Amazonで商品を販売していると、「広告を出したほうがいいのかな?」と思うことがあるのではないでしょうか。
しかし、実際に広告を出そうとすると「Amazon広告ってどんな種類があるの?」「どれを使えばいいの?」と迷う方も多いはずです。

この記事では、Amazon広告の仕組みや種類、効果的な使い方などを、初心者の方でも理解できるようにやさしく解説します。
これからAmazonで売上を伸ばしたい方は、まずここから基本を押さえましょう。

INDEX
  1. Amazon広告とは? ― 「見つけてもらう」ための仕組み
  2. Amazon広告を使う目的とは
    1. 「見つけてもらう」―― 認知拡大フェーズ
    2. 「選んでもらう」―― 購買促進フェーズ
    3. 「思い出してもらう」―― リピート・再アプローチフェーズ
    4. 3つの目的はつながっている
  3. Amazon広告の主な3種類
    1. スポンサープロダクト広告:Amazon広告の基本となる「買ってもらう」広告
    2. スポンサーブランド広告:ブランドを覚えてもらうための広告
    3. スポンサーディスプレイ広告:興味を持った人にもう一度思い出してもらう広告
  4. 自動ターゲティングと手動ターゲティングの違い
    1. 自動ターゲティング
      1. 自動ターゲティングが向いているケース
    2. 手動ターゲティング
      1. 手動ターゲティングが向いているケース
    3. 効果的な使い方
  5. Amazon広告の仕組み ― 入札制と関連性スコア
    1. 入札金額(CPC)
    2. 関連性スコア
    3. Amazon広告配信の際のポイント
  6. Amazon広告のメリット
    1. 購買意欲の高いユーザーにリーチできる
    2. 少額から始められる
    3. 結果が数字で見える
    4. 学習と最適化が進むほど効率アップ
  7. 初心者におすすめの始め方
    1. スポンサープロダクト広告(自動ターゲティング)でスタート
    2. 成果の良いキーワードを手動ターゲティングで強化
    3. ブランドを広めたいタイミングでスポンサーブランド広告を追加
    4. おすすめの始め方のポイント
  8. まとめ:Amazon広告は「売上を伸ばすための仕組み」
  9. ウェブ広告をはじめ、ウェブマーケティングに関する不安や疑問を無料でスッキリ解決しませんか?

Amazon広告とは? ― 「見つけてもらう」ための仕組み

Amazon広告とは、Amazonの中や外で商品やブランドを宣伝できる広告サービスのことです。
Amazonは世界最大級のECサイトであり、多くのユーザーが「買いたいものを探す場所」として利用しています。

つまり、Amazon広告は「すでに購買意欲を持ったユーザー」に直接アプローチできるツールなのです。
SNS広告のように興味を喚起する段階からスタートするのではなく、
「欲しい」「探している」状態のユーザーに商品を見せることができる点が、大きな特徴です。

Amazon広告を使う目的とは

Amazon広告を使う目的は、単に「アクセスを増やすこと」ではありません。
本当の目的は、ユーザーに商品を見つけてもらい、選んでもらい、繰り返し買ってもらうことにあります。

この流れを作るために、Amazon広告は次の3つの段階で役割を果たします。

「見つけてもらう」―― 認知拡大フェーズ

まずは、自社の商品やブランドを知ってもらうことが最初のステップです。

Amazon内には同じカテゴリの商品が数え切れないほど並んでおり、広告を使わないとユーザーの目に触れず、
存在すら知られないことも少なくありません。

ここで活躍するのがスポンサーブランド広告などの「上位表示型の広告」です。
ブランドロゴや複数の商品をまとめて見せることで、「このブランド、気になるな」と感じてもらうきっかけを作ります。

  • 目的: ブランドや商品の“認知度”を上げる
  • 効果: 検索結果での露出増加・ブランド検索数の向上

「選んでもらう」―― 購買促進フェーズ

次に大切なのは、ユーザーにあなたの商品を選んでもらうこと

同じような商品が多数ある中で、「他の商品ではなく、これを買おう」と思ってもらうには、
検索結果や商品ページで目立つことが重要です。

ここではスポンサープロダクト広告が力を発揮します。
特定の商品をキーワードや関連商品に紐づけて表示することで、購買意欲の高いユーザーに直接アプローチできます。

また、レビュー評価や価格、サムネイル画像の改善と組み合わせることで、
広告のクリック率(CTR)や購入率(CVR)も大きく上がります。

  • 目的: 検索中のユーザーに自社商品を選んでもらう
  • 効果: 商品ページへの流入増加・購入数アップ

「思い出してもらう」―― リピート・再アプローチフェーズ

過去に商品を見た人、カートに入れたけど購入に至らなかった人、あるいは一度購入してからしばらく経った人に対して、
もう一度広告を表示して再訪を促すのがこのフェーズです。

この段階で効果的なのがスポンサーディスプレイ広告です。
Amazon内外のさまざまな場所に表示され、「そういえばこの商品、気になってた」と思い出してもらうことができます。

  • 目的: 過去の閲覧者・購入者への再訴求
  • 効果: 再購入・クロスセル・アップセルの促進

3つの目的はつながっている

この3つのステップは、ひとつずつ独立しているわけではなく、「認知 → 購入 → リピート」という流れでつながっています。

  • まず「認知」を広げて、新しいお客様に商品を見つけてもらう
  • 次に「購入」を促す広告で、実際の売上をつくる
  • そして「リピート広告」でファンを増やし、安定した売上を維持する

このサイクルをしっかり回すことが、Amazon広告運用の大きな目的です。
一度きりの施策ではなく、継続的に改善しながら成長していく仕組みとして活用することで、ブランドの信頼と売上の両方を育てることができます。

Amazon広告の主な3種類

Amazon広告には複数のフォーマットがありますが、特に重要なのは以下の3つです。

広告タイプ主な目的特徴
スポンサープロダクト広告購入を促す商品単位で出稿。検索結果や商品ページに表示される。初心者でも始めやすい。
スポンサーブランド広告ブランドを知ってもらうブランドロゴや複数商品をまとめて訴求。検索結果上部に表示。
スポンサーディスプレイ広告購買意欲を思い出させるAmazon内外に配信可能。リターゲティング広告に近い。

それぞれ役割が異なり、うまく組み合わせることで「知ってもらう → 買ってもらう → もう一度買ってもらう」という流れを作ることができます。
ここからは、それぞれの広告タイプについてご紹介していきます。

スポンサープロダクト広告:Amazon広告の基本となる「買ってもらう」広告

スポンサープロダクト広告は、Amazon広告の中で最も多く利用されている、いわば基本の広告フォーマットです。
出品している特定の商品(ASIN)を1つずつ広告として出稿し、ユーザーの検索結果や商品詳細ページ内に表示されます。

たとえば、ユーザーが「水筒」と検索したとき、自社の水筒を上位に表示することができます。
つまり、この広告は「今まさに買いたい」と思って検索しているユーザーにピンポイントでアプローチできる仕組みです。

検索結果の上位に商品が出ると、それだけクリック率(CTR)や購入率(CVR)が上がりやすくなります。
そのため、スポンサープロダクト広告は、売上アップに直結しやすい“即効性のある広告”として、多くの出品者が最初に取り入れています。

また、クリック課金制(CPC)のため、広告がクリックされたときだけ料金が発生します。
そのため、少額からでも始めやすく、Amazon広告を初めて使う方にとっても安心です。

初心者の方は、まずこのスポンサープロダクト広告を使って広告運用の仕組みを理解し、どんなキーワードやターゲットが効果的かを知ることから始めてみましょう。

スポンサーブランド広告:ブランドを覚えてもらうための広告

スポンサーブランド広告は、ブランドロゴや複数の商品をまとめて表示できる広告です。
検索結果の最上部など、ユーザーの目に入りやすい場所に表示されるため、ブランドを知ってもらう(認知を広げる)目的に非常に向いています。

たとえば「コーヒー豆」と検索したときに、検索結果の一番上に「〇〇コーヒー」のロゴと3つの商品が並んでいる広告を見たことはありませんか?
それがスポンサーブランド広告です。
ユーザーに「このブランド、見たことある!」と印象づける効果があります。

広告をクリックしたユーザーは、ブランドストア特設ランディングページに遷移させることができます。
そこでは、ブランドの世界観を伝えたり、複数の商品を一覧で見せたりすることが可能です。

そのため、新ブランドを立ち上げたばかりのときや、シリーズ商品をまとめて紹介したいときにとても効果的です。
長期的に見れば、「このブランドの商品なら安心」という信頼を育てる役割も担います。

スポンサーディスプレイ広告:興味を持った人にもう一度思い出してもらう広告

スポンサーディスプレイ広告は、過去にあなたの商品を見た人や、似た競合商品を見た人に対して、再度アプローチできる広告です。
Amazonの中だけでなく、外部のサイトやアプリにも広告が表示されるのが大きな特徴です。

たとえば、あるユーザーが一度あなたの水筒を見たけれど、購入せずに他の商品ページに移動したとします。
その後、別のサイトを見ているときに、あなたの水筒の広告がもう一度表示される。
このようにして「そういえばこの商品、気になってた」と思い出してもらうのがスポンサーディスプレイ広告です。

この仕組みはいわゆるリターゲティング広告(追いかけ広告)と呼ばれるもので、
購入を迷っていたユーザーにもう一度チャンスを与える役割を果たします。
結果的に、取りこぼしを防ぎ、売上を底上げする効果が期待できます。

すでにある程度アクセスや売上がある商品であれば、リピート購入の促進にも活用可能です。
スポンサープロダクト広告やブランド広告と組み合わせて使うことで、より強力な広告サイクルを作ることができます。

スポンサーブランド広告とスポンサープロダクト広告の使い分け方に関しての記事も公開しております。
ご興味のある方は、ぜひご覧いただけますと幸いです。

自動ターゲティングと手動ターゲティングの違い

Amazon広告には、広告をどんな人に見せるかを決める方法として「自動ターゲティング」と「手動ターゲティング」の2つのやり方があります。
それぞれに特徴があるので、広告の目的や経験に合わせて使い分けるのがポイントです。

自動ターゲティング

「自動ターゲティング」は、AmazonがAIを使って自動的に広告の出し先を決めてくれる仕組みです。
あなたの商品ページの情報(タイトル・説明文・カテゴリーなど)をもとに、関連性の高い検索キーワードや商品ページに広告を表示してくれます。

出品者がキーワードをいちいち設定する必要がないため、広告運用の経験が少ない人でも簡単に始められるのが大きなメリットです。

自動ターゲティングが向いているケース

AIが自動でマッチする場所を探してくれるため、テスト配信や最初のデータ収集にとても便利です。

  • Amazon広告を初めて使う初心者の方
  • 新商品を出したばかりで、まだどんなキーワードで売れるかわからないとき
  • まずはデータを集めて、今後の広告戦略を立てたいとき
  • 広告設定にかける時間をなるべく減らしたいとき

ただし、AI任せにしすぎると関係の薄いキーワードにも広告が出てしまうことがあるため、定期的に成果をチェックして不要な表示を減らすことが大切です。

手動ターゲティング

こちらは、出品者が自分で「どんなキーワード」や「どの商品ページ」に広告を出すかを決める方法です。
自分で細かくコントロールできる分、うまく使えばムダなクリックを減らして、広告の費用対効果(ROAS)を上げることができます。

たとえば、クリック率(CTR)や購入率(CVR)の高いキーワードに絞ることで、より効率的な広告運用が可能になります。

手動ターゲティングが向いているケース

下記のようなケースでは、手動ターゲティングを使うことで、広告費を効率的に使いながら売上アップを狙えます。

  • ある程度広告運用に慣れていて、データをもとに判断できる場合
  • 自社商品の強みや狙いたい検索キーワードが明確な場合
  • 競合商品との差別化を意識して、細かくコントロールしたい場合
  • すでに自動ターゲティングで成果の良かったキーワードを把握している場合

効果的な使い方

最初から手動設定を完璧にやるのは難しいため、

  • まず「自動ターゲティング」でデータを集める
  • 成果の良かったキーワードを「手動ターゲティング」で強化する

という流れで進めるのが王道です。

Amazon広告の仕組み ― 入札制と関連性スコア

Amazon広告は、「オークション方式(入札制)」で広告が表示される仕組みになっています。
たとえば、同じキーワードで複数の出品者が広告を出した場合、Amazonは「どの広告をどの順番で表示するか」を次の2つのポイントで判断します。

入札金額(CPC)

これは、「1回クリックされたときに支払ってもよい金額」です。
たとえば「100円」で入札した場合、そのキーワードで広告がクリックされると最大で100円を支払うという意味になります。
入札金額を上げるほど上位に表示されやすくなりますが、金額だけでは勝負が決まらないのがAmazon広告の特徴です。

関連性スコア

Amazonが自動的に、「この広告はユーザーの検索内容にどれだけ合っているか?」をスコアで判断します。
たとえば、ユーザーが「無印風 ノート」と検索したときに、広告の商品がちゃんと「シンプルデザインのノート」であれば、関連性スコアは高くなります。

つまり、ユーザーのニーズに合っているほど有利になるという仕組みです。

Amazon広告配信の際のポイント

Amzon広告は、高い金額を設定しただけでは上位に出るとは限りません。
Amazonは「入札金額 × 関連性スコア」のバランスで順位を決めているためです。

そのため、

  • ユーザーの検索意図に合ったタイトル・画像・説明文に整える
  • 広告のクリック率(CTR)や購入率(CVR)を上げる

といった工夫をすることにより、少ない費用でも上位に表示されやすくなるのです。

Amazon広告のメリット

Amazon広告には、出品者にとって大きなメリットがいくつもあります。
ここでは、特に重要な4つのポイントをわかりやすく紹介します。

Amazon広告を活用することで、より多くのお客様に商品を知ってもらい、売上アップにつなげることができます。

購買意欲の高いユーザーにリーチできる

Amazonで商品を検索しているユーザーは、すでに「買うかどうか」を検討している段階にあります。
つまり、興味を持っている人に直接アプローチできるのがAmazon広告の強みです。

たとえば「水筒」と検索している人に、あなたの水筒商品を上位に表示できれば、クリックや購入につながる確率がぐっと高まります。
広告を見た人がそのまま購入するケースも多く、高いコンバージョン率(購入率)が期待できます。

少額から始められる

Amazon広告は「クリック課金制(CPC)」と呼ばれる仕組みを採用しています。
これは、広告が表示されただけではお金はかからず、ユーザーがクリックしたときだけ費用が発生するというものです。

そのため、1日数百円などの少額からでもスタートできます。
大きな初期費用が不要なので、初めて広告を出す初心者でも安心して始められます。

結果が数字で見える

Amazon広告では、広告の効果を「数字」で確認することができます。
たとえば、クリック率(CTR)・購入率(CVR)・広告費用対効果(ROAS)といったデータをリアルタイムでチェックできます。

これらの数値をもとに「どんな商品がよく売れているか」「どんなキーワードが効果的か」を分析することで、広告の改善がしやすくなります。
感覚ではなくデータに基づいて運用できるのが大きな利点です。

学習と最適化が進むほど効率アップ

Amazonの広告システムはAI(人工知能)が搭載されており、
広告を出し続けることで自動的にデータを蓄積し、より効果的な配信を学習していきます。

最初は成果が安定しなくても、徐々にAIが「どんなユーザーが反応しやすいか」を学び、広告の表示精度がどんどん高まっていく仕組みです。
継続的に運用することで、少ない費用でより多くの成果を上げることができます。

このようにAmazon広告は、費用を抑えながら確実に購入につなげるチャンスを増やせるツールです。
商品を出品しているだけでは埋もれてしまうことも多いですが、
広告を活用すれば「見つけてもらえる」「選んでもらえる」きっかけを作ることができます。

初心者の方こそ、まずはAmazon広告を試してみる価値があります。

初心者におすすめの始め方

Amazon広告を始めるときは、いきなり全部の機能を使おうとせず、段階的にステップアップしていくのがコツです。
以下の流れで進めると、ムダなく効果を出しやすくなります。

スポンサープロダクト広告(自動ターゲティング)でスタート

まずはAmazonが自動で広告を出してくれる「自動ターゲティング」から始めましょう。
自分でキーワードを決めなくても、Amazonが商品情報をもとに関連する検索結果や商品ページに広告を表示してくれます。

目的:どんな検索ワードでお客様が反応しているかを知るためのデータ集め(=テスト運用の段階)

成果の良いキーワードを手動ターゲティングで強化

自動配信の結果を見て、クリック率や購入率の高かったキーワードを抜き出します。
そのキーワードを使って「手動ターゲティング」で広告を出すことで、費用をムダにせず、効果の高い広告に集中できます。

目的:売上につながりやすい検索ワードに広告を集中させ、効率化する。

ブランドを広めたいタイミングでスポンサーブランド広告を追加

ある程度売上が安定してきたら、「ブランドを知ってもらう」ための広告をプラスします。
複数の商品をまとめて見せたり、ブランド名を強調して表示できるため、認知拡大やリピーターづくりに効果的です。

目的:ブランド全体の印象を高め、ファンを増やす。

おすすめの始め方のポイント

最初は「自動」で広く→次に「手動」で効率的に→最後に「ブランド」で信頼感アップ、という流れを意識すると、広告効果がぐっと上がります。

まとめ:Amazon広告は「売上を伸ばすための仕組み」

Amazon広告は、単なる「宣伝ツール」ではありません。
それは、あなたの商品をもっと多くの人に届け、売上を伸ばし、ブランドを育てていくための仕組みです。

Amazonは、世界中の人々が日常的に買い物をする巨大なマーケット。
その中で、あなたの商品がより多くの目に触れるようにサポートしてくれるのが、Amazon広告の大きな魅力です。

最初は小さくても構いません。
少しずつ試しながら改善を重ねていけば、きっとAmazon広告が「売上を伸ばす力強い仕組み」だと実感できるはずです。

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