現在、インターネットの普及により、実際に店舗に訪れることなく欲しいものや気になったものなどを簡単にインターネットで購入することができるようになりました。
経済産業省の市場調査の結果、令和4年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子酒お取引)市場規模は22.7兆円となっており、前年比9.91%と年々増加傾向にあります。
今後、ますます規模が拡大していく可能性のある市場となっており、Google ショッピング広告は、ECサイトを運営している企業にはぜひ売上向上のために導入いただきたい広告となります。
▼BtoC-ECの市場規模の経年推移(単位:億円)
BtoC-ECの市場規模 | |
---|---|
2013年 | 111,660 |
2014年 | 127,970 |
2015年 | 137,746 |
2016年 | 151,358 |
2017年 | 165,054 |
2018年 | 179,845 |
2019年 | 193,609 |
2020年 | 192,779 |
2021年 | 206,950 |
2022年 | 227,449 |
本記事では、ショッピング広告の仕組みやメリット・デメリット、効果を上げるコツなどを解説していきます。
これから導入を検討されている方だけでなく、今Google ショッピング広告を行われている方にも参考にしていただけますと幸いです。
Google ショッピング広告とは
Google ショッピング広告は、小売店を営んでいる広告主に向けて用意されているGoogle広告のメニューです。
ここでは、Google ショッピング広告について特徴や仕組みなどについてそれぞれ解説します。
Google ショッピング広告の仕組み
Google ショッピング広告では、Google マーチャントセンターに登録された商品データにもとづいて、広告を表示する方法や掲載場所を決定します。
この時点では、検索キーワードは使用されず、商品に適したものをAIが決定します。
マーチャントセンターでは、販売する商品の詳細データが記載されており、それを基にユーザーの検索語句が広告と一致した場合に、最も関連性が高い商品が表示される仕組みとなっております。

ショッピング広告は、Google 広告のショッピングキャンペーンやP-Maxキャンペーンを使用することで配信をすることができます。
P-Maxキャンペーンは、設定した目標を達成するため、より効率的に配信するキャンペーンとなっており、予算やデータフィード(商品データ)などのキャンペーンの入力データからパフォーマンスを最適化します。
P-Maxキャンペーンでは、ショッピング掲載箇所以外にも、Youtubeやディスプレイ、検索、マップ、Gmailなど、Googleのあらゆるチャネルを使用して関連性の高いユーザーに配信を行い、コンバージョンの獲得を狙います。
P-MAXキャンペーンの詳細については、下記記事にてご紹介しております。
Google ショッピング広告とP-Maxキャンペーンの違い
Google ショッピング広告を配信する方法としては、通常のショッピング広告とは別にP-Maxキャンペーンを使用する2通りがあります。
では、この2つの配信方法には、どのようは違いがあるでしょうか。
Google ショッピング広告とP-Maxキャンペーンでは、配信場所や広告フォーマットのほかに入札方法など様々な違いがあります。
P-Maxキャンペーン | ショッピング広告 | |
---|---|---|
配信場所 | あらゆるGoogle 広告チャネル ・ショッピングタブ ・Google 検索 ・Google 検索テキスト広告 ・Google 画像検索 ・Google ディスプレイ ネットワーク ・YouTube ・Gmail ・ファインド ・マップ(ローカル在庫広告経由) | 特定のGoogle 広告チャネル ・ショッピングタブ ・Google 検索 ・Google 画像検索 ・Google 検索パートナー サイト(検索パートナー配信の設定時のみ) ・マップ(ローカル在庫広告経由) |
広告フォーマット | さまざまなGoogle 広告フォーマット | 特定のGoogle 広告フォーマット |
料金 | クリック単価やインプレッション単価など | クリック単価 |
入札 | 自動戦略: ・コンバージョン値の最大化 ・コンバージョン数の最大化 | 自動戦略: ・目標広告費用対効果(ROAS) ・クリック数の最大化 ・拡張クリック単価(eCPC) 個別の戦略: ・個別クリック単価 |
広告クリエイティブ | アセットグループとマーチャントセンターで提供したアセット | マーチャントセンターで提供したアセット |
どちらの配信方法でGoogle ショッピング広告を出すと方がよいのか?と思われる方がいらっしゃるかと思います。
判断の基準としては、より多くの配信面に広告を配信したいという方には、P-Maxキャンペーンで配信することをおすすめいたします。
また、P-Maxキャンペーンとショッピング広告を同じアカウントの同じ商品で並行して運用している場合、優先されるキャンペーンはP-Maxキャンペーンとなります。
Google ショッピング広告のメリットデメリット
Google ショッピング広告には、Google 検索広告やGoogle ディスプレイ広告とは異なったメリットやデメリットが存在します。
ここからは、Google ショッピング広告のメリット・デメリットについてご紹介いたします。
Google ショッピング広告のメリット
まず、Google ショッピング広告のメリットについてご紹介いたします。
Google ショッピング広告のメリットとしては、以下の3つがあげられます。
検索結果の上部に表示される
Google ショッピング広告は、検索結果よりも上部に表示されるため、Google 検索広告よりも視認性に優れています。
また、商品画像とともに表示されることにより商品に対するイメージを持ちやすく、購入意欲の高いユーザーへアプローチすることができることもメリットと言えるでしょう。
商品ページに直接誘導することができる
Google ショッピング広告は、広告をクリックすると商品画像を含め商品の詳細内容が表示されます。
離脱率が下がるだけでなく、購入意欲の高いユーザーへアプローチをすることができ、コンバージョン率を上げることができます。
費用対効果が高い
Google ショッピング広告のクリック単価は、30円以下と言われております。
そのため、検索広告よりも低単価で流入数を獲得することができるため、費用対効果が高くなりやすい傾向があります。
Google ショッピング広告のデメリット
Google ショッピング広告には、メリットも多く存在していますが、その一方でデメリットも存在します。
ここでは、以下2点についてそれぞれ解説します。
データフィード(商品データ)作成と更新に手間がかかる
Google ショッピング広告は、Googleマーチャントセンターに商品情報をアップロードするこのから始まります。
このアップロードには、商品タイトルや説明文、遷移先URLなどのさまざまな入力箇所があり、商品数が多くなればなるほど手間もかかります。
商品情報として入力する箇所としては、以下の商品データの属性に分かれており、そこからさらに必須項目と推奨項目に分かれております。
詳細な商品属性に関しては、Google Merchant Centerのヘルプページ「商品データ仕様」をご確認ください。
- 商品基本情報(8項目)
- 価格と在庫状況(12項目)
- 商品カテゴリ(2項目)
- 商品 ID(4項目)
- 詳細な商品説明(23項目)
- ショッピング キャンペーンなどの設定(4項目)
- ショッピングモール(1項目)
- 掲載先(4項目)
- 送料(10項目)
- 税金(2項目)
キーワードごとの調整が難しい
Google ショッピング広告では、キーワードごとの入札調整が難しくなっております。
ショッピング広告の仕組みとして、最初に優先される情報がキーワードではなく、マーチャントセンターに登録されている商品情報となるためです。
また、ショッピング広告では、キーワードの設定は必要がないため、基本的にキーワードごとの調整を行うことができません。
入札単価や検索語句でのコントロールは難しいため、どうしても表示を控えたい場合は除外キーワードの設定を行う必要があります。
Google ショッピング広告で成果を出すためのポイント
これまでGoogle ショッピング広告についてメリットやデメリットなどを確認してきました。
ここからは、ショッピング広告の成果を最大限出すためのポイントをご紹介していきます。
データフィード(商品データ)のポイント
ここでは、データフィード(商品データ)から成果を出すポイントについて3つ解説していきます。
商品情報を推奨項目も含め可能な限り入力する
データフィード(商品データ)では、必須項目と推奨項目の2つがあります。
基本的に広告配信を行う際は、必須項目を入力すれば配信ができますが、成果を出すには推奨項目の情報も入力すべきです。
Google ショッピング広告では、これらのデータフィード(商品データ)情報をもとに広告配信を行うとともに、無料リスティング枠にも配信されます。
広告品質を高めるためにもそれぞれの商品に最適な情報を入力することが重要となります。
また以下4つの項目は、配信の影響を大きくうけるため、確実に入力を行うようにしてください。
- タイトル(必須項目)
- 商品説明(必須項目)
- Google 商品カテゴリ(推奨項目)
- 商品カテゴリ(推奨項目)
データフィード(商品データ)の詳細な改善方法については、下記記事をご確認いただけますと幸いです。
商品が分かりやすい画像への変更を行う
Google ショッピング広告において、商品画像はユーザーが広告を視認する際の第一印象となります。
画像が分かりにくい場合や画像の質が悪いと、クリック率やコンバージョン率の低下を招きかねません。
そのため、商品画像も商品の魅力を最大限伝えることができる画像を選定するようにしましょう。
広告配信設定のポイント
ここでは、成果を出す広告配信設定のポイントについて解説していきます。
コンバージョン値を設定し、自動入札を適用する
Google ショッピング広告では、コンバージョン値を設定することが重要となります。
例えば、商品単価が1,000円のものと10,000円のものでは、1コンバージョンの重みが大きく異なります。
このような重みの違いをAIに学習させるためにも、コンバージョン値をそれぞれの商品ごとに設定することにより、費用対効果(ROAS)を最大化できるようにしましょう。
ここで設定する自動入札戦略は、コンバージョン値の最大化や目標広告費用対効果(目標ROAS)を選択することで、AIに効率的な学習をさせることができます。
除外キーワードを設定して広告配信の無駄を省く
Google ショッピング広告では、キーワードを設定せずに広告配信を行うことができる一方で、キーワードを設定しないためキーワードごとの調整が難しいというデメリットがあります。
データフィード(商品データ)のタイトルやGoogle 商品カテゴリ内に対象とするキーワードを盛り込むことで多少の調整が可能ですが、完全な調整を行うことは難しいです。
関係のないキーワードで配信されてしまっている場合は、除外キーワードの設定を行うことで最適なユーザーに広告の配信を行うことが可能です。
P-MAXキャンペーンへのアップデート
Google ショッピング広告の配信は、P-Maxキャンペーンでも行うことができます。
P-Maxキャンペーンでは、Google ショッピング広告以外にも効果を最大化できると判断された手法を用いて広告の配信を行います。
ショッピング広告で効果が確認された場合、配信量やコンバージョン値の最大化を狙うためにP-Maxキャンペーンへアップグレードすることがおすすめです。
まとめ
本記事では、Google ショッピング広告のメリットやデメリット、成果を出すポイントについて解説してきました。
Google ショッピング広告では、小売店を営んでいる広告主に向けて用意されているGoogleの広告メニューとなっており、有料掲載枠と無料掲載枠で広告配信を行うことができます。
自社ECサイトからの売上をさらに伸ばしたいとお考えの企業さまは、今回の記事を参考に、自社のGoogle ショッピング広告の見直しを行ってみられてはいかがでしょうか?
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