグを設定する。この時マイクロコンバージョン(コンバージョンまでの導線における中間コンバージョン)も設定する。
- サイトへのトラフィックを増やす。
この時入札戦略は「クリック数の最大化(拡張クリック単価を使ってコンバージョンを増やす)」を用いる。 - キャンペーンの改善やコンバージョンの導線、施策自体を改善しつつ、コンバージョン獲得数を増やす。
このとき入札戦略は「コンバージョン数の最大化」に切り替えて運用する。 - コンバージョン数が安定的に十分獲得できてきたら、入札戦略を「コンバージョン値の最大化」へ切り替える。
まとめ
今回は「コンバージョン値の最大化」について、解説しました。
コンバージョン値の最大化はいきなり導入できるわけではなく、コンバージョン数が獲得できていることが前提の入札戦略となります。
したがって、そもそものコンバージョン数を獲得するためのPDCAの実施が不可欠です。
コンバージョン値の最大化は、導入まで時間がかかるかもしれませんが、Google 広告から得られるビジネス上の価値は大きくなります。
コンバージョン数のみを追っていく運用から、コンバージョン値の最大化を導入することで一歩進んだ運用を行ってみてはいかがでしょうか?
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