Facebook広告の「カスタム指標」という機能をご存知でしょうか。

Facebook広告の管理画面上には、「リーチ数」「インプレッション」「消化金額」「リンククリック」などあらかじめ把握できる指標が数多く存在します。

しかし、広告運用の目的によっては、Facebookが提供する指標では足りない指標が出てくることもあります。

そこで活用していただきたいのが、独自で新たな指標を作成・追加できる機能「カスタム指標」です。

今回の記事では、Facebook広告のカスタム指標とは何か、メリット、設定方法、活用例まで徹底解説させていただきます。
Facebook広告の運用担当者の方は、広告運用をより有用なものにするために当記事をぜひご参考ください。

Facebook広告カスタム指標とは

カスタム指標とは、広告主がデータ解析をよりアクセスしやすくするためのFacebookの取り組みの1つです。

具体的に広告マネージャの管理画面にあるデフォルトの指標に追加で表示したい指標をカスタマイズすることのできる機能になります。

例えば、デフォルトで用意されていない「リンククリック率に対するコンバージョン率」の指標などを算出するために、Facebookが提供している指標に追加して新しく作成することができます。

このように、知りたい指標を新たに作成することができるので広告運用者にとって重要な機能になります。

カスタム指標のメリット

ここでは、カスタム指標を活用するメリットについて解説します。

指標をカスタマイズすることで詳細な分析ができる

すでに用意されている指標だと、知りたい情報が収集できない可能性があります。
それにより効率的かつ効果的な広告運用が難しくなってしまいます。

そこで、カスタム指標を活用することで、広告の目的に合わせた指標をカスタマイズすることができるので正確なデータ分析が行えるようになります。

分析における時間短縮につながる

カスタム指標によって、分析したい指標を追加することによって広告マネージャの管理画面上ですぐに数値が確認できるため、分析に要する時間を短縮することができます。

カスタム指標の設定方法

ここまで、カスタム指標の概要からメリットについてご紹介しました。
ここからは、カスタム指標の設定方法についてご紹介します。

カスタム指標の設定方法として、広告レポートからの設定と広告マネージャの設定の2種類ありますが、ここでは広告マネージャの設定方法をご紹介します。

広告マネージャにログイン

Facebook広告の広告マネージャーにログインしてください。

Facebook広告の広告マネージャーにログイン
Facebook広告マネージャ: FacebookとInstagramの広告を管理する | Meta for Business

列をカスタマイズ

管理画面右上にある「列:カスタム」を選択、「列をカスタマイズ」をクリック

列をカスタマイズ

カスタム指標を作成

表示された画面上部の「カスタム指標を作成」をクリック

カスタム指標を作成

カスタム指標作成に必要な項目

各項目に、作成したいカスタム指標作成のための設定を入力を行ってください。

  1. 名前
    • 名前は任意で入力してください、指標の名称になります。例)リンククリックなど
  2. フォーマット
    • 指標に合わせたフォーマットを選択してください。
    • フォーマットには、「数値(123)」「パーセント(%)」「通貨($)」の3種類あります。ここでは、コンバージョン率なので「パーセント(%)」を選択しています。
  3. 数式
    • 計算式を「数式」に入力してください。
    • 右の欄にある指標名称を選択して計算式を作成します。
  4. アクセスできる人
    • 作成したカスタム指標にアクセスできる人を選択してください。
  5. 「指標を作成」をクリック
カスタム指標作成に必要な項目

カスタム列の作成

「列:カスタム」を再度選択してください。

カスタム列の作成


設定したカスタム指標(コンバージョン率)を確認

設定したカスタム指標(コンバージョン率)にチェックをいれてください。

設定したカスタム指標(コンバージョン率)を確認

設定完了

カスタム指標の「コンバージョン率」が表示されています。

カスタム指標の「コンバージョン率」が表示される

カスタム指標で注意すべきこと

カスタム指標を作成するにあたって、作成したカスタム指標にアクセスできる人は、「自分のみ」と「このビジネスにアクセスできる全員」のどちらかを選択できます。

それぞれの概要は以下の通りです。

カスタム指標を作成するにあたって、作成したカスタム指標にアクセスできる人は、「自分のみ」と「このビジネスにアクセスできる全員」のどちらかを選択することができる

自分のみ

カスタム指標を、広告マネージャや広告レポートからいつでも閲覧や編集、削除が行えます。

このビジネスにアクセスできる全員

このビジネスにアクセスできる全員が、広告マネージャと広告レポートで設定したカスタム指標を閲覧することができます。
数式の表示や名前、説明の変更ができるのは作成者とビジネスアカウントの管理者のみです。

今回の注意点として、カスタム指標を作成する場合は、まず「自分のみ」で設定することをおすすめします。

理由として、仮にカスタム指標を作成する際、「このビジネスにアクセスできる全員」を選択した場合、作成した指標は削除することができません。

そのため、一度設定してしまうと作成した指標はアクセスできる人がいつでも閲覧できてしまうので、最悪の場合、他社への情報漏洩に繋がったりする可能性もあるので、注意しましょう。

まずは、「自分のみ」の設定をおこなって、関係者各位に共有することがメリットが大きいと感じる場合に「このビジネスにアクセスできる全員」を利用するようにしましょう。

カスタム指標に必要な指標

ここでは、Facebook広告のカスタム指標を設定する上での活用事例をご紹介します。

カスタム指標を作成するにあたって、どの指標を設定するべきなのかわからないという方はぜひ参考にしてください。

クリックあたりの収益

「クリックあたりの収益」に似た指標として、「結果レート」というものがあります。しかし、これは、広告が表示された合計回数に対して得られた結果の割合を指しているため、リンククリックしていないユーザーも割合に含まれてしまいます。

クリックあたりの収益を算出するために、カスタム指標では下記の計算式を指定して作成しましょう。

計算式 

クリックあたりの収益 = 購入 ÷ アウトバウンドクリック(アウトバウンドクリック)

また、より詳細なクリックあたりの収益の割合を算出するためには、「リンクのクリック」よりも「アウトバウンドクリック」を使用することをおすすめします。

理由は、「リンクのクリック」は、Facebookプロパティ内外に指定されたリンク先やインスタントエクスペリエンスの広告リンクをクリックした回数になります。

一方、「アウトバウンドクリック」は、Facebook外のみのリンク先のクリック数を計測してくれるため、広告によってサイト誘導した正しいユーザー数が計測できます。

インスタントエクスペリエンス:Facebook、Instagramのモバイルアプリ利用者向けに最適化された広告フォーマット
参考URL:インスタントエクスペリエンスとは

カート追加率(ユニーク)

カート追加率(ユニーク)とは、Aさんが同じ広告を2回クリックして異なる商品をカートに追加した場合、カート追加率は100%ではなく50%となります。

例えば、10回のクリックに対して、5回の「カートへの追加」が発生した場合、50%のカートへの追加率であると想定することができると思います。

しかし、1人のユーザーが 5つの異なる商品をカートに追加した場合はどうなるでしょうか。その場合、カートへの実質的な追加率は10% になります。

そうすると、本来想定していた割合よりも大幅に低い割合が算出されるため、WEBサイトもしくはメルマガなどのオファーに問題があることが明らかです。

ユニークなカートへの追加率 (製品をクリックしてカートに追加したユーザーの合計数) を測定することで、より詳細な広告への効果測定ができるようになります。

計算式 

カート追加率 = カートへの追加(ユニーク)÷ アウトバウンドクリック(ユニーク)

カートへの追加(ユニーク)あたりのコスト

カートへの追加率(ユニーク)を測定したら、それぞれのカートへの追加にかかる費用を知ることも重要になります。

広告の費用対効果が悪く広告を一時停止したのに、その後に商品が売れたなんて経験をしたことはありませんか?これにはアトリビューション設定の問題が挙げられます。

アトリビューションとは、コンバージョンを広告の成果と判断できる期間を表しており、この期間を1日で設定してしまうと、広告をクリックして2日後にコンバージョンに至ってもコンバージョンとして計測されなくなります。

すると、正しいコンバージョン数値が把握できず、費用対効果にズレが生じてしまいます。そのため、「カートへの追加(ユニーク)あたりのコスト」を設定することで正しいコンバージョン数値と費用対効果が算出されるようになります。

計算式 

カートへの追加(ユニーク)あたりのコスト = 広告予算 ÷ カートへの追加(ユニーク)

カート離脱率

カート離脱率は、ECサイトでの広告を配信する際に、どれくらいの割合のユーザーがカートページから離脱しているのかを知りたい時に作成する指標になります。

コンバージョンに至る手前で、多くのユーザーがカート放棄しているのであれば、改善が必要です。送料などの見直しやメルマガ、オファーの問題点を確認する必要があるかもしれません。

計算式 

カート離脱率 = (購入 ÷ カート追加)- 1

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、カスタム指標の概要からメリット、設定方法、活用事例について一挙ご紹介させていただきました。

カスタム指標は、デフォルトの指標だけでは見ることができない指標を新たにカスタマイズして細かいデータ分析が行える広告運用担当者にとって非常に便利な機能になります。

設定における注意点として、カスタム指標を作成する場合のアクセス権限は、まず「自分のみ」と設定するようにしましょう。「全員がアクセスできる」に選択してしまうと作成したカスタム指標の削除ができないため情報漏洩につながる可能性があります。

カスタム指標を作成する際はそうした点を留意しつつ、目的にあった広告運用を行って日々のビジネスに役立ててください。

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