みなさんは「アトリビューション」というマーケティング用語をご存知でしょうか。

アトリビューションとは、どの媒体が企業の売上やコンバージョンに貢献しているのかを判断する分析手法になります。

最近では、消費者が商品やサービスを購入する際、メルマガやWEB広告、Google検索などさまざまな場面で商品やサービスと接触点を持ちます。

コンバージョンの精度を上げるためには、消費者がどの媒体で自社を知ったのか、また、どの媒体から流入しコンバージョンに至ったのかを把握することで、今後のマーケティング施策の改善につなげることができます。

当記事では、アトリビューションとは何か、アトリビューションの必要性、アトリビューションのメリット、アトリビューションの6つのモデルについて解説していきます。

当記事を参考にすることで下記の疑問を解決することができます。

  • アトリビューションってそもそもなに?
  • アトリビューションで何がわかるの?
  • 自社に合ったアトリビューションモデルを知りたい

それでは、アトリビューションについて解説していきます。

アトリビューションとは

アトリビューションとは、消費者が購入やお問い合わせといったコンバージョンを起こすまでの経路の中で、どのメディアがコンバージョンに最も影響を与えたのかを判断する分析手法になります。

例えば、消費者が広告をクリックして自社商品の購入に至った場合、今までどの広告をみて、購入に至ったのかを知ることができます。

消費者がコンバージョンに至った要因を把握することで、個々の消費者特有の欲求を理解することができ、その消費者にあわせたキャンペーンを配信することでROI(投資収益率)を高めることができます。

それでは、アトリビューションの必要性、メリット〜分析手法モデルについて解説していきます。

アトリビューションが注目されている理由

インターネットやスマホの普及により、消費者はブログやSNS、メルマガやWEB広告などあらゆるメディア媒体に触れ、商品やサービスを購入するための意思決定をするようになりました。

このような多様化された時代により、消費者がコンバージョンに至る要因が複雑化され、マーケターは消費者が今までどのメディアや広告に触れてきたのかを考える必要が出てきました。

例えば、消費者がディスプレイ広告とメールキャンペーンに触れ、メールキャンペーンを閲覧した後にコンバージョンを達成した場合、メールキャンペーンはディスプレイ広告よりも販売促進に大きな役割をもっていると気づくことができます。その後、ターゲティングを絞ったメールキャンペーンの配信により、更なる販売促進につなげることが期待でき、効果のないWEB広告の予算を引き下げることができます。

このように、アトリビューションは効果的なマーケティング施策を行うために重要な分析手法だと言えます。

アトリビューションのメリット

ここからは、アトリビューションを活用することでどのようなメリットがあるのかについて簡単に解説していきます。

マーケティングの最適化に役立つ

上述でも少し触れていますが、アトリビューションはどの媒体が最も消費者のエンゲージメントが高かったのかを知ることができます。

それにより、どの媒体に予算やリソースを投じるべきなのかを判断することができます。

ROIの向上が期待できる

効果的なアトリビューションを実施することで、マーケターは適切なタイミングで適切なメッセージキャンペーンを消費者に配信することができ、コンバージョンやマーケティングROIの向上を期待することができます。

パーソナライズに役立つ

蓄積したアトリビューションデータを活用することで、個々の消費者が好むメッセージやチャネルを理解して、カスタマージャーニー全体でより効果的なターゲティングを行うことができます。   

製品開発に役立つ

個人レベルでアトリビューションを行うことで、マーケターは消費者ニーズをより深く理解することができます。

消費者のニーズを知ることで、消費者が望む機能や製品に改善することができます。

アトリビューションモデルの種類

アトリビューションは、コンバージョンに至るまでの広告や施策の貢献度を計測します。
アトリビューションモデルとは、その貢献度をどのように割り振るかを決めたルールのことを言います。

アトリビューションモデルには6つのモデルがあり、自社商品やサービスの特徴に合わせて使い分けを調整する必要があります。

以下では、6つのモデルの特徴や違い、メリットやデメリットについて解説していきます。

1.終点モデル(ラストクリックモデル)

終点モデルは、「ラストクリック」や「ラストタッチ」とも呼ばれます。

文字通り、消費者が自社商品やサービスを購入する時にみた広告に100%の貢献度を付与するというものです。

例えば、ある消費者がオーガニック検索で自社のウェブサイトを見つけたとします。1週間後、その消費者はFacebook広告を見て、その広告をクリックしたとします。
その日のうちに消費者は、直接ウェブサイトにアクセスし、購入に至ります。
この場合、「直接のアクセス」に100%の貢献度が付与されます。

このモデルは、Google Analyticsやそのほかのプラットフォームでデフォルト設定されている利用率の高いモデルです。

利用するメリットとしては、サードパーティークッキー廃止から複数デバイスの計測が困難になる一方で、終点モデルであれば、最後にアクションした広告媒体のみ計測するため正確に数値の確認を行うことができます。

デメリットは、最後の広告媒体の計測のみ確認になるということです。
消費者がコンバージョンに至るには、あらゆるメディア媒体が要因となるケースが多いため、詳細な消費者インサイトを掴めないという欠点があります。

2.非直接クリックモデル

非直接クリックモデルは、最終的なクリックが「直接のアクセス」だった場合、「直接のアクセス」は除外されてその前の媒体に貢献度が100%付与されるというものです。

直接のアクセスは、誰かが手動で自社HPのURLを入力したり、ブックマークされたリンクをクリックしたりして自社HPにアクセスした場合になるため、すでに企業について知っている消費者となります。

そのため、何がきっかけで消費者は自社のことを知ったのか把握するために「直接アクセス」を除外する必要があります。

メリットとして、直接的なアクセスを除外できるためラストクリックモデルよりも消費者のインサイトを把握しやすいことが挙げられます。

一方で、デメリットは、ラストクリックモデルと同様に最後のクリックが100%貢献度として付与されるためそのほかの媒体の評価ができないということです。

3.起点モデル

起点モデルは、最初のクリック(ファーストクリック)や最初の接触ポイントに100%の貢献度を付与するというもので、終点モデルと反対のモデルと言えます。

例えば、消費者が最初にPinterest(ピンタレスト)で自社商品やサービスを知った場合、Pinterestに100%の貢献度が付与されるということです。

起点モデルのメリットは、最初に接点をもった媒体がなんなのかを把握することができるため潜在層のインサイトを把握できます。しかし、このモデルは、リターゲティング広告といった、後に発生する潜在的なニーズ喚起の接触ポイントが把握できないことです。

このモデルは、購入までの意思決定が短い場合に役に立ちます。消費者をすぐに購入までアクションできる時には最初の接触ポイントが特に重要です。

4.線形モデル

線形モデルでは、自社商品やサービスを購入する過程において、接触したメディアの全てに対して均等に貢献度を割り振るというものです。

例えば、ある消費者が自社Instagramを見つけ、サイトに遷移して資料ダウンロードからメールリストを登録し、その後、メールマガジンのリンクをクリック。翌週、その消費者は自社サイトに直接アクセスし、10,000円の買い物をしたとします。この場合、3つのタッチポイントである①SNS、②メルマガ、③直接アクセスが存在します。各チャネルの貢献度は33%(3,333円)で割り振られます。

線形モデルのメリットは、購入までに接触した媒体が把握できるためマーケティング戦略全体をよりバランスよく見ることができることです。しかし、すべての媒体に等しく割り当てるため、 戦略的な分析には適していません。

5.減衰モデル

減衰モデルは、線形モデルと同じで、購入するまでの媒体すべてに渡って貢献度を付与します。ただ、線形モデルとは異なる点は、減衰モデルでは、各接触ポイントがいつ発生したかも考慮されます。

購入時期の近い媒体には高い貢献度が付与されます。そのため、最初に接触した媒体にはあまり貢献度が付与されず、最後に接触した媒体の貢献度が高くなります。

減衰モデルは、購入の検討期間が長くなる傾向にある高額商品やサービスを取り扱う企業に向いています。逆に、少額商品やサービスには不向きなモデルになります。

6.接点ベースモデル

​​接点ベースモデルは、「U字型アトリビューション」とも呼ばれ、消費者が商品やサービスを購入する経路にあたって、最初と最後の接触ポイントに40%の貢献度を割り振り、それ以外を20%の貢献度で割り振るというものです。

例えば、消費者が最初にGoogle 検索で自社サイトに訪問(接触)し、Facebookページを見て、その後メールマガジンに登録した場合、最初の接触と3番目の接触(メルマガ)に40%が付与されて、間の接触ポイントであるFacebookへの訪問には残りの20%が与えられます。

接点ベースモデルは、コンバージョンまでに複数の接触ポイントを持つビジネスタイプに向いている媒体です。

GA(グーグルアナリティクス)でアトリビューションを確認する方法

Google Analyticsでは、デフォルトとして「終点モデル(ラストクリックモデル)」の設定がされていますが、他にも、上記で説明した6つのモデルを活用した確認を行うことができます。

ここでは、Google Analyticsでのアトリビューションモデルの確認方法についてご紹介いたします。

1.GAにログイン ▶︎ コンバージョンをクリック

2.マルチチャネル ▶︎ モデル比較ツールをクリック

3.終点モデルの右にあるプルダウンをクリック ▶︎ 各モデル選択

まとめ

今回は、「アトリビューション」について解説しました。

現代において消費者のコンバージョンの多様化や複雑化が進み、マーケター担当者はこれまで以上に消費者の行動の詳細な部分まで計測しなければいけなくなりました。

そこで活用していただきたい分析が、「アトリビューション」です。

「アトリビューション」とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでの間、どの接触媒体を経由したのかを把握することができる分析手法になります。

アトリビューションを確認することによって、ユーザーが何をみて自社商品やサービスを知ることになったのか、また何の媒体が消費者に購入を促したのかを理解することができ、広告や各媒体の予算の分配や施策の最適化を行うことができるようになります。

これから広告運用を行いたい方やWEBによる施策を考えている担当者はぜひ「アトリビューション」を活用してみてください!